ナ・リーグのワイルドカード争い 各球団の落とし穴

Jacob Janower

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原文公開日:2018年9月7日(日本時間)。成績は6日時点。

ベースボールは9月に突入した。

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アメリカン・リーグはプレーオフ進出チームの顔触れが出揃いつつあるが、ナショナル・リーグはより混戦だ。地区優勝争いで2位に4ゲーム差以上つけているチームはなく、ワイルドカード二枠を巡り複数のチームがしのぎを削っている。

多くのチームがワイルドカードを争ってはいるものの、大半のチームはプレーオフを前に姿を消すことになる。以下、ワイルドカードを争う各チームがポストシーズン進出を逃す理由を考えてみよう。

アリゾナ・ダイヤモンドバックス:対戦スケジュール

昨シーズンにワイルドカードゲームを制したダイヤモンドバックスは今季、シーズンの大部分でナショナル・リーグ西地区首位を守ってきた。しかし、最近の連敗によりチームは地区3位にまで後退。ワイルドカードを狙うのはより現実的なオプションとなりつつある。

ダイヤモンドバックスの前に立ちはだかるのは、9月の厳しい対戦スケジュールだ。シーズンの残り、負け越しているチームとの試合予定は3試合しかない。地区優勝を争うロッキーズ、そしてドジャースとの計10試合が、プレーオフ進出の行方を決めるだろう。

ダイヤモンドバックスのブルペンはリーグトップの防御率3.14を記録しているが、打撃陣が弱い。1試合平均4.37得点、チーム打率.238、チームOPS.713はいずれもリーグ平均以下だ。

コロラド・ロッキーズ:不安定なブルペン

(9月9日現在、ロッキーズは地区首位だが、2位ドジャースとのゲーム差は0.5)

打者天国として有名なクアーズ・フィールドで、投手が好成績を残すのは難しい。それ故、ロッキーズは毎年、投手陣のやりくりに頭を悩ませることになる。

先発ローテーションの防御率4.31は2010年以降で最も優れた数字だが、それでもプレーオフ進出を争うほかのチームには劣る。オフシーズンに行ったブルペン陣の強化は、司会者のタイ・ペニントンをも唸らせたが、うまく機能していない。

リリーフ陣の防御率4.92は、リーグ13位。オフに獲得したウェイド・デービス(防御率4.55)、ジェイク・マギー(FIP5.11)、ブライアン・ショー(WHIP1.83)はいずれも、試合終盤に不安定な投球を続けている。

ロサンゼルス・ドジャース:リリーフ投手陣

昨年のナショナル・リーグ覇者は、2017年に見せた戦いぶりからは程遠い。先発ローテーションは球界最高で、攻撃陣もまあまあ、そして大事な時期に健康な選手たちが揃っている。しかし、問題はブルペンだ。

いつもなら信頼の置ける投手であるケンリー・ジャンセンは、故障者リストから復帰してから8イニングで防御率7.88。そしてジャンセン以外に、ドジャースは信頼できるリリーフ投手がいない。先発投手からジャンセンへの橋渡し役として獲得されたライアン・マディソンは、防御率5.40と自身最悪級のシーズンを送っている。シーズン最後の23試合中16試合を敵地で戦うことも、助けにはならない。

ミルウォーキー・ブルワーズ:エース級投手の不在

打線を牽引する今季のMVP候補たち、クリスチャン・イエリッチやロレンゾ・ケイン、そして新星ヘスス・アギラルらと共に、ブルワーズはワイルドカードゲームを本拠地で戦えるポジションにいる。

しかし、ひとつ問題がある。一発勝負のワイルドカードゲームで、誰が先発マウンドに上がるのか?だ。そもそも、リーグ9位の防御率に過ぎない、かつ実績もない先発ローテーションと共に、プレーオフに進出できるかどうかも怪しい。

トップクラスの投手でローテーションを固めたがるチームが多い今日の球界において、ブルワーズは真のエースを欠いている。ジョーリス・チャシーンが今季最も優れた先発投手だが、彼の成績(FIP3.95、WHIP1.22)は他球団のエースと対戦すると考えると、いくぶん頼りない。

フィラデルフィア・フィリーズ:クローザー不在と打撃不振

フィリーズはオールスター休暇時点で、アトランタ・ブレーブスに0.5ゲーム差をつけて地区首位に立っていたが、現在は逆に2.5ゲーム差をつけられてしまっている。なぜか?

近年プレーオフに進出するチームが欠かさず有している、試合を締め括るクローザーの不在に問題がある。ルーキーのサラントニー・ドミンゲスは8月、3つのセーブ失敗に防御率7.00と散々で、パット・ネシェックと役割を分担する羽目になった。

攻撃陣の不振もまた、深刻だ。1試合平均4.27得点はワイルドカードを争うチームの中では最低の数字。捕手のウィルソン・ラモス以外、打率.267以上売っているレギュラー野手はいない。

セントルイス・カージナルス:経験不足の投手陣

僅か1カ月間にトミー・ファムをトレードで放出したとき、カージナルスは白旗を挙げたかのように思われた。しかし、MVP候補のマット・カーペンター、そしてマイク・シールド新監督によって、ポストシーズンを狙える位置まで上がってきた。

今球界で最もホットなチームのあら捜しをするのは難しいが、他のチームと同様に、投手陣が危うい。メンツが若すぎるのだ。

今年カージナルスで25イニング以上投げている投手のうち8人が、今季開幕前まで2年以下のメジャー経験しかなかった。ベテランのアダム・ウェインライトとマイケル・ワカは、健康なら助けてくれるかもしれない。しかしもしそれが叶わなければ、経験不足が仇となるだろう。

原文:NL wild-card race: Each wild-card contender's biggest flaw

翻訳:Muneharu Uchino


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