ロッキーズ、最強リリーフ陣で新シーズンに臨む

Gary Phillips

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昨シーズン、2009年以来のポストシーズン進出を決めたコロラド・ロッキーズ。好調に見えるロッキーズだが、今シーズンは更なる前進が期待できそうだ。

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ロサンゼルス・ドジャースが104勝、アリゾナ・ダイヤモンドバックスが93勝する激戦区、ナショナル・リーグ西地区でロッキーズは87勝し、ワイルドカードの一角に入った。結果的には、ワイルドカードゲームでダイヤモンドバックスに敗れてしまったが、ロッキーズは歴史に残る勝ち上がりを見せてくれた。

そんなロッキーズに対するファンの期待は高まっている。

ニューヨーク・ヤンキース、クリーブランド・インディアンズ、ドジャーズのようなビッグネームのピッチャーがいないロッキーズは今冬、投手陣を充実させることに注力した。強豪チームにも負けないようなリリーフ投手を揃えるため、1億600万ドルを投じてジェイク・マギー、ブライアン・ショウ、ウェイド・デービスと契約を結んだ。フリーエージェントの救援投手陣の中では特等にあたるような選手ばかりだ。

グレッグ・ホランドからアップグレードするような形で入団するウェイド・デービス投手は、3年5200万ドルという破格の契約で、ロッキーズにとって決して安い買い物ではなかった。4年目への契約延長があれば総額6600万ドルにも達する本契約は、リリーフ投手としての最高平均年俸を更新した。

「彼を欲しいと思う理由は沢山ある」とロッキーズのジェフ・ブリディッチGMは語った。「彼の成績を見れば一目瞭然だ。大事な局面、プレイオフで登板した経験。試合終盤には彼が待っているという存在感が魅力だ。彼は高い信頼を獲得している」。

これまで目立った動きをしてこなかった球団にとっては野心的な契約だ。「ブルペニング(投手起用戦略)」という野球業界の新たな流行を、遠くから眺めていたロッキーズだが、今年は戦法を変えてきた。

デービス、マギー、ショウに加えて、ロッキーズは高年俸のマイク・ダンやアダム・オッタビーノも抱えている。このクインテットは2018年に合計4400万ドルを受け取る予定で、ロッキーズは最高給クラスのリリーフ陣を持つことになる。

「目標は深みがあり、信頼できるリリーフ陣を作り上げ、互いを引き立て合うような環境を作ることだ」とブリディッチは言う。「毎晩毎晩、同じ選手を登板させるようなやり方は望ましくない」。

そのゴールは達成できたように見える。コロラドがここまで気前のいい出費をするとは誰も予想していなかったが、ブリディッチの考え方には賛同できる。最高のリリーフ投手たちを集めることがそこまで効果的か議論の余地はあるが、ロッキーズが完璧な攻撃態勢に入ったことは間違いない。

ホットコーナーには業界トップクラスの三塁手ノーラン・アレナド、中堅手には月間MVPを獲得して全盛期を迎えるチャーリー・ブラックモン、他にも前進する若手選手を大勢抱えるロッキーズには弾みがついている。昨シーズンの活躍は驚きだったが、コロラドはその成功が続くよう最大限の努力をしている。

果たして救援投手陣に賭ける作戦はうまくいくのか? 強力打線を築けておらず、ドジャースよりは劣って見えるロッキーズだが、彼らの進める戦略は評価に値する。ロッキーズは金持ち球団とは言い切れない。2017シーズンでは年俸総額の高さも16位だったが、今冬は金持ち球団の仲間入りをしたかのような振る舞いをしている。

彼らの判断は間違っていなかったと言えるシーズンに期待したい。

原文:Ambitious Rockies hoping for baseball’s next lethal bullpen
翻訳:渡邉剛

Gary Phillips