ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースが、2017年シーズンの年俸に加え、両球団合計で5200万ドルのぜいたく税(ラグジュアリータックス)をMLBに支払うことが分かった。両球団は来年のこの時期に、その額をゼロに抑えることを目指している。
『The Associated Press』が12月19日に報じたところによると、ドジャースは5年連続でぜいたく税を支払うことになった。金額は3620万ドル。2017年シーズンのドジャースの年俸総額は、基準額の1億9500万ドルに対して2億5360万ドルだった。
ぜいたく税が導入されてからの15シーズン全てで税金を支払っているヤンキースは、以前と比べて減額となる1570万ドルの支払い。『AP』によると、ヤンキースは2003年から総額で3億4100万ドルのぜいたく税を支払っている。
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ぜいたく税を支払うのは全5球団。ドジャースとヤンキースの他、サンフランシスコ・ジャイアンツ(410万ドル)、デトロイト・タイガース(360万ドル)、ワシントン・ナショナルズ(140万ドル)だ。ジャイアンツとタイガースはそれぞれの地区で最下位だった。ほかの3球団はプレーオフに進出した。ドジャースはワールドシリーズに駒を進め、第7戦でヒューストン・アストロズに敗れた。
MLBは契約、ボーナス、福利厚生、その他経費の平均年間評価額を算出して、シーズン終了時に各球団の人件費を計算する。徴収したうちの半額は福利厚生にあてられ、それ以外は選手の年金基金やぜいたく税を支払わない球団に分配される。
ヤンキースの筆頭オーナーであるハル・スタインブレナーは、以前から基準額を下回りたいと述べており、マイアミ・マーリンズからジャンカルロ・スタントン(平均年間評価額2500万ドル)を獲得したにもかかわらず、ヤンキースは2018年にそれを実現するだけの状態にある。
ヤンキースの力強い核となる若手選手は、あと1、2シーズンは大金を手にしないだろう。それにより、人件費は一時的にコントロールできる。また、ウィンターミーティングで年俸1300万ドルのチェイス・ヘッドリーをサンディエゴ・パドレスにトレードしており、スタントンの取引で平均年間評価額857万ドルのスターリン・カストロを放出した。
2018年の基準額を1億9700万ドル以下に保つことができれば、ヤンキースが次回ぜいたく税を支払う際の税率は20%のみ。次に上限を超えるのは、2019年になるだろう。ヤンキースは2018年のオフシーズンにブライス・ハーパーやマニー・マチャドの獲得を目指すとみられる。
ドジャースも、少なくともハーパーの獲得には動く可能性がある。また、2018年シーズン後にエースのクレイトン・カーショウが契約をオプトアウトした場合、彼と再契約する必要も出てくる。
一方で、12月16日にドジャースはアトランタ・ブレーブスとのトレードで、マット・ケンプとの交換でエイドリアン・ゴンザレス、スコット・カズミアー、ブランドン・マッカーシーという大型契約の3選手を放出。ぜいたく税の支払いを避けるまであと数百万ドルまで近づいた。
ぜいたく税の回避を目指すべきさらなる理由として、最新の労使協定によると、来年はドラフト指名権や国際ボーナスにまで罰則が拡大されることが挙げられる。
原文:Dodgers, Yankees get MLB luxury tax bills; reset in '18 goal for both teams(抄訳)
翻訳:Hiroaki Nakamura