マニー・マチャドの行き先はどこに? 有力5チームを徹底分析【後編】

Joe Rivera

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フィラデルフィア・フィリーズ

賛成意見

もし噂が正しいのであれば、フィリーズはマチャドとハーパーのどちらか、あるいは両獲りに向けて準備を進めている。

勝率.500にわずかに届かず2018年シーズンを終えたフィリーズは、シーズンを通してナショナルリーグ東地区で競争力があることを証明しようとしていた。しかしシーズン後半に失速した若いチームは9月を8勝20敗で終え、その間の合計スコアは152対97だった。

フィリーズにはほかにも加えるべきピースがあり、全体的に投手陣を整備する必要がある。しかしマチャドなら、打点(リーグ11位)、安打数(15位)、OPS(10位)を含め、主要な打撃成績が軒並みリーグ最下位付近だったチームの力になれるだろう。

そしてフィリーズは、今年を含めたここ数シーズン、何かしらの理由でトレード候補に挙がり続けてきたマイケル・フランコを放出できるようになる。

反対意見

2018年ドラフト1巡目で指名したアレク・ボームは、マチャドとサードのポジションを争うことになる。MLBパイプラインのETAという指標によると、ボームは2021年にレギュラークラスまで成長すると見込まれており、フィリーズが全体3位で指名した選手をこの短期間でトレードするとは思えない。最近のMLBでは計算できる若手選手たちとの契約が盛んに行われているが、呑み込むにはやや苦い薬だ。

他方、マチャドがスコット・キンガリーに代わってショートを務めれば、チームにとって良心的な契約を結んでいるキンガリーを放出できる。24歳のキンガリーの2018年シーズンにはやや失望したものの、チームはまだ彼に高い期待をかけている。果たしてフィリーズはチームの核となる選手を放出してまでマチャドを欲しがるだろうか。そうなったとしても、大勢を驚かせるほどではない。

シカゴ・ホワイトソックス

賛成意見

ホワイトソックスはマチャド獲得レースのダークホースだ。これまでチームの戦力をずっと評価されてきたホワイトソックスは、2018年は躍進する準備が整っているように見えた。シーズンで唯一、月間勝率.500を超えた8月を17勝12敗で終えた彼らは、ヤンキース戦やボストン・レッドソックス戦と同様に同地区のライバルチームを相手に印象的な勝利を積み重ねた。

ホワイトソックスはシーズンを通した安定感こそ欠けているものの、弱体化しているアメリカンリーグ中地区にあってはアウトサイダーではない。ブライス・ハーパーとマチャドの両獲りを真剣に検討しているという噂だが、それは賢い決断になるだろう。中でも打線に力を加えられるマチャドを渇望している。マット・デビッドソンとホセ・アブレイユの2人しかOPS+で100を超えなかったのだ。

マチャドは、俊足だが長打の少ないティム・アンダーソンの守るショートかヨルマー・サンチェスの守っているサードでシーズンを通してフル出場することだろう。

反対意見

ホワイトソックスは長期の大型契約を結ぶ前にやることがまだ山積みだ。

チームの共通課題は以下の通りだ。

1.チームの中心になる若手選手を育てること

2.その若手選手たちで試合に勝つこと

3.FAでチームの中心選手を補強すること

上記の通り、ホワイトソックスはまだ中心選手を育成している最中だ。元プロスペクトランキング1位のヨアン・モンカダはまだMLBの試合に出場しはじめたところだ。短期間ながらインパクトを残した2017年のデビューシーズン後、ニッキー・デルモニコは成績を落とした。2Aや3Aで結果を残したエロイ・ヒメネスはブレイクへの準備が整った。

ルーカス・ジオリトは近い将来エースになれる素材として期待されているが、ローテーション投手になるにはもう少し努力が必要だ。

マチャドはホワイトソックスに多くのものをもたらすだろうが、チームの戦力を見る限りすぐにインパクトを与えられるかどうかについては疑問が残る。

ニューヨーク・メッツ

賛成意見

もしブロディー・バンワゲネンGMがそのチームで基盤を作りたいのであれば、マチャド獲得は非常にいい機会になる。

メッツには将来の正ショート候補アメッド・ロサリオがいるため、マチャドが加入したら今シーズン2度DL入りしたトッド・フレイジャーが務めるサードのポジションを脅かすことになるだろう。

2015年のワールドシリーズに出場して以来、スター選手の力を本格的に必要としているメッツにとって、マチャド獲得はチームを正しい方向に進める一歩になるだろう。当時のチームにとってはヨエニス・セスペデスと再契約するのが堅実だったが、かかった金額とケガの問題がメッツファンを悩ませている。

マチャドとの契約はファンたちにとって「お口直し」になるだろう。

反対意見

反対意見なんて考えなくていい。いつも残念な結果に終わってしまうメッツはメッツらしくいればいいんだ。

いや、こうして真剣な分析をしている中で、超自然的なアプローチをとればいいと言っているわけではない。しかし、呪いにかけられているかのようにうまくいかないメッツはどうあれ、野球ファンであればマチャドが健康を保って残りのキャリアも好選手でありつづける限り、どこでプレーすることになっても喜んで彼を見ることだろう。

メッツにとって本当の不安要素となるのは明確な方針をまだ持っていない不確かさであって、マチャドが停滞しているチームでプレーしたがるとも思えない。

彼らはジェイコブ・デグロームやノア・シンダーガードをトレードに出すだろうか? バンワゲネンはGMとしてどんな仕事をするのか? 彼は「長期にわたって持続的に好成績を残す」ことと優勝することの両方を示唆した。1度に2つを達成するのは難しいが、どちらが実現されるのか? ほかのFA選手を獲るためにもお金をつぎ込むのだろうか?

直近ではセスペデスの時のように、メッツはこれまでにも小切手帳を開いてきた。果たしてマチャドに対しても彼らは同じことをするのだろうか? そうするとは考えにくいものの、彼らにとってすべてを水に流すような重大なFA契約となるに違いない。

(完)

原文:MLB hot stove: The cases for and against the five best fits for Manny Machado

翻訳:Kaito Kato


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