ハッシュタグ#ThisTeamで世界一を目指すドジャース

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"ThisTeam"(このチーム)

1988年以来のワールドシリーズ進出を決めたロサンゼルス・ドジャースの、今プレーオフにおけるスローガンだ。

ドジャース球団公式ツイッターアカウントでは、プレーオフ中の投稿に#ThisTeam というハッシュタグが含まれている。ドジャースの選手たち、ファンたちのツイートも然り。"This team"の合言葉のもと、今プレーオフでドジャースは快進撃を続けてきた。

 

 

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そのキャッチフレーズの通り、今季メジャートップの104勝を挙げたドジャースの強みは、圧倒的なdepth(選手層の厚さ)に支えられたチームとしての総合力だ。

シカゴ・カブスとのナショナル・リーグ優勝決定シリーズ第5戦で3本塁打を放ったエンリケ・ヘルナンデスは、内外野の守備をこなすスーパーユーティリティプレーヤー。メジャー通算4年で規定打席に到達したシーズンはない。そのヘルナンデスはワールドシリーズ進出を決めた試合後、こう語っている。

「このチームは毎晩、代わる代わるヒーローが出てきて、それが162試合、さらにポストシーズンの8試合続いている。全ての試合で誰かが活躍し、今夜はたまたま僕の日だったのさ」

「ロースターのナンバー1選手から25人目の選手まで、選手層の厚みこそが僕らの強みだ」

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スター選手がいないわけでは、決してない。投手陣にはエースのクレイトン・カーショウ、絶対的クローザーのケンリー・ジャンセンがいる。攻撃陣にも主軸のジャスティン・ターナー、大型新人コディ・ベリンジャーという主軸がいる。リーグ優勝決定シリーズは故障欠場したが、若きスター遊撃手のコリー・シーガーも忘れてはならない。投打ともに、柱となる選手は揃っている。

ドジャースが他球団を圧倒しているのは、彼らの周辺を固める選手層の厚さだ。今プレーオフ、ダルビッシュ有が先発3番手、さらに今季16勝3敗のアレックス・ウッドが先発4番手を努め、今季13勝の前田健太はリリーフに回っている。その前田を含めたブルペン陣はリーグ優勝決定シリーズで、カブスの打者58人と対戦してヒット僅か4点、失点ゼロ。全員が完璧な仕事を果たしているのだ。

野手でも今季大ブレイクした1番のクリス・テイラーや、デビュー時の輝きを取り戻しつつあるヤシエル・プイーグらが活躍。チェイス・アトリー、カーティス・グランダーソンといった、他球団でワールドシリーズを経験しているベテランも良い味を出している。

試合中のダグアウト映像や選手たちのツイッターアカウントなどを見る限り、チームの雰囲気はとても良い。メジャー断トツの年俸総額で“The Best Team Money Could Buy”(金で買える最高のチーム)と揶揄された2013年のドジャースは、銀河系軍団と言われながらもリーグ優勝決定シリーズで敗退。一部のメディアでは、個々のタレントは揃っているもののチームとしてのまとまりに欠けている、と批判もされた。

その2013年から4年連続プレーオフ敗退を経て、ついに今年ワールドシリーズ進出。"ThisTeam"の快進撃はどこまで続くだろうか。