リトルリーグ・ワールドシリーズ2021が国際大会ではなくなったわけとは

Edward Sutelan

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野球と言うスポーツにおいて、「ワールドシリーズ」の名を冠した大会が3つのレベルで存在する。リトルリーグ、全米大学野球(NCAA)、そしてMLBだ。

この3つのうち、真に「世界大会」の名に相応しいのはリトルリーグだけだ。過去数十年間、世界各国の少年野球チームが海を渡り、ペンシルバニア州ウィリアムズポートにやってきた。彼らはそこで米国大会を勝ち抜いたチームと真のリトルリーグ世界一チームの称号を争ってきたのだ。

だが今年はそうではない。2021年のリトルリーグ・ワールドシリーズは、1975年以来初めて、米国内のチームだけで行われる。

その訳とは? スポーティングニュースが解説しよう。

 

2021年リトルリーグ・ワールドシリーズに海外からのチームが出場しないわけは?

2020年のリトルリーグ・ワールドシリーズが新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった直後から、2021年大会を開催するかどうかの議論が始まっていた。その結論はイエス(開催)に落ち着いたが、米国外からはチームを招待しないという条件付きだった。

今年の5月、リトルリーグ機構はリトルリーグの野球とソフトボールの2021年ワールドシリーズ大会を米国内のチームだけで行うことを発表した。2021年リトルリーグ国際パンデミック対策委員会からの提案を受け入れた決定である。

例年なら、トーナメント表の片方を米国内チーム、別の片方を海外チームで構成する大会形式を、今年は1つをハンク・アーロン・チャンピオンシップ、もう1つをトム・シーバー・チャンピオンシップと、最近亡くなったばかりの2人の野球殿堂表彰者の名前を冠したものにした。それぞれのチャンピオンシップ・トーナメントを勝ち上がったチームが2021年リトルリーグ・ワールドシリーズ決勝戦で対戦する。

 

リトルリーグ・ワールドシリーズはいつから国際大会だったのか?

リトルリーグ・ワールドシリーズに初めて海外からのチームが参加したのは1952年のことだ。カナダ・ケベック州モントリオールのチームがその第一号となった。1957年にはメキシコ・モンテレイのインダストリアル・リトルリーグが海外チームとして初の優勝を勝ち取った。その翌年、カナダと南米が大会史上初めて出場シード権を獲得した。

それ以来、リトルリーグ・ワールドシリーズには海外からのチームが毎年参加してきた。例外は1975年に悪名高い決定がなされ、海外チームの出場が禁止されたときだけである。

過去73年のリトルリーグ・ワールドシリーズの歴史で、米国チームが優勝した回数は36回、海外チームが優勝した回数は37回である。台湾が最多の17回優勝、米国内ではカリフォルニア州の7回が最多である。(訳者注:直近10回に限ると、日本が最多で5回の優勝を飾っている。そのうち3回は東京北砂リトルリーグによるものである)

 

2020年大会には海外チームは出場するか?

リトルリーグ機構は2022年には海外チームを呼び戻すだけではなく、来年からはさらなる拡張を目指している。

元々の計画では米国内チームと海外チームを2つずつ増やし、合計20チームに拡張することになっていた。この拡張計画はリトルリーグ・ワールドシリーズ75周年を期して、2021年に行われるはずだった。新型コロナウイルスの影響によって、同計画は2022年に延期された。

もちろん、世界が1年後にどのような状況になっているかを予想することは未だに困難だ。特にデルタ株の感染拡大が世界規模で加速している現在ではなおのことだ。だが、もし世界が2022年に正常を取り戻していたとしたら、リトルリーグ機構はペンシルバニア州ウィリアムズポートに海外から8チームではなく10チームを迎え入れることになる。

(翻訳:角谷剛)

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Edward Sutelan

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Edward Sutelan joined The Sporting News in 2021 after covering high school sports for PennLive. Edward graduated from The Ohio State University in 2019, where he gained experience covering the baseball, football and basketball teams. Edward also spent time working for The Columbus Dispatch and Cape Cod Times.