レッズのジョーイ・ボットの打席へのアプローチはMLB選手の模範だ

Jared Wyllys

レッズのジョーイ・ボットの打席へのアプローチはMLB選手の模範だ image

▶MLBを観るならDAZNで。1カ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

1シーズンにしろ長い現役生活にしろ、野球の成績は落ち着くところに落ち着くものである。選手でもチームでも、注目を集める絶好調の時期があっても、野球という失敗を重ねるゲームにあっては、波はそのうちに収まる。

だから、特別な才能がなければジョーイ・ボットのように長期間にわたって人々の目を引きつける成績を残すことはできない。彼がメジャーデビューしたのは、最初のiPhoneが世に出てから2カ月ほど経ったときだった。それからというもの、彼はビデオゲームのような大活躍こそしないものの、球界に影響を与えるような存在であり続けた。ボットの打席におけるアプローチは、他の選手たちのお手本なのである。

救援投手が質、量ともに充実し、起用の仕方も変化していることに適応するように、ボットの安定感には目を見張るものがある。2007年9月にメジャーに昇格して以来、通算打率は.312で、出塁率は.400を超えている。これだけ長い間好成績を保っているということは、常に先を見て対策を練ってきたということだ。

「何よりも、できるだけ早く適応しようと努めてきた。データは役に立つ。シーズン中もオフの間も、常に投手の傾向を探っている。自分なりの見方を持っているが、それが少し違っているときもある。データは私の見方や感覚を裏付けてくれると思っている」とボットはスポーティングニュースの取材に答えた。

ボットはメジャーに昇格したとき、自身を「下手の横好き」と称していた。若手なら仕方のないことであるが、体力的についていけても長続きしなかった。彼がMVPに選ばれた2009年ころ、投手の攻め方が変わってきたという。

「それで、狙い球をもっと絞り込む必要があると感じた」と言う。

彼のトレードマークはボールをよく見極めることで、多くの選手が見習っている。もっとも彼自身、今のレベルに到達するまでには時間がかかった。2011年、2012年ころから打席でもっとよくボールを見るようになり、2015年までにさらに選球眼を磨いた。そうなったのには体の問題があった。2014年に太ももの故障で62試合しか出場できなかったのだが、それもあってよりじっくりボールを見るようになった。彼の四球率はいつも高い。そのなかでも2015年の20.6%は自己最高であった。ボットはリーグの傾向が自身を追いかけているのに気付いた。

「正直に言って、リーグ全体が(四球を選ぶという)方向に向くようになっていた。打席で前年の自分のようなアプローチをしている打者が多いな、と感じた。じっくり待つ。四球がチームのためになることを理解していたようだ」とボットは話した。

メジャーの総四球数は2014年は1万4000あまりだったが、その後増え続けて昨季は1万6000近くになった。それは単に四球で歩く、ということではない。ボットが言うように、他の打者たちがボールをじっくり見るようになった。それこそボットがメジャーで磨いてきた特徴だった。

ボットは通算で1打席当たり4.09球を投手に投げさせている。メジャーの平均は3.83球。彼のアプローチは注目に値する。

「1打席1打席でなく1球1球に意味がある。本当にすごい」とカブスのジョー・マドン監督は褒める。

マドン監督はボットの影響をさまざまな場面で目にするという。

「彼がしっかり準備をしている。プランを練っている。予め決めている。それらを総動員して打席に立っている。彼は右にも左にも打てる。彼はよく考えている。私は彼の姿勢をいつも尊敬している。他の選手たちも彼に敬意を抱き、自分たちもああなりたいと思っているだろう。彼の影響力は計り知れない」(マドン監督)。

とはいえ、野球が進化してくるとなかなかボールを見極めていられない。守備のシフトは打者にとってやっかいなものだ。ボットの場合、相手チームは外野を4人置いて二塁打を防ぎにかかる。もっとも彼は冷静に対処している。自身のアプローチを信じ、相手に振り回されないようにしているのだ。近年、先発投手を早めに降板させる傾向がある。剛速球を武器にする救援投手が数多くブルペンで控えているからだ。

今季カブスのクローザーを務めているブランドン・モローは98マイルの速球を投げるが、ボットに対するときは他の打者と対するときと違う、と言う。

「彼はボール球に手を出すことがまずない。ストライクゾーンの球は、どんな球でも対処してくる。失投は許されない。彼は他の誰より優れている」。投手と打者の駆け引きはいたちごっこだが、ボットが相手だと優位に立つことは難しいとモローは話した。

ボットによると、ここ2、3年はどこも救援投手陣の層が厚くなり、厳しさを増しているという。経験を生かして立ち向かうことになる。

「私は多くの球を見てきた。お手上げという投手はいる。それはどうしようもない。だがしばらくたてば、それも経験になる」とボットは言って、打席でいらだつ様子をほとんど見せない理由を説明しようとしていた。

言及されていないのは、彼は長いこと一線級としてプレーしているので、不意を突かれるということがまずないということだ。ワンバウンドになるほど切れ味鋭い変化球を投げる救援投手に対しても、彼のアプローチが乱れることはない。

ボットはレッズとの契約をまだ長期間残している。レッズ一筋で現役生活を終えることになりそうだ。FAになるのは40歳のシーズンなのだ。

彼はすでに球界で名声を得ている。そしてこれからも、まだ先へ先へと進んで行くことだろう。

原文:Joey Votto's plate approach is a model for the rest of baseball
翻訳:Hirokazu Higuchi

今からでも間に合う! ツール・ド・フランス2018基本情報

【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2018年版!
ネットでプロ野球中継を視聴する方法を紹介
DAZNでのプロ野球の放送予定や試合スケジュール
DAZNでF1放送を視聴する方法は?
【最新・2018年版】F1の放送予定・レース日程まとめ
ネットでMLB中継を視聴する方法を紹介
MLBの試合日程・放送予定|テレビでの視聴も可能?/2018シーズン

Jared Wyllys