ベテラン捕手はロッキーズの救世主となるか?(前編)

Alex Stumpf

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ボストン・レッドソックス対ニューヨーク・ヤンキース、サンフランシスコ・ジャイアンツ対ロサンゼルス・ドジャースのことは、とりあえず置いておこう。野球史上、最も面白いライバル関係にあるのは「コロラド・ロッキーズの投手陣」対「クアーズ・フィールド」である。

 

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標高1600メートル近くにある彼らのスタジアムは空気が薄く、創設25年のこの球団にとって、象徴ともいえる特徴になっている。このおかげでラリー・ウォーカーやトッド・ヘルトンのような偉大な打者が誕生し、マイク・ハンプトンやデニー・ネーグルのような偉大な投手が生まれた。これらは輝かしい功績だが、ロッキーズにとっては良いことばかりではない、なぜなら、チームの投手陣はこの球場でコンスタントに勝利を挙げることに苦しんできたからである。

今季はジョン・グレイ、ヘルマン・マルケス、カイル・フリーマンなど若手中心の投手陣でワイルドカードに進出し、彼らのさらなる活躍に期待がかかる。これまでずっとついてまわってきた哀れな投手陣という語り草を振り払うチャンスを彼らは得たのだ。だが、この若い投手陣だけでそれが成し遂げられるものではない。

もちろんロッキーズは、打者を抑えようとあらゆることを行ってきた。彼らはフェンスを高くしたり、後ろへ下げたり、加湿器を導入したりした。そしてゴロを打たせることに重点を置いてきた。チームのゴロ率48.5%はリーグ最高の数字で、守備防御点は44を記録している。

しかし、彼らはロードでも起きているある1つの問題をずっと見過ごしてきた。それはピッチ・フレーミングである。野球情報専門サイト『ベースボール・プロスペクタス』によると、2017年のロッキーズは捕手の低い捕球技術により、20.5点を失っている。これを下回るのはデトロイト・タイガースだけ。2011年以降、ロッキーズの捕手はフレーミングだけで合計106.9失点している。

もし10点が1勝と同等であるとするなら、ロッキーズは昨年2勝失っており、セイバーメトリクスが発展するようになってからおよそ10勝か11勝を失っている。

ロッキーズは昨シーズンのトレード期限にジョナサン・ルクロイを獲得し、すでに問題の解決を試みている。ルクロイはかつてメジャーでも屈指のピッチ・フレーマーであったが、ここ数年でそれが徐々に悪化してきている。彼もコロラドを立て直すことはできず、369 2/3回で5.2点を失っている。

ロッキーズはフリーエージェントの捕手、クリス・アイアネッタと2年850万ドルで契約し、ルクロイから方向転換を図ろうとしているようである。アイアネッタは驚くべきことにダイヤモンドバックスで返り咲き、89試合でOPSは.854、fWARは2.2を記録。彼は通算のOPSを.754としており、昨年ロッキーズの捕手が記録したOPS.677からすると、少しばかり改善となるだろう。

そして、この話に関連するところでは、昨季のアイアネッタはメジャー上位につけるピッチ・フレーマーの1人でもあった。ベースボール・プロスペクタスによると、彼は6.1点を防いでいる。これは今季のフリーエージェントの捕手の中では最も優れている。

後編につづく)

 

 

Alex Stumpf