※原文公開日:7月27日。勝率などデータの数字は原文作成当時。
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ワシントン・ナショナルズは、7月31日のノンウェイバー・トレード期限を前に難しい決断を迫られている。それは驚くべきことではない。
しかし、実にショッキングだ。ブライス・ハーパーがフリーエージェント(FA)になる前のラストシーズンである今年、ナショナルズはナショナル・リーグ東地区を制して、ワールドシリーズ優勝を争うと見られていた。ポストシーズンに向けた補強をするため、トレード市場で積極的に動くと見られていた。彼らは球界を揺るがすトレードを最低でもひとつ行うのに、必要なプロスペクト(若手有望株)を有していた。
しかし、勝率5割前後をうろちょろしている彼らは、ワールドシリーズどころかプレーオフに進出するチームにも見えない。彼らは現在、勝率5割を1試合下回っており、地区首位からは7ゲーム差。2番目のワイルドカード獲得ポジションからは5.5ゲーム差で、上には5チームがひしめいている。彼らの苦境を説明するのに、もっと良い言い方はこうだ。ナ・リーグには全15チームあるが、ナショナルズより勝率が低いのはたった4チームしかない。
従って今、今シーズン終了後にFAとなる選手たちをトレードで放出すべきかどうか、ナショナルズは決断しなければならない。ハーパーを除いて、今オフにFAとなる選手のうち、ナショナルズからクオリファイング・オファーを受けることになる選手はひとりもいない。それはつまり、価値ある選手たちが今オフにFAで移籍しても、ナショナルズは何も見返りを得られないことを意味する。プレーオフ進出を目指すチームは、それでも構わない。しかし、今後数年に渡って競争力を保ちたいチームにとって、それは大きな機会損失となる。
ヤフーのジェフ・パッサンが26日の午後に報じたところによると、ナショナルズは自軍の選手たちにどのチームが興味を持っているか、探っているという。それはもちろん、彼らが選手たちを放出することを意味しない。しかし、トレード期限が5日後に迫った今、間もなく決断を下さなければならない。
議論はここから始めよう。まず、ナショナルズは再建モードではない。彼らは2019年もプレーオフ進出を目指したい考えで、現在契約下もしくは球団の支配下にある選手たちの多くは、今シーズン以降もチームに残る。たとえばアンソニー・レンドンやタナー・ロアーク(2019年オフにFA)、そして長期契約を結んでいる(あるいは球団がオプションを保有している)選手たち、たとえばマックス・シャーザーやアダム・イートン、ステファン・ストラスバーグ、ショーン・デューリトル、トレア・ターナー、フアン・ソト、そしてマイケル・A・テイラー。少し名前を挙げるだけでも、これだけの選手たちがいる。
さて、今度は今シーズン終了後にFAとなる選手たちを見てみよう。もしかしたら今週が、ナショナルズのユニフォームを着る最後の週になるかもしれない選手たちを。
ブライス・ハーパー
ハーパーをトレードするというのは、誰も想像できないシナリオだ。そして、おそらく彼はどこにも行かないのが現実だろう。彼はフランチャイズの顔であり、ハーパー放出はナショナルズのオーナー陣にとって、あまりにも大きな白旗を意味する。その旗には「私たちは失敗した」と大きな文字で書かれることになる。彼らはFAになったハーパーと再契約する希望を捨てておらず、もし今放出したらその可能性は限りなく小さくなる。
しかし、これもまた現実だ。高く見積もって、ハーパーと再契約できる可能性は50%だろう。もしハーパーが今シーズンをワシントンDCで戦い抜き、オフに他球団へ移籍した場合、ナショナルズがその補償として得るのはドラフト指名権だけだ。ナショナルズは確実にクオリファイング・オファーを提示し、ハーパーは確実に拒否するだろう。もし今ハーパーをトレードしたら、ナショナルズはドラフト一巡目指名権よりも確実に大きな見返りを得られる。このチームは、いやあらゆるチームは、ハーパーのような選手を失う代わりに得る見返りが3分の1、いや4分の1程度になってしまうことを許容できるだろうか? ナショナルズファンは、ハーパーがおそらく今後数年は戻って来ないという避けられない運命を理解している。そして不甲斐ないシーズンを送っている今、チームがハーパーのような宝くじを持っていながら上手く活用できないとしたら、それは許されがたいことだ。
投手陣
6月半ば、シーズンの雲行きが怪しくなってきたナショナルズはカンザスシティ・ロイヤルズのクローザー、ケルビン・ヘレーラをトレードで獲得した。それはスマートな動きで、ヘレーラは新天地でも防御率3.29とよくやっている。しかし、チームが抱えている問題はひとりのリリーフ投手で解決できるような問題ではない。彼には価値があり、それ故に放出される最初の選手になるかもしれない。もしチームが、彼を売ると決めたならば。
もうひとりの右腕ショーン・ケリーは今シーズン、素晴らしい活躍をしている(防御率2.67、WHIP0.857)。ライアン・マディソンもまた、経験豊富なリリーフ投手だ。以上の3人が、パッサンがツイッターで言及した名前だ。
先発左腕ジオ・ゴンザレスは、シーズン序盤は素晴らしかった(11先発で防御率2.10)。しかし、その後9試合では防御率6.70、43イニングで被安打と与四球が計68という有様だ。彼をプレーオフ第3戦の先発投手に指名したいチームはないが、プレーオフ進出を争うチームに厚みを提供することはできる。ナショナルズはまた、昨オフにジェレミー・ヘリクソンとお得な1年契約を結び、彼は14先発で防御率3.44と好投している。
野手陣
ナショナルズは2016年シーズン前にダニエル・マーフィーと3年契約を結び、彼はDCでの最初の2年間、実に輝かしい活躍をした。過去2年のシーズン成績は平均して、打率.334、OPS.956、24本塁打、97打点、45二塁打だ。しかし今年は、ヒザの手術からの回復のため最初の数カ月を欠場。そして復帰後も、本来の姿を取り戻せずにいる。
マーフィーは今季、33試合で出塁率.299、2本塁打という成績だ。プレーオフ進出を争うチームにとって、彼は買い時の選手だろう。特に彼を指名打者(DH)として起用できるアメリカン・リーグのチームにとっては。33歳の彼は苦しんでいるが、試合感覚を取り戻せば再び良い打者になることを想像するのは難しくない。
一方、今季好調な選手といえばマット・アダムスだ。彼は228打席で16本塁打、OPS.909をマークしている。彼はレギュラー左翼手にはならないが、日替わりでファーストと指名打者を務めることはできる。また、マーク・レイノルズが7月初めに見せた大活躍を覚えているだろうか? 彼はマイアミ・マーリンズ戦で5打数5安打、2本塁打10打点と大爆発した。彼はメジャー昇格以降、46試合で10本塁打、OPS.911と素晴らしい成績を残している。アダムスと同様に彼は、チームが10月にベンチに置いておきたいようなパワーのある打者だ。
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原文:MLB trade rumors: If Nationals concede they're sellers, which players might be dealt?
翻訳:Muneharu Uchino