ダルビッシュ、メジャー6年の集大成は「運命の第7戦」へ

Muneharu Uchino

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こういう星のもとに生まれた男なのだろう。
そうとしか言いようがない。

ダルビッシュ有が明日、ワールドシリーズ第7戦に先発する。

ロサンゼルス・ドジャース3勝、ヒューストン・アストロズ3勝。
明日、勝った方がワールドシリーズ優勝という"Winner Takes All Game"だ。

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ダルビッシュはこれまでも、大舞台でのマウンドを数多く経験している。
甲子園、日本シリーズ、北京五輪、WBC…

しかしワールドシリーズ第7戦は、野球選手にとって間違いなく世界最高の舞台だろう。

ダルビッシュは第3戦で、僅か1 2/3回を4失点とアストロズ打線に打ち込まれ敗戦投手になった。
翌日の第4戦の試合前、ドジャースのチームメイトたちはダルビッシュに「今日はお前のために勝つ!」と声をかけたという。
その言葉通りドジャースは第4戦に勝利し、そして崖っぷちの第6戦を制したことで、ダルビッシュにリベンジの機会が回ってきた。

 

 

「このワールドシリーズは第7戦まで戦われる運命だったのだ」

第3戦に続き、再びダルビッシュと投げ合うアストロズのランス・マッカラーズは第6戦の終了後、こう語っている。

 

 

今回のワールドシリーズは手に汗握る大熱戦が続き、一部のメディアでは「史上最高のワールドシリーズ」とまで言われている。
マッカラーズが言うとおり、決着が第7戦までもつれることになったのは必然だったのかもしれない。

このポストシーズン、ダルビッシュは3試合に先発しているが、全て敵地での登板だ。
明日がこのプレーオフ最初で最後の、本拠地ドジャー・スタジアムでのマウンドとなる。

同時に、2012年にテキサス・レンジャーズに6年契約で入団したダルビッシュにとって、明日が6年間で最後の登板になる。

ダルビッシュのメジャー初登板は、2012年4月のシアトル・マリナーズ戦だった。
コントロールが定まらず初回に4失点する、波乱のデビュー戦。

それから5年半が経った今、ワールドシリーズ第7戦のマウンドに立つ。
こんなシナリオが待っていたとは、きっとダルビッシュ自身も思っていなかったことだろう。

ダルビッシュは今オフ、つまり明日の試合が終了後、自身初のFAになる。
日米の全ての球団と、自由に交渉できるようになる。
おそらくはメジャーの球団と、大型の複数年契約を結ぶことが予想される。

しかし今、考えるべきは明日の試合のことだけだ。

明日の第7戦ではドジャースのエース、クレイトン・カーショウもリリーフ登板に備えスタンバイする。
第4戦に先発したアレックス・ウッドや、リリーフで好投を続ける前田健太、絶対的守護神のケンリー・ジャンセンもいる。
ダルビッシュは初回からエンジン全開で、いけるところまでいくことになるだろう。

どんな結果になろうとも、その勇姿を見届けたい。
ワールドシリーズ第7戦は明日、日本時間の午前9時プレイボールだ。

 

 

Muneharu Uchino