■関連コンテンツ
- 【解説】契約前に知っておきたいDAZNのすべて
- 【解説】DAZN 1ヶ月無料体験・トライアルとは?
- 【比較】2020年プロ野球見るならDAZN?それともスカパー!? | 料金・内容
- 【比較】DAZN・スカパー!・WOWOW | サッカー、プロ野球、F1見るなら?
- DAZN番組表|直近のプロ野球放送・配信予定
ロサンゼルス・ドジャースのトレバー・バウアー投手が4月7日(日本時間8日)のオークランド・アスレチックス戦に先発登板した際に投じたボールに粘着性物質が付着していたのではないかとの疑いのため、何球かが調査のためにMLBに送られたと翌日報じられた。するとバウアーはメディアとMLB機構に注意をそらすことを試みた。
スポーツ専門サイト『The Athletic』はその試合の球審は粘着性物質が付着していると指摘された複数のボールを回収したと報道した。『The Athletic』はその指摘が誰によって行われたかは明らかにしていない。その記事ではMLBが各チームに監視員を派遣し、不正行為のチェックを行っていると述べている。
バウアーはこの報道に自身のツイッターで反論した。バウアーは記者らを「ゴシップ・ブロガー」と呼び、MLB機構が情報をリークしたことを非難した。異物をボールに付着させることを禁止したルールを守るために、球審らが他の試合で使用されたボールもリーグ機構に送っているともバウアーは述べている。
かねてからバウアーは投手たちが松ヤニか別の粘着性物質を使ってボールの回転率を上げ、球威を増すことによって、不正な利益を得ていると発言していた。2018年4月にはバウアーはヒューストン・アストロズの投手たちが松ヤニを使用したことを非難した。さらに2018年5月には、特定の組織には言及しないものの、MLBと関係者がこのルールを無視していることを非難すると米スポーティング・ニュースに語っている。
「MLBはこのことを公式に認めたいとは思わないだろう。私が公言してきたことに対する非難はそのせいでもある。誰も触れてほしくはないだろうが、これは議論されなくてはいけないことだ。とくに球団が選手の査定にデータをもっともっと重視するのであれば、フィールドでの大きな不正は見逃してはならない」とバウアーは言った。
バウアーとその父、そして野球研究所『Driveline Baseball』のスタッフたちは長年に渡るオフシーズン中に粘着性と回転率の相関関係を調べてきたという。
2018年4月30日のクリーブランド・インディアンス戦に先発登板した際、バウアーは1イニングだけある異物を使用したようだ。そのときのバウアーが投じた速球の回転率はおよそ300rpmにまで急増した。そのことからバウアーは他の投手が松ヤニか他の粘着性物質を使用していると確信するようになった。その日のゲームに異物を使用したかどうかはバウアーは明言していない。
2020年2月、バウアーはケーブルテレビ局『HBO』の番組内において、MLB投手たちのおよそ70%が粘着性のある何物かをボールに付着させていると言った。
「このことはもっと議論されるべきだ。なぜならこれはすべての投球に影響を及ぼすからだ。そしてかつてのステロイドより利益は大きい。もしその扱い方を知っていれば、同じスピードのボールをまったく違うようにすることができるからだ」とバウアーは言った。
もっとも、バウアーだけが声を上げていたというわけではない。MLBが3月に試合ボールと異物への監視を強めると発表したのは、それを求める声を無視できなくなったからである。
▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
バウアーはMLBの計画に最初から懐疑的だった。3月25日には、投手は野手のグローブや打者のバットに付着していたのかもしれない異物によって罰せられる可能性があるとユーチューブで述べている。
「私の疑問は以下の通りだ。もし私が投げたボールがプレイ後に回収され、テストの結果である異物が発見されたとしよう。その異物が私から来たもので、キャッチャーミットや3塁手のグローブから来たものではないと、どうやって証明するのだ? ファールボールの場合にしても、もしボールがバットのグリップ近くに当たって、そこに松ヤニか別の物質が付着していたら、どうなるのだ? バットに松ヤニを塗ることは完全にルールで許されている。バットに松ヤニを塗ってよい長さを規定するのか? ある異物がボールに付着していたとして、どうしてそれを私が使用したものであると決めつけ、他のルールで許されている選手や場所から来たものではないと言えるのだ?」
MLBが分析ツール『Statcast』の過去のデータと比較して試合中の回転率を検査する計画についても、バウアーはその実効性に疑問の声を上げている。バウアーによれば、投手たちは検査を逃れるために回転率を操作できるうえ、粘着性物質を使用するときと使用しないときを選べるということだ。
バウアーは投手たちが罰せられる可能性は低いと見ていた。
「私の予想では、何も変わらない。退場させられたり、罰金を科せられたり、あるいは出場停止処分を受けるような選手は出てこないだろう。ひょっとしたら、何人かの選手が見せしめのために罰せられるかもしれない。だが、それはMLBがこの問題に取り組んでいることを世間にアピールするためのものでしかない。彼らは本当に競技の公平さを保つことを目的として、この問題を解決しようとしているのではないからだ。彼らはゲームの動きをもっと増やして、もっと面白いものにすることだけを考えている。競技の公平性などは気にしてはいないのだ」とバウアーは続けた。
(翻訳:角谷剛)