マイナーリーグが、ヒスパニック文化を祝う新シリーズを開催【前編】

Gary Phillips

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最近のジョン・トラウブは、球団幹部なのか、備品係なのか、もはや判別がつかなくなっている。

コロラド傘下の3A、アルバカーキ・アイソトープスの副社長兼GMであるトラウブは、アパレルの要望に追われ大忙しだ。彼はアリゾナのメジャーリーグキャンプを訪れた時、ロッキーズのフロントからアルバカーキの新しい帽子をくれないかと頼まれた。アイソトープスの外野手、ノエル・クエバスからは、背中にガールフレンドの名前が縫い付けられたユニフォームを催促するメールがきた。そう、それから。1,000件程度のオンライン注文にも対応しなくてはならない。

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しかし、皆が欲しがっているのはアルバカーキ・アイソトープスのグッズではない。ファンと選手たちが一様に求めているのは、「マリアッチス・デ・ヌエボ・メヒコ」のグッズだ。これはアイソトープスが、マイナーリーグのシリーズ「コパ・デ・ラ・ディベルシオン」のために採用した別称だ。

「ファン・カップ」という名称でも知られるこのシリーズでは今年、19州、33チームによって165試合が行われる。全米のマイナーリーグ球団がブランドイメージを変えて、球界のヒスパニック文化を祝うのだ。ブルックリン・サイクロンズが「ブルックリン・ヘフェス」として、コーパスクリスティ・フックスは「コーパスクリスティ・ラスパス」、ダーラム・ブルズは「トロス・デ・ダーラム」、シャーロット・ナイツは「シャーロット・カバレロス」、ハートフォード・ヤードゴーツは「チーボス・デ・ハートフォード」、ラウンドロック・エクスプレスは「ラウンドロック・チュパカブラス」、ポートゥケット・レッドソックスは「ポートゥケット・オソスポラレス」として参加する。

「昨年のメジャーリーグロースターの30パーセントがスペイン語圏の選手だったことからも、野球界におけるラテン系の影響力が分かります」と、今回メキシコ独特の帽子ソンブレロをかぶった骸骨のロゴを採用したアイソトープスのGMトラウブは、スポーティングニュースに語った。「アメリカの人口構成におけるヒスパニック系の著しい成長を見てください。それらの国では、野球が文化の重要な位置を占めています。私たちは既にビジネス面で、それらの国のファンを引きつけることに成功してきましたが、私たちの考えや支援活動プログラムが時代を先取りしていたことも、ヒスパニック社会にとって非常に大きな意味があったのです」。

後編へ続く)

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