リーグ最低保証年俸の男がア・リーグ地区シリーズ決勝で放った究極のしっぺ返し

Dan Bernstein

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マイク・ブロソーは大学卒業後、MLBドラフトでどのチームからも指名されなかった。2016年、タンパベイ・レイズにアマチュア・フリーエージェントで入団したときの契約金は1000ドル(約10万円)だった。昨季メジャーに昇格したばかりで、今季もリーグ最低保証年俸でプレイする26歳が人類最速の最強クローザーから放った値千金のソロ・ホームランはチームの12年振りとなるリーグ・チャンピオン・シリーズ進出を決定づける決勝打となった──

10月9日(日本時間10日)に行われたアメリカン・リーグ・ディビジョン(地区)・シリーズ第5戦で、タンパベイ・レイズのピンチヒッター、マイク・ブロソーが8回に放った決勝本塁打はニューヨーク・ヤンキースをしりぞけ、チームをアメリカン・リーグ・チャンピオン・シリーズへと導いた。その本塁打を打たれた側にいたのがアロルディス・チャップマンであったことが、レイズのファンがさらに留飲を下げる場面を作り上げた。

レギュラーシーズンにおいて、チャップマンはブロソーの頭部付近に101マイル(約163キロ)の速球を投げ、両チームがダグアウトから飛び出す乱闘騒ぎを引き起こした。

ブロソーはしかし、外交的アプローチによってチャップマン及びヤンキースとの関係を収め、2-1での勝利に貢献した。

「これはリベンジではないよ。あれはもう過去のことだ。僕たちはシリーズで勝つためにここに来たのだから」とブロソーは試合後TBSに語った。

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ブロソーはドラフトで指名されたことはない。このことは30巡以上の指名ラウンドがある野球というスポーツでは非常に稀なことだ。昨年メジャー昇格を果たして以来、ブロソーは打撃面で目覚ましい活躍を見せてきた。ここまで通算86試合に出場し、11本の本塁打を放っている。

レイズはア・リーグ・チャンピオン・シリーズでヒューストン・アストロズと対戦する。アストロズもまたレイズにとってはとくに敵対心をかき立てられる対戦相手だ。

昨年のプレーオフでアストロズはレイズを下した。その後、電子機器を用いたサイン盗み疑惑がオフシーズンに持ち上がり、アストロズは処分を受けた。アストロズは2019年のポストシーズンでは違法なビデオ方法によるサイン盗みを行わなかったとされている。だが、レイズがアストロズにネガティブな感情を抱いていることに疑問の余地はない。

ア・リーグ・チャンピオン・シリーズ第一戦は10月11日東海岸時間午後7時37分(同12日午前8時37分)に開始される予定だ。同シリーズの全試合はカリフォルニア州サンディエゴで行われる。

(翻訳:角谷剛)

Dan Bernstein