ヤンキースL・セベリーノは、いかにしてどん底から這い上がったのか【前編】

Gary Phillips

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ヤンキースは自分たちのエースを救った、食料品店の見知らぬ客に少しは感謝してもいいだろう。

それはルイス・セベリーノがニューヨークに戻っていた2016年のことだった。ストレスが多い年のある日、彼は買い物に出かけた。セベリーノは、その出会いがいつだったか正確には覚えていない。しかし、ある男が自分の方に歩いてきて、全てうまくいくよと言ったのだ。

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その言葉が彼の頭に残った。

「その日、僕は気付いたんだ」とセベリーノはスポーティングニュースに語った。「自分がうまくなるには、努力するしかないということにね」。

一人のファンとの偶然の出会いがセベリーノにその後も続く影響を与えたとは、ばかげた話に聞こえるかもしれない。しかし、苦しんでいるアスリートは、どんなモチベーションでも利用しようとするものだ。当時の彼はわらにもすがる思いだった。

セベリーノがメジャーの舞台に登場したのは2015年。プレーオフ争いの真っただ中で11回先発し、防御率2.89をマークした。弱冠22歳の彼が翌年のローテーションの要になる……そうヤンキースが期待したのは、マイナーリーグをスピード出世で駆け上がった彼のこの活躍があったからだ。

しかし、そうはならなかった。セベリーノは最初の7回の先発で35イニングを投げて自責点29と打ち込まれたのだ。この一連の成績でマイナーに降格となった。そのシーズンはヨーヨーのように行ったり来たりを繰り返した彼は、メジャーではほとんどがブルペンからの登板で、他に何回かあまり気合の入らないスポット先発があった。先発として失敗を繰り返し続けたセベリーノだが、リリーフでは23回1/3を投げて、防御率0.39とすばらしい成績を残した。

彼の将来はブルペンにあるのではないかと思った人もいた。セベリーノは、自分の何がいけなかったのかと思いを巡らせた。

「とにかく、ひどかった。どん底だったよ。僕にとって最も厳しい年だった」と彼は言う。「自分の野球のキャリアで悪い年は初めてだった。厳しかったけど、うまくなるためにやるべきことはやった」。

それ以来、セベリーノは短い時間で長足の進歩を遂げた。

現在、球界に彼よりも優れたピッチャーは少ない。2017年にサイ・ヤング賞の投票で3位になった後、セベリーノは前年の圧倒的な内容がフロックではなかったことを証明すべくマウンドに上がっている。9勝1敗で防御率2.20、102奪三振、WHIP0.930という成績で、この剛速球右腕は早い段階ながら再びサイ・ヤング賞の候補の1人となっている。チームメートに聞くと、彼らはためらうことなく、マックス・シャーザーやクリス・セール、コリー・クルーバーと同列にセベリーノの名前を挙げる。

「彼は彼らと同じくらい上位にいるよ」とCCサバシアはスポーティングニュースに言う。「驚くことではない。僕は彼がこうなると思っていたんだ」。

セベリーノは常にスターになる才能を持っていた。しかし、2016年シーズンは彼の能力に疑問を投げかけた。

「メジャーリーグは才能だけでは不十分だ。才能があり、優れたボールを持ちながら野球界を去った選手はたくさんいる」とセベリーノは言う。「優れたスライダーやストレートがあっても、練習をせず、球種に制球力がないと打たれる。どの球種も制球力がなかったことが、僕の問題だったんだ」。

後編へ続く)

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Gary Phillips