マーリンズのスタントン放出が実現しそうな2つの理由

Tom Gatto

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南フロリダに再びその時が訪れた。

マイアミ・マーリンズの名簿から年俸の高い選手を整理するときだ。報道によれば、マーリンズの新しい経営陣は、誰が犠牲になるのかを明らかにした。

そのリストはジャンカルロ・スタントンから始まる。

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米地元紙「マイアミ・ヘラルド」のバリー・ジャクソンとクラーク・スペンサーは10月30日に、ブルース・シャーマンとデレク・ジーターの新たな経営陣が、スタントンとベテラン内野手のマーティン・プラド、ディー・ゴードンを放出し、2018年の年俸総額を9000万ドル(約102億円)に縮小する方針だと伝えた。

3人は誰もショックを受けないだろう。今季59本塁打を放ったスタントンの市場価値は急騰するだろうし、プラドとゴードンもけがさえしなければ、強豪チームで十分戦える選手だ。3人には、長い間トレードのうわさがある。

マーリンズファンは再び落ち込むかもしれないが、今回は前回のようなファイアーセール(格安トレード)ではないことを理解すべきだ。トレード規模は小さく、主力選手は球団に残る。

13年3億2500万ドル(約368億円)の契約とトレード拒否権があるにも関わらず、スタントンのトレードはそこまで難しいものではないだろう。それには2つの理由がある。

1つ目:スタントンは、チームと話し合いの場を持つ予定であることを明らかにしている。彼は、マーリンズを立て直すためにプレーをしたくないのだ(しかし、彼がいなければ、チームの再建は難しいだろう。それでも、チームには他に実力のある選手たちがいる)。

2つ目:スタントンの2028年までの平均年俸は2500万ドル(約28億円)だ。2018年シーズン終了後にトレード市場に出る予定のマニー・マチャドやブライス・ハーパーに比べれば、この数字は非常にリーズナブルだと言える。マイク・トラウトも2020年シーズン終了後にFAとなる。

オフシーズンにスタントンを獲得するチームは(サンフランシスコ・ジャイアンツとフィラデルフィア・フィリーズが最も可能性が高いとうわさされている)、無駄使いにならないよう、賭けに出ることになるが、それは強豪選手を獲得する際に必ず伴う犠牲だ。アルバート・プホルス、ミゲル・カブレラ、ロビンソン・カノーなどの選手と長期契約をしているチームも似たような賭けをしている。将来、マチャド、ハーパー、トラウトと契約するチームにも言えることだ。

スタントンを獲得するためには、FAや契約延長以外のコストもかかる。しかし、マーリンズは積極的に売りたいので、多少は値引きするかもしれない。売り手と買い手の双方が、妥当な価値で取引を成立させるだろう。

先ほどは、スタントンなしではマーリンズの再建はないと言った。しかし、マイアミには、外野手のクリスチャン・イエリッチとマルセロ・オズナ(2人ともトレードのうわさがあった)や捕手JT・リアルミュート、一塁手ジャスティン・ボーア、投手のダン・ストレイリーとホセ・ウレーニャなど、お手頃な年俸だが実力のある選手たちがいる。スタントンを放出することで、資金不足を埋め合わせることができるし、ゴードンとプラドがいなくなれば、マーリンズのファームの拡充ができる。

シャーマンとジーターが、初めての仕事として、チームの顔のトレードを画策しているが、スタントンがいなくても十分に戦えるチームになれれば、南フロリダのファンは安心できるだろう。

原文:Marlins' plan to deal Stanton not the same old, same old in Miami

 

翻訳者:Atsuko Sawada

Tom Gatto

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Tom Gatto joined The Sporting News as a senior editor in 2000 after 12 years at The Herald-News in Passaic, N.J., where he served in a variety of roles including sports editor, and a brief spell at APBNews.com in New York, where he worked as a syndication editor. He is a 1986 graduate of the University of South Carolina.