ジーターCEOに批判殺到、試練のとき(前編)

Christopher Carelli

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野球における最高の舞台で、選手として20年間、デレク・ジーターのフィールド上でのパフォーマンスと振る舞いには全く問題がないように思えた。しかし、マイアミ・マーリンズの新たな共同オーナー、エグゼクティブ、CEOとして、ジーターはビジネスパーソンとしての資質を問われている。

ジーターは長年働いている人気の球団スタッフを解雇し、中には癌を患っているスカウトも含まれていた。ジーターはまた、ドミノを崩すかのように、チームの年俸削減のため昨季のナショナル・リーグMVP、ジャンカルロ・スタントンのトレードを画策している。

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少なくともここまでのところ、これらの動きはジーターの球界における地位や名誉を揺るがしている。

ジーターにとって、野球をプレーすることは自然なことだった。彼は勝利するために必要な努力をし、選手として頂点に立った。ジーターは成功し、ニューヨーク・ヤンキースのアイコンとしてチームを5度のワールドシリーズ優勝に導いた。

しかし、マーリンズを経営する立場になってから、ジーターの輝かしい名誉にはやや陰りが見える。違いは明確だ。選手時代とは違い、ジーターは十分な準備ができておらず、また彼を助けてくれる確固たるチームを築けていないのだ。

ジーターの決断は合理的に思えるが、彼が事を運んだプロセスは冷たく、非人道的にも思えた。

球団買収が完了してから1週間も経たないうちに、ジーターは「ミスター・マーリンズ」とも呼ばれる特別アドバイザーのジェフ・コナイン、かつてのマーリンズ監督であるジャック・マキーオン、殿堂入りを果たしたアンドレ・ドーソンとトニー・ペレスを解雇した。ジーターは彼らに仕事と給与を減らすことを提案したが、彼らはそれを拒んだ。

先週は、野球界で40年の経験を持ち、マーリンズで7シーズンを過ごしたスカウトのマーティー・スコットを解雇したことも明らかになった。彼は癌を患っており、病院のベッドで手術を受けたばかりだった。この話にはもう少し何かあるのかもしれないが、多くの人は疑問を抱かずにはいられないだろう。

マーリンズの新オーナーグループが、人件費を大幅に削減しようとしていることは驚きではない。ジーターらは、時間と現金を大幅に蓄えなければ組織の再建はできないことを理解している。スタントンは10年総額2億9500万ドルの契約をしている。現代野球では、ときに非情なチーム運営が機能することは証明されている。なぜジーターと彼の仲間たちが、同じようにしてはいけないのだろうか?

後編につづく)

Christopher Carelli