ジョン・ラッキーは、ポストシーズンで複数回の打撃妨害を経験した唯一の投手だ。2009年、ジャコビー・エルズベリーと対戦時、ポストシーズンでは23年間記録されていなかった打撃妨害をコールされた。そして2016年、ジョシュ・レディックと対戦時にも同じことが起こった。驚きはなかった。
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「打撃妨害で悪名高い選手たちを何人か知っている」ジラルディは言った。「エルズベリーがそう。レディックもそのひとり。カール・クロフォードもそうだったと記憶している。思うに、大きく外れたボールゾーンからストライクゾーンへと投球が来るとき、それが起こりやすい。打者が慌ててスウィングして、帳尻を合わせようとするから」。
エルズベリーはレギュラーシーズンでMLB歴代最多となる、31度の打撃妨害を記録している(ポストシーズンでも2度)。彼に続くのは、どんな手を使ってでも出塁しようとする男、ピート・ローズだ。
打撃妨害ランキング
1.ジャコビー・エルズベリー:31度
2.ピート・ローズ:29度
3.デール・ベラ:18度
3.ジュリアン・ジャヴィア:18度
5.ロベルト・ケリー:17度
5.カール・クロフォード:17度
5.アンディ・ヴァン・スライク:17度
8.ボブ・スティンソン:16度
9.ジョシュ・レディック:15度
10.ダリン・アースタッド:13度
10.ライアン・ラドウィック:13度
「エルズベリーと対戦するときは」ジラルディは言った。「彼が打席に立つとき、捕手に毎回言いました。『下がれ!下がるんだ!』と。ときどき、捕手は忘れてしまうのですが」。
では、なぜ打撃妨害のリスクをなくすため、どの打者と対戦するときも捕手の位置を下げないのか? その理由は、打者の近くで構えることは重要だからだ。ファウルチップをつかんでアウトにする可能性を高めるためには? 打者に可能な限り近付くのだ。
際どいコースの投球をストライクと判定してもらうためには? なるべく早く捕球するのだ。そして今日、捕手のフレーミング技術が及ぼす影響に関する具体的な統計もある。間違いなく、それは影響するのだ。
「間違いない。打者に近づけば近づくほど、低めのボールをストライクとコールしてもらえる可能性は高まる。ストライクゾーンを外れる前にキャッチするんだ」ジラルディは言った。「手を伸ばして、ストライクゾーンに入れようとするんだ」
ジラルディはもうひとつ、理論を持っている。なぜ今日、打撃妨害を頻繁に目にするかについて。
「スウィングの仕方が少し変わったからだと思う」彼は言った。「昔は高い位置から斜め下に、斧を振りかざすような形でスウィングしていた」
レギュラーシーズンにおける打撃妨害の総数も、近年のポストシーズンにおける打撃妨害の激増を反映している。ベースボール・リファレンスによると、これまで1379件の打撃妨害があった。その時期別の内訳は……
1930~1939年:44度
1940~1949年:48度
1950~1959年:52度
1960~1969年:141度
1970~1979年:220度
1980~1989年:205度
1990~1999年:188度
2000~2009年:173度
2010~2018年:284度
1925年から1961年まで、1年に10度以上の打撃妨害が発生することはなかった。それが1962年には16度、1963年には24度になった。これは、メジャーリーグが拡張して2年目と3年目で、チーム数も試合数も増えた時期だ。1975年には25度、1977年には29度、1987年には31度に増えた。
過去3年のレギュラーシーズンは、41度、43度、41度だ。そう、かなりの増加だ。
「選手たちはバットを可能な限り長く、ストライクゾーンにとどめておきたいのだと思う」ジラルディは言った。「そして彼らは可能な限り早く、バットをストライクゾーンに入れたい。だから、こうしたことが起きているんだ」。
ワールドシリーズで、打撃妨害が発生するだろうか? もし直近の歴史を参考にするなら、可能性は高い。
(完)
原文:Surge in catcher's interference provides sneaky-important October X-factor
翻訳:Muneharu Uchino
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