2005年のドラフト1巡目、全体11人目でパイレーツに指名されて入団。マイナーリーグで努力を続けて成長した。2009年にメジャーデビューを果たしたが、そのころパイレーツは16年連続負け越しと低迷していた。メジャーでの経験を重ね、rWAR(baseball-reference.com算出による選手の総合評価指数)は1年目の2009年に2.3、2010年に3.8、2011年に5.7とレベルアップしていった。
彼はピッツバーグで何かが始まっているのを感じ取った。そこで2012年のスプリングトレーニング中、6年総額5150万ドルの契約を結んだ。これによって年俸調停3年とFAの最初2年間の交渉を回避した。
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長期契約を締結したあと、彼はどうしたか。大型契約に見合う活躍を演じた。その後も彼は毎年期待に応え続けた。
2012年は打率.327、31本塁打、OPS.953、rWAR7.0でナ・リーグのMVP投票3位。その年パイレーツは1997年以降最多の79勝を挙げた。さて2013年は? 打率.317、21本塁打、27盗塁でrWAR8.1、OPS.911でMVPに選出された。パイレーツは94勝で地区2位。バリー・ボンズが在籍していた1992年以来のポストシーズン進出を果たした。
2014年はMVPの投票で3位。パイレーツは2年連続でポストシーズンに駒を進めた。2015年のMVP投票では5位でパイレーツは98勝。2009年と2010年は2年合計で119勝だったが、そんな低迷していた時期には考えられないほどの勝ち星をマークした。
2012年からのパイレーツの好成績は、マッカッチェンなしにはありえないものだった。
彼はパイレーツを離れたくなかった。ジャイアンツにとって貴重な戦力になるはずだが、ピッツバーグに彼が残したものは決して消え去ることはない。今季終了後、彼はFAになる。だからこそパイレーツは今オフ、トレードに出したのだ。
彼はクレメンテやホーナス・ワグナー、ウィリー・スタージェル、ポール・ウェイナー、ラルフ・カイナー、バリー・ボンズらと並び、パイレーツ球団史を彩るスーパースターである。今年10月に31歳になる彼の今後のプレーぶり次第では、クーパースタウンの殿堂入りもじゅうぶん可能だ。
彼はそれに相応しいところを証明してみせてくれるだろう。
原文:Andrew McCutchen's legacy as all-time Pirates great is rock solid
翻訳:樋口浩一