今年のワールドシリーズは、スリリングな展開で盛り上がっている。球場にはホームランが飛び交い、ファンは野球というスポーツを再発見している。しかしながら、ESPNのアダム・シェフターによれば、NFLは「炎上中」だ。選手たちはオーナーに抗議し、ファンは観戦をボイコット、テレビ視聴者はストライキしている。
NFLとMLBの異なる状況がテレビの視聴率にどれほどの影響を与えているのか。
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アストロズがドジャースに辛勝したワールドシリーズ第5戦で、FOXは12.8という高視聴率をたたき出し、スティーラーズ対ライオンズのNBCサンデーナイトフットボールの視聴率9.4に完勝した。『スポーツ・ビジネス・デイリー』紙のオースティン・カープによると、第5戦の数字はサンデーナイトフットボールの視聴率より36パーセント高いものだった。
Overnight rating for Fox' World Series Game 5 last night was 36% higher than NBC's "SNF." Last year, head-to-head gap was 32%
— Austin Karp (@AustinKarp) October 30, 2017
視聴率争いでワールドシリーズがNFLに勝ったのは、これが最初ではない。そして、最後でもないだろう。これは、視聴率で首位のNFLに大きく水をあけられていたMLBがNFLの牙城を崩すサインなのだ。実際のところ、NFLは過去2年間で、平均視聴率を18パーセントも落としている。
アストロズが13対12で勝利した試合は、東部時間午後11時30分から11時45分までに最長視聴率14.2をマークした。これは、昨年のカブス対インディアンスの第5戦から16パーセント落としたが、2015年のロイヤルズ対メッツの第5戦より9パーセント高く、2014年のジャイアンツ対ロイヤルズの第5戦より56パーセントも高い数字だ。一方で2017年の第4戦は、土曜日に放送されたワールドシリーズの試合としては、2004年以降最高となる視聴率であった。
『スポーツ・イラストレイテッド』誌、リチャード・ディッチ:
『スポーツ・ビジネス・デイリー』紙のオースティン・カープによると、アストロズが延長10回を制したワールドシリーズ第5戦の平均視聴率は、12.8だった。業界筋によると、この数字は、スティーラーズがライオンズに勝利したNFL中継の視聴率9.4を上回った。
カープによると、天候が原因でボストンとハートフォードの視聴率が計算に入っていないため、MLBの視聴率が多少高く出ているということだ。NBCの発表によれば、NFLの視聴率にもボストン、ハートフォードとプロビデンスのものが含まれていないようだ。
サンデーナイトフットボールの視聴率をワールドシリーズが上回ったのは、今回に限ったことではないが、よくある出来事ではない。昨年のカブス対インディアンス第3戦の平均視聴率は15.3で、カウボーイズ対イーグルスの11.6より高かった。スポーツ・メディア・ウォッチによると、ワールドシリーズがサタデーナイトフットボールの視聴率を上回ったのは、2013年以来のことらしい。
もちろん、スポーツ中継の視聴率に関して言えば、NFLはいまだに強い。しかし、社会的正義のために抗議を続けるNFL選手たちに腹を立てている「スポーツにこだわる」視聴者が野球に移行していることは確かなようだ。
原文:World Series Game 5 trounces NFL's 'Sunday Night Football' in overnight TV ratings
翻訳者:Atsuko Sawada