実際、このシステムはいつ実装されるのだろうか?実用化の妨げになっているのは何なのか?
「3年、5年、あるいは10年」パブリディスは述べた。「投資や実現への意欲にもよるし、審判の組合はその導入を好ましくおもわないだろうね」
この発言は真実でもある。世界審判協会のプレジデントであり、何年にもわたってファンからの怒りを買ってきた悪名高きジョー・ウエストは、テクノロジーに対する不信の見解を繰り返している。
MORE: 今なら無料視聴可。スポーツを見るならDAZN(ダ・ゾーン)に!「それを試してきたが、機械は我々よりも判定ミスが多い」ウェストは最近もこう語っていた。
審判が技術に取って代わられることに対する主な論点は、バッターや投球ごとにどうやってストライクゾーンを定めるかということだ。審判による判定は誤審が起こりやすく、見事なフレーミング技術を持つ捕手によってだまされやすい一方で、機械による判定はストライクゾーンを誤認しやすい。試合に臨む選手たちは、それぞれのバッターにとってのストライクゾーンに入るよう出来る限りのベストを尽くしている。しかし選手はバッターボックスに立っている間も動きがちだ。最後には、人間が持つレベルの調整は避けられない。
メジャーリーグでの試合におけるボールとストライク判定の自動化に関する限りでは、障害が残っていることは明らかだ。ピッチ・クロックについて考えてみたい。多くの人がメジャーリーグに導入されると確信している一方で、ベータテストとしてマイナーリーグで最初にピッチ・クロックが実装された。MLBがボール、ストライク判定の自動化のベータテストを検討する前に、おそらく独立リーグにおいてシステム実験を行い、実際に機能するかを証明することになるだろう。
が、我々はまだその段階にはないのだ。
自動化を認めないことを、科学に対する否定と混同してはいけない。 PITCHf/x といった技術的進歩は、試合において歓迎されているのだ。より役立つクリアな情報が組織や分析家たちにもたらされるだけでなく、彼らの研究は過去10年を超えて、審判たちの向上に役立ってきたことは明らかだ。
テクノロジーの改良は不可欠だろう。ロボットがボールやストライクの判定を下すのはまだ先の話だとしても、今後の前進に向け試合に変化をもたらし続けるだろう。
原文:Robot umps, electronic zone wouldn't be saviors on balls and strikes
翻訳:林綾子