今オフのMLBストーブリーグは、おそろしく冷え切っている。『Yahoo!Sports』のジェフ・パッサン記者は「野球の経済システムが崩壊した理由」という見出しの記事で、オーナー同士が共謀している可能性など、FA市場を停滞させている潜在的な要因を分析している。
驚くことではないが、MLBはこの仮説を否定し『Yahoo!Sports』に対し声明を出している。「市場の動きに関しては様々な要因が考えられる。我々が言えることは、間違いなく、その要因の1つが共謀によるものではないということだ。1つの要因を正確に示すことは難しいが、長い実績を持つ代理人が多くのトップ選手をコントロールしていることは間違いない」
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代理人のスコット・ボラス氏は、一塁手のエリック・ホズマー、外野手のJD・マルティネス、投手のジェイク・アリエタ、そして三塁手のマイク・ムスターカスなど、まだ契約に至っていない大物FA選手をたくさん抱えている。ボラス氏は業界でもトップクラスの代理人であり、クライアントのために高額契約を引き出すためなら、あらゆる手段を講じる。これが彼の仕事である。
『Yahoo!Sports』の記事では、1人の匿名のトップFA選手について触れられている。彼は気に入った契約が得られなければ、2018年前半はじっと待つ覚悟ができていると噂されている。パッサン氏の記事には、以下のように記されていた。
「最近、今オフのトップFA選手の1人が友人と会い、ショッキングな事実を認めた。彼は、シーズン中盤まで待つ覚悟ができている。今オフの市場は彼にとって非常に乏しく、成績に見合うオファーが来ないので、彼の数値が価値あるものだとチームに思わせるだけの外的な力が必要だと思い悩んでいた」
ストーブリーグが冷え込んでいる背景には、今後数年間、MLBと選手会との間で合意された2021年まで有効な新労使協定を元に交渉を開始しなければいけないという事実がある。球団は記録的な利益を生み出しており、オーナーは新しい収益に溺れている。しかし、選手たちは幸せではない。
現在のメジャーリーグの経済状況について掘り下げたパッサン氏の記事は、少し時間はかかるが読む価値はある。
「戦いは始まったばかりだ」とパッサン氏は書いている。「両者が踏み込んで結果を出したいと考えるなら、対立を避けることはできない。
原文:Top MLB free agent threatens to sit until midseason over lowball offers, report says
翻訳:Atsuko Sawada