ザック・グリンキーがサインを明かしながらも打者を打ち取る

Jordan Heck

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ヒューストン・アストロズのザック・グリンキー投手は声明を発表しようとしていたのではなく、ただ素早く仕事を終わらせたかっただけだった。

8月12日(日本時間13日)の試合でグリンキーが投球サインを隠そうとしない様子がテレビ中継で映し出されると、人々の何人かはグリンキーが何かを主張しようとしているのだと考えた。その主張とは、次に来る球種か何か分かっていても、そう簡単には打てるわけではないということだ。サイン盗みスキャンダルで処分を受けたアストロズにグリンキーが所属していることから、その考えは理にかなった結論のように思われた。

だが、試合後にグリンキーは単に投球間隔を短くしたかっただけだと説明した。

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テキサス州ヒューストン地元紙の『Houston Chronicle』にグリンキーはこう語っている。

「ぼくはあまり時間をかけるのは好きじゃないのさ。特にランナーが2塁にいるときはね。だから何とか素早くする方法を見つけようとしている。今年はここまで上手くいっていた。だけど、今日は少しこんがらがってしまった」

「こんがらがってしまった」とは7回にグリンキーがサインを大声で叫んだときのことを指すようだ。

グリンキーがキャッチャーのマーティン・マルドナードに向かって、「1の後の2セット目」、「2の後の2セット目」と叫んでいるのが聞こえる。

今シーズンになってから、グリンキーはランナーが2塁にいるときに投球サインを隠さずに球種を伝えることを始めた。通常は指でシグナルを送る。例えば、下の動画でグリンキーがスライダーを投じる前に2本指を立てているように。

だが、この日の試合でマウリシオ・デュボーンを打席に迎えた時、グリンキーは少し苛立つことになった。

「今日はランナーが2塁にいたとき、こんがらがってしまい、思ったより時間がかかってしまった。その半分はぼくのせいだし、もう半分はマルディー(マルドナード捕手のニックネーム)のせいだ」とグリンキーは言った。

グリンキーはこの日の試合での作戦がかえって「ペースを落とす羽目」になってしまい、「複雑すぎた」かもしれないと認めた。だがグリンキー自身がその実効性に懐疑的であっても、マルドナードはこのやり方を好むようだ。

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「何回もサインに首を振られて試合のペースを落とさなくていいから、キャッチャーとしては歓迎だよ。グリンキーはせっかちだからね」とマルドナードはMLB公式サイトに言った。

グリンキーの狙いが何であったとしても、それは上手く機能している。シーズン最初の先発登板こそは乱れたものの、それ以降の試合では好投を続けているからだ。8月に入ってから、グリンキーは3試合に先発登板し、防御率は驚異の1.50、70人のバッターに対して16個の三振を奪っている。この日の試合でグリンキーは6回1/3を無失点に抑え、シーズン初勝利を飾っている。

(翻訳:角谷剛)

Jordan Heck

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Jordan Heck is a Social Media Producer at Sporting News. Before working here, he was a Digital Content Producer at The Indianapolis Star. He graduated with a degree from Indiana University.