ヤンキースの新人G・トーレス、メジャーリーグの最優先課題は英語の習得

Gary Phillips

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ニューヨーク。4月22日、取材陣がグレイバー・トーレスのロッカーに集まったが、トーレス本人はその群れの中に入るのをためらった。

21歳のトーレスが待望のメジャーデビューを果たした。彼の記念すべき初打席の成績は5球目で三振だった。結果的にヤンキースは5対1でブルージェイズを下したが、トーレスの落ち着きのなさはその日の成績とは無関係だった。

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どちらかといえばトーレスは、チームのスペイン語通訳であるマーロン・アブレイユが来るのを待っていたのだ。

しかし、アブレイユはもう一人のルーキー、ミゲル・アンドゥハーの通訳に追われていた。彼はその日にタイムリー二塁打を打って大活躍し、取材陣から質問を受けていた。両選手には多数の取材陣が殺到していて、アブレイユはすぐにトーレスの側には行けない状態だった。

頼れる通訳が側にいないので、ベネズエラ出身のトーレスは試合後のコメントを遅らせることもできたが、彼は取材陣と話し始めた。

MLBで発表されている有望株ランキングで5位のトーレスは、英語でインタビューを受ける際には通訳を側に置くことを望んではいるものの、彼は取材陣とは英語で質疑応答を行っている。これは昨シーズンから続いていて、2017年のスプリングトレーニング以降、見事な上達ぶりを見せている。

「英語で話すのは難しいが、できるだけ恥ずかしがらないようにしている。毎日、英語の勉強をして、話す練習をしている」とトーレスはスポーティングニュースに対して話した。

第二言語を習得するのは決して簡単なことではなく、時間も練習も必要だ。トーレスも焦る必要はない。シーズン中の多忙な毎日を過ごしている選手たちに、第二言語を勉強する余裕はないのだから。

トーレスはこれまで、しっかりと英語を勉強する機会がなかった。チームメートやコーチ、取材陣との交流を通して学んでいった。買い物など、日常生活でもできるだけ練習する機会を設けていると彼は言っている。

4年前トーレスは、メジャーリーグでプレーするためには英語を習得することが必須だと考えた。当時彼は18歳だったが、同じ年齢のアメリカ人がスペイン語や他の第二言語をハイスクールで学ぶような教育を受けていなかった。

「トーレスとは英語で問題なく会話ができている、すごいよ」と外野手のビリー・マッキニーはスポーティングニュースに対して語った。マッキニーはトーレスがカブスに入団した頃から知っている。「すごく嬉しい。今までずっと努力してきたからね。彼が18歳の頃から知っているけど、彼の英語は年々上達しているよ。」

スペイン語を話す選手たちが英語を話せると、アメリカ人の選手たちとのコミュニケーションが格段に楽になるのは言うまでも無い。中にはチームメートとは直接英語で話して、インタビューになると通訳を側に置く選手もいる。まだ自身の英語力に自信がないか、もしくは誤解されることを防ぐ目的もあるので、決して悪いことではない。

だがトーレスは、メジャーリーグでプレーするまでに、チームメートより上手に英語を話せるようになっていたかったという。

「ファンやメディアには、通訳なしで、僕の言葉で、話したいことを直接知って欲しかった」とトーレスは言った。「日々努力をすることが大切だ」

今のところ、トーレスの言語力は周囲を感動させている。

「彼はとても賢くて、飲み込みが早かった。僕は少しゆっくり話しただけだ」とマッキニーは過去を思い起こしながら話した。「今は普通のペースで会話をしているので、当時のことはもう覚えていないよ」。

「スペイン語しか話せなかった選手は皆、優秀だよ。特にアンドゥハーやトーレスは英語をすぐに覚えた」

トーレスにとって英語の習得はメジャーリーグでプレーするためのトレーニングの一環だった。ヤンキースへと上り詰めることができ、今度は言語面で更なる成長を目指して腕を振るだろう。

「スペイン語を話すチームメートはいるが、みんなできるだけ英語を話す努力をしている。僕は英語が話せるようになって嬉しいし、もっと努力していくよ」とトーレスは語った。

原文:Yankees' Gleyber Torres makes English a priority of his big-league experience

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Gary Phillips