ヤンキースL・セベリーノは、いかにしてどん底から這い上がったのか【後編】

Gary Phillips

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セベリーノが制球力(command)について語る時、彼は精度について話しているのではない。むしろ、彼は自分の球種に対する確信(conviction)、あるいは自信(confidence)について話しているのだ。

それらのCで始まる単語を抜きに、今のセベリーノと話すことは難しい。彼はほとんど全ての先発の後で、その登板の結果を存分に振り返りながら、“自信”について話す。

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「彼は今自分がしていることを信じています。自分が優れているということが分かっているのです」と元ヤンキースのピッチャーで、YESの解説者のデビッド・コーンは言う。「彼の球種のレバートリーは改善しています。全ての球種の制球力が改善し、全てにおいて自信が増しています」。

悪夢のような2016年シーズン以来、セベリーノを変えたのはまさにそれだった。

もちろん、肉体的な修正も少し行った。2016年シーズン前にヤンキースが決めたトレーニング強化が彼には合わなかったことを受け、筋肉をつけることを止めた。スライダーとチェンジアップは改善し続けた。2シーズン前のオフにはレッドソックスのレジェンド、ペドロ・マルティネスとも練習を行った。

しかし、セベリーノが最も大きく変わったのは考え方だ。

彼は、2016年に自信をなくしていたことと、一時的にメジャーリーガーの“すばらしい”生活を失い、マイナーリーグのバスでの移動にイライラしていたことを認めた。

「野球界では多くの浮き沈みを経験するのが普通さ」そう語るのは、セベリーノと時期を同じくしてメジャー昇格を果たし、自身も多くの挫折を経験してきたグレッグ・バードだ。「若いうちは多くの経験をするし、逆境を乗り越える必要がある。特にここ、ニューヨークではね。彼の逆境への取り組み方はまさにプロフェッショナルだったよ。復活を果たした彼は、その間に多くを学んだ。それがすべての答えさ」。

セベリーノは、他人の助けに頼るタイプではない。自身の問題は、自分自身の手で解決することを好む。彼が困難に直面したとき、そこには常に支えとなる家族やチームメイトがいたが、彼は自分のために事態を理解する必要があった。

彼は先発投手として多くのヒットを撃たれていたが、最終的には自分がもっと優れた選手であることを理解した。それに気付くまでには少しばかりの時間がかかった。

サバシアは言う。「メジャーに昇格したときには、皆“自信”がないんだ。周りの選手についていけるかと考えることに必死で、日々のルーティーンと大リーグのスタジアムで投球することに慣れるまでに少しばかり時間を取ってしまう。歳を重ねるにつれて、自分の能力に自信を持つことができるようになるんだ」。

セベリーノの能力に議論の余地はなく、投手としての役割に関しても不足はない。

ここ最近まで、彼が失敗に終わるのかブルペンで最高の選手になるのか判断がつかない部分があった。それから1年半ほど経った今、それがいかに愚かな考えであったかが分かる。

時として、少しばかりの粘り強さが長い道を築くこともあるのだ。

「“我慢”というのは本当に難しいものだよ。特にニューヨークの両チームにとってはね」コーンはそう語る。「彼はまだ若いからね。私が思うに、ブルペンで過ごした時間が彼の支えになったはずだ。おかげで自信を取り戻すことができた。速球をより多く投げる方法を学んだんだ。それから、スライダーの質が上がったときにローテーションに復帰して、その後のシーズンはすべてがうまくいった」。

セベリーノにとってあの2016年シーズンは、大切なことを思い出させてくれるシーズンだ。

チーム内での競争をこなす中で、彼は自信をつける数多の理由を得た。もしこの先、新たな賞を獲得するべく進む彼の道に障壁が現れたとしても、彼はそれを乗り越えられることを理解している。彼は自身の過去の欠点から教訓を得たのだ。

「物事が悪い流れになった時には……自分でそれを修正することができるんだ」

(完)

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原文:After bumpy 2016, Yankees’ Luis Severino has been nothing but an ace

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Gary Phillips