ヤンキースの苦労人エリック・クラッツが若きヒスパニック選手たちとの友情を涙ながらに語る

Dan Bernstein

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ドラフト29巡目指名でプロ入りし、9年間のマイナー生活を過ごし、30歳でメジャー昇格後もマイナーとメジャーを行き来し、11年間で9つのチームを渡り歩いたジャーニーマンがいる。そんな苦労人が今シーズンはニューヨーク・ヤンキースでマスクを被っている。9月6日(日本時間7日)のボルティモア・オリオールズ戦で田中将大の女房役を務めたエリック・クラッツ捕手の素顔とは──

ニューヨーク・ヤンキースのエリック・クラッツ捕手はもっとも若いチームメイトたちの父親になってもおかしくない年齢だ。先週末、フィールドに現れた40歳のクラッツはルーキー右腕のデイビー・ガルシア投手のことを「我が息子」と冗談で呼んだ。

9月4日(日本時間5日)の試合で21歳のガルシアの球を受けたクラッツは、MLBに新しくやってきた若い選手たち、特に米国での慣れない文化に戸惑うヒスパニック系選手たちの世話役をこの数年自主的に務めてきている。そのためにスペイン語会話の勉強も始めたというクラッツは、若いチームメイトとの絆について記者たちに語り、ときに感情を高ぶらせ、涙を隠すことができなかった。

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「彼らが活躍しているのを見ると嬉しいよ。人々はときに彼らがどこからやってきたのかを忘れてしまっていると思う。彼らがどれだけ成功を望み、彼らの成功をそれ以上に望んでいる家族が遠く離れた故郷にいることも忘れてしまっている。はるかに年上の人間として、ぼくは彼らの中に歩み寄り、関係を深める存在でありたいのだ」とクラッツはビデオ・インタビューで声を詰まらせた。

 

クラッツは30歳になるまでメジャーリーグに昇格できなかった。それ以来、クラッツは主に控え捕手として、自身の野球人としての経験をチームのクラブハウスで伝える役割を担ってきた。10年間メジャーリーグに在籍しているが、1シーズンに68試合以上出場したことはない。

今シーズンはヤンキースでゲイリー・サンチェスの控えとして、9月6日(同7日)には9試合目のマスクを被り、27打数8安打の成績を残している。

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ガルシアはメジャー初先発登板した8月30日(同31日)のニューヨーク・メッツ戦では6イニングで6つの三振を奪い、無失点の好投を見せた。

ヤンキースは今週末オリオールズとダブルヘッダーを含む4連戦を戦った。9月4日(同5日)のダブルヘッダー2試合目に2度目の先発登板をはたしたガルシアは、4回2/3を投げ、4点を失い、負け投手となった。マスクを被ったクラッツはその日3打数2安打2打点を挙げた。

(翻訳:角谷剛)

Dan Bernstein