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6月10日(日本時間11日)、ボストン・レッドソックスは声明を発表し、本拠地フェンウェイ・パークには黒人を差別する歴史があったとする元トリー・ハンター外野手の発言を事実であると認めた。球団は有色人種への不寛容がまかり通っていることはボストンのスポーツ界において大いなる問題であるとも書いている。
ハンターは現役時代の長年に渡ってボストンに遠征した際に人種差別的なヤジを受け続け、契約更改においてボストンへは移籍しないことを条件とするノン・トレード条項を含めていたことを明らかにした。その中でも特に、子供たちが彼に向かって黒人を侮辱する言葉を叫んでいたときのことを覚えている。
フェンウェイ・パークで人種差別にさらされてきた黒人選手はけっしてハンター1人ではない。そして、それは最近になっても変わらない。例えば2017年、レッドソックスのファンたちは当時ボルチモア・オリオールズのアダム・ジョーンズ外野手に人種差別的なヤジを浴びさせ、さらにピーナッツを彼に向けて投げつけた。
レッドソックスは「昨年はフェンウェイ・パークで7件の人種差別的なヤジが行われたと報告にある。これらは私たちが把握しているだけの数に過ぎない。そしてこれは選手たちだけに対するものではない。私たちとともに働く献身的な黒人の従業員たちにも向けられている」との声明を発表した。
事実に即しているかどうかはともかくとして、ボストンは黒人を歓迎しないという評判がある。レッドソックスはMLB球団のうち、黒人選手と契約するのがもっとも遅かった。それはブルックリン・ドジャーズがジャッキー・ロビンソンと契約してから12年が経ってからのことだった。
元オーナーのトム・ヨーキーは黒人選手をチームに迎えることを10年以上に渡って拒否し続けたが、今でもフェンウェイ・パークに通じる道路は彼の名を称えて「ヨーキー・ウェイ」と名づけられている。
ここ数年レッドソックスは「ヨーキー・ウェイ」を人種差別に関わりのない別の名前に変える計画があることを述べてきたが、未だにそれは実現していない。ボストンのスポーツ界に蔓延する人種差別を球団が公式に認めたことで、あるいは道路名称変更の動きが早まることにもなるかもしれない。
(翻訳:角谷剛)