毎年、6カ月間に渡るMLBのシーズンは、我々野球ライターのシーズン前の予想を覆すような驚きを生み出す。例えば、FAの強打者J.D. マルティネスがレッドソックスのラインアップに完璧に適合することは容易に予想できた。しかし、どの選手が本塁打でドジャース(昨年のワールドシリーズで第7戦まで熱戦を演じた)を牽引することになるのかを知っていた人はいなかったに違いない。その男についての詳細はこの後すぐにお届けしよう。
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レギュラーシーズンが終盤に差し掛かると、ポジションごとに最高のサプライズ選手を選出する時期となる。
以下が大まかなガイドラインだ。
可能なかぎり“どこからともなく現れた”選手にこだわることを心がけた。これまでにも優秀な成績を上げながら2018年に更に花開いた選手(パトリック・コービン、ブレイク・スネル、カイル・フリーランドなど)は避けることとした。また、大々的に宣伝され今年から活躍が期待されていたルーキーたちについても、その期待を上回っていたとしても選出を避けている(ロナルド・アクーニャやグレイバー・トーレスが具体例だ)。
また、捕手の選出は見送った。正直に言うと、他のポジションでスポットライトを当てた選手たちほど我々を驚かせたサプライズと呼べる捕手はいなかった。J.T.リアルミュートやヤディアー・モリーナ、ウィルソン・ラモス、その他にも今シーズンすばらしい活躍をした捕手はいたが、彼らが活躍するのは誰もが織り込み済みだった。そうだろ?
よし、それでは始めよう。
※成績は原文公開日の9月21日時点
一塁手:マックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)
注目の記録:33本塁打、OPS.961、wRC+158、bWAR3.9
シーズンの現時点で、マンシーに関する野球記事は見出しから消え去ってしまったかもしれない。だが、もしもドジャースが10月のプレーオフに進めば、復活することは間違いない。
マンシーはアスレチックスの一員として2015年と2016年にメジャーの舞台で立て続けに失敗した。この両シーズンでマンシーは100打席以上に立って全ての成績(WAR、OPS+、 wRC+、打率など)で平均以下となった。アスレチックスは2017年の春に彼を放出し、その数週間後にドジャースが彼と契約を結び、彼はシーズンを通してトリプルAのオクラホマシティで過ごした。
そして2018シーズンが訪れると、全てが激変した。
マンシーはオクラホマシティでの9試合で打率.313と本塁打2本を記録し、ドジャースに負傷者が続出した4月中旬にはメジャーの舞台に招集されることとなった。彼は代打としては初のメジャーの打席に立ってシングルヒットを放った。翌日には四球からの初の得点を記録すると、次の打席ではホームランを放った。5月には5本塁打を記録、6月には10本、7月に7本、8月は6本を放った。メジャーとトリプルAでの3シーズン(2015-17)合計でも36本塁打にとどまっていたマンシーだが、オールスターブレイク中のホームランダービーにも参加した。彼は449打席で33本塁打(ドジャースの他のどの選手より10本以上多い)を記録し、ナ・リーグ4位タイとなっている。また、wRC+158という記録は400打席以上に立っているメジャーの全選手の中で5番目の記録であり、彼の上に立つのはマイク・トラウト、ムーキー・ベッツ、J.D.マルティネス、アレックス・ブレグマンのみとなっている。ああ、クレイジーだ。
二塁手:ジョーイ・ウェンドル(タンパベイ・レイズ)
注目の記録:bWAR4.0、打率.302、OPS+118、
ア・リーグ東地区(場合によってはア・リーグ全体)で最低のレッテルを張られていたレイズが、最悪のシーズンになると予想されていた今シーズン、貯金を19も積み上げている理由は何か? 第一に、28歳にして今シーズンに入るまで大リーグへの出場経験が合計36試合しかなかったジョーイ・ウェンドルのような、これまで称賛されてこなかった選手たちの貢献が挙げられる。
マンシーと同様に、ウェンドルもアスレチックスにて2シーズンに渡って出場機会を得たが、レギュラーの座を得ることはできなかった。そして昨オフ、ウェンドルは後日発表選手とのトレードでレイズに移った。
ウェンドルはシーズン最初の月から打率.329を記録し、一刻も無駄にすることなくレイズのラインアップ入りすることを確実にした。彼は二塁手として72試合に出場し、三塁手として13試合、左翼手として13試合、遊撃手としても4試合に出場した。この多様性によって彼のプレー時間が確保され、シーズンが進むにつれて彼はより良くなっていった。7月の月間打率は.360、8月は.330、9月は.345を記録した。彼のbWAR4.0という記録はチーム内で2番目のもので、上に立つのはア・リーグのサイ・ヤング賞候補ブレイク・スネルの6.7のみだ。
遊撃手:アダルベルト・モンデシー(カンザスシティ・ロイヤルズ)
注目の記録:打率.288、10本塁打、26盗塁
元オールスター選手ラウル・モンデシーの息子である彼は、2015年のワールドシリーズで代打の機会を得て、プロ野球史上初、ワールドシリーズでメジャーリーグデビューを果たした選手となった。彼は非常に高い期待が寄せられた若手選手であったが、2016と2017シーズンは大リーグの舞台で悲惨な結果に終わった。モンデシーはその2シーズンで合計209打席に立ったものの、打率はわずか.181、OPS+は信じられないほど悪い33だった。昨シーズンはトリプルAのオマハで成功を収め(85試合で13本塁打、21盗塁、OPS.879)、2018年6月に再びメジャーに招集された。
彼はロイヤルズに昇格した直後の2カ月間の方が優れていたが、ここ1カ月も、ロイヤルズが彼に大きな期待をかける理由が分かる活躍を見せている。モンデシーは直近20試合で打率.361、OPS1.048、6本塁打、15打点、10盗塁を記録しており、同期間で(今シーズンのメジャーで最悪のチームの一つである)ロイヤルズが12勝8敗であることは偶然の一致ではないだろう。
(後編へ続く)
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