マイナーリーグの無名投手が、超飛び級でメジャーデビュー【前編】

Ryan Davis

マイナーリーグの無名投手が、超飛び級でメジャーデビュー【前編】 image

昨年の今頃、ほとんどの野球ファンはジョーダン・ヒックスという名前を知らなかった。マイナーリーグのクラスA、ピオリア・チーフスの大型右腕投手は20歳の先発ピッチャーだった。しかし、2018年4月中旬には、彼の状況はまったく変わっていた。ヒックスはリグリー・フィールドのマウンドで初めて登板し、セントルイス・カージナルスの対カブス戦で、元ナショナルリーグMVPのクリス・ブライアント相手に投げた。

▶スポーツ観るならDAZNで。1カ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

時速135kmのスライダー2球でブライアントから2ストライクを奪った後、ヒックスは速球をしかけた。プレート中央真上の時速164kmの速球である。ブライアントは見事にバットを振ったが、ボールはセンターのトミー・ファムの方に飛び、その回で最初のアウトとなった。ヒックスは続くバッター2人も封じ、7回を無失点で抑えて、最終的に5対3でセントルイス・カージナルスが勝利した。

それまでこの剛速球の天才は、開幕のロースターに入り、大事なイニングで地区のライバルチーム相手に投げるどころか、2018年にメジャーリーグにいることも考えられなかった。

このようなファームシステムからの飛躍は、めったにない。ヒックスのように、元々ドラフト3巡目で指名され、大きな期待も実績もなかった選手であるならなおさらだ。マイナーからメジャーに変わるだけでも大変だが、クラスAの無名選手からカージナルスに行くことは、それとは次元の違う挑戦だろう。しかし、さしあたってヒックスはスムーズに対応している。メジャーリーグでの最初の10登板で計13回を投げており、許したヒットは6本、自責点は1点だけだ。

マイナーリーグからいきなりメジャーリーグに昇格したことについて、ヒックスは「ほとんどの面で、非常に順調です」と言う。「ここの人たちは情報をくれるし、いくらか手助けもしてくれます。それほど大変ではないですね」。

チームメートの支えが自信の後押しになっている。さらに、ほぼ間違いなく球界最高の守備力を誇る捕手と言えるヤディアー・モリーナが、プレートの後ろでいい働きをしていることも大きい。

「ハイA(アドバンスドA)クラスの捕手からヤディに変わったのは、まったく違う経験です」とヒックスは言う。「ヤディは特別です。彼に向けて投げるでしょう、そうすると、自信がつくんですよ」。

ヒックスは昨年、ミッドウェストリーグのチーフスで14登板(すべて先発)し、計78回を投げて防御率3.35だった。その期間のヒックスの些末な記録は印象に残るものではなく、4.5 BB/9で、9回あたり7.5三振である。しかし、夏にハイAチームのパームビーチ・カーディナルスに呼ばれ、リリーフ投手として3度登板した後、5試合に先発して2017年を終えた。

アリゾナ・フォールリーグの登板では15 2/3回でヒット20本、自責点11点だった。その後のスプリングトレーニングの最後の時点で、ヒックスがカージナルスでキャンプを終えられる見込みは低かっただろう。しかし彼はキャンプ序盤、安定した時速160km超の速球をチームメートとコーチ陣に印象づけた。

「私が見た中で最高の速球の1つだ」とカージナルスのピッチングコーチのマイク・マダックスは言った。「速い球なのに、彼はそれをコントロールしている。ボールが生きているから、特別な投球になっている。彼は芽が出たばかりの若者で、この状況に悩んでいる様子もない。スプリングトレーニングで我々が彼を初めて見た時から、彼はそれを証明していた」。

後編へ続く)

【ジロ・デ・イタリア注目記事】
ジロ・デ・イタリアとは?|初夏のイタリアを駆け巡る世界3大自転車レース

【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2018年版!
ネットでプロ野球中継を視聴する方法を紹介
DAZNでのプロ野球の放送予定や試合スケジュール
DAZNでF1放送を視聴する方法は?
【最新・2018年版】F1の放送予定・レース日程まとめ
ネットでMLB中継を視聴する方法を紹介
MLBの試合日程・放送予定|テレビでの視聴も可能?/2018シーズン

Ryan Davis