ナ・リーグMVP争い、本命3人とその他有力候補

Tom Gatto

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ナショナル・リーグMVP争いの行方は、レギュラーシーズン最終週のプレーオフ進出争い同様に混戦だ。全米野球記者協会に所属する30人の投票者(リーグ所属チームのある各都市から2人ずつ)たちは、MVP投票トップ5候補がひしめき合う中、難しい選択を迫られる。

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MVP候補選手たちの約半数は10月もプレーするが、MVPは(サイヤング賞や新人王と同じく)レギュラーシーズンの活躍に基づいた賞であるため、投票は30日までに行われる(もし来週、プレーオフ進出チームが決まらず163試合目や164試合目が行われることになっても関係ない)。

以上を踏まえて、MVPの有力候補を見ていこう。本命はアルファベット順に並べた。

※成績は原文公開日の9月26日時点。

本命

ハビアー・バエス(内野手、シカゴ・カブス)

バエスはオールドスクールなMVP候補だ。彼は二塁手として30本塁打100打点をマークし、素晴らしい守備でもシーズンの大部分で地区首位をキープしたチームに貢献した。彼はまた、豪快なベースランニングと感情表現でもファンを惹きつける。

たとえカブスが中地区首位を陥落してワイルドカードに回ったとしても、彼は「チームの勝利に貢献した選手」としていくつかの票を得るだろう。また、二塁手である彼は「負担の大きいポジションを守りながらも活躍した選手」としての票も得るだろう。コロラド・ロッキーズの遊撃手、トレバー・ストーリーもバエスと同じような成績を残しているが、bWAR(バエスは6.1、ストーリーは4.8)の差、そしてカブスという注目されるチームに所属していることで、バエスが有利なはずだ。

クリスチャン・イエリッチ(外野手、ミルウォーキー・ブルワーズ)

オールスター後の打棒が、彼を打撃成績チャートのトップ、そしてMVP争い本命へと押し上げた。7月20日から9月24日まで打率.360、出塁率.427、長打率.732、21本塁打をマークし、年間の長打率は.576、OPSは.967まで上がった。いずれもリーグトップだ。キャリアハイの32本塁打、98打点をマークし、数字重視の投票者からも票も得るだろう。

もしブルワーズがカブスを下して地区優勝したら、「勝者」からMVPを選びたい投票者からも票を得ることになる。もしこの「勝者」という基準が曖昧に感じられるようであれば、イエリッチが9月24日時点で残している、勝利に関連する指標の数々を見てみよう。bWAR6.4は野手として、チームメイトのロレンゾ・ケインに次ぐリーグ2位。アジャステッド・バッティング・ウィンズ(打撃でのチームへの総合貢献度)、ウィン・プロバビリティ・アッデッド(チームの勝率をどれだけ高めたか)などはリーグトップである。

フレディ・フリーマン(一塁手、アトランタ・ブレーブス)

若いブレーブスにおいて、フリーマンは安定感あるベテランのリーダーだ。その事実により、彼はいくつかの流動的な票を得るだろう。29歳のオールスター選手である彼は、プレーオフ争いの蚊帳の外と思われていたブレーブスが好スタートを切り、プレーオフ進出争いをし、そして地区チャンピオンに上り詰める原動力となった。

彼の長打に関連する数字(9月24日時点で23本塁打、長打率.506、OPS.895)はトップの選手たちに比べるとやや見劣りするが、それでも彼はbWAR6.0を記録している。一塁手としてリーグ2位の守備防御点12を記録している守備も、彼の評価を高めている。

その他の候補選手

ケインは興味深いケースだ。彼の10本塁打、OPS.825という数字は本命たちに比べると見劣りするが、にも関わらず9月24日時点で、bWAR6.9はリーグで野手トップ。彼の守備、そして走塁が大きな理由だ。ファングラフによると、ケインはセンターとしてメジャートップの守備防御点19を記録。ベースボール・リファレンスによると、それによりケインはリーグ全体で3位のdWAR2.3を記録している。29盗塁もリーグ4位だ。バッターボックス以外でこれだけの価値を発揮している選手を、投票者たちはどう評価するだろうか?

アリゾナ・ダイヤモンドバックスの一塁手、ポール・ゴールドシュミット(bWAR5.5)は、5月の絶不調(OPS.531)から復調して、再びダイヤモンドバックス打線を牽引した。しかし、チームが9月に転落したことを受けて、投票者たちが彼に票を入れなかったとしても驚きではない。ゴールドシュミット自身、6月から8月にかけて24本塁打、OPS1.088を記録したが、9月は1本塁打、OPS.882に落ち込んだ。

ストーリーのチームメイトであるノーラン・アレナド(bWAR5.2)は、9月24日時点でリーグ3位のOPS.919。そして、三塁手として、ブレーブスのヨハン・カマルゴには守備防御点で1劣るものの、今年もゴールドグラブ賞の本命だ。

セントルイス・カーディナルスの内野手、マット・カーペンター(bWAR5.0)はこの夏、ホームランを量産して話題になった。いくらかの投票者たちにその存在を印象付けたことだろう。しかし、9月に入ると彼のパワーは消えてしまった(24日時点で僅か1本塁打)。

もし投票者たちが打者の中からMVPを選べないとしたら、bWARでリーグ上位4人の投手たちの中から選べばいい。ニューヨーク・メッツのジェイコブ・ディグローム(9.5)、フィラデルフィア・フィリーズのアーロン・ノラ(9.3)、ワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー(9.3)、そしてロッキーズのカイル・フリーランド(7.9)だ。彼らは素晴らしいシーズンを送っているものの、歴史的とまでは言えない。ディグロームのリーグ最高の防御率1.77、そしてランサポートの少なさは話題になったが、その内容は50年前にMVPを獲得したボブ・ギブソン(防御率1.12、13完封)とは似て非なるものだった。

原文:NL MVP race: Javier Baez, Christian Yelich, Freddie Freeman leaders of large pack

翻訳:Muneharu Uchino


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Tom Gatto joined The Sporting News as a senior editor in 2000 after 12 years at The Herald-News in Passaic, N.J., where he served in a variety of roles including sports editor, and a brief spell at APBNews.com in New York, where he worked as a syndication editor. He is a 1986 graduate of the University of South Carolina.