【ア・リーグ新人王争い】米記者が予想、大谷翔平は何位?

Ryan Fagan

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ミゲル・アンドゥハー、大谷翔平、グレイバー・トーレス、ジョーイ・ウェンデルといったア・リーグ新人王候補について話す前に一言述べておきたい。

この賞の投票枠は広げる必要がある。現在、ア・リーグの15都市から2人ずつ記者が選ばれ、30人の全米野球協会所属の記者が3選手を投票している。MVP投票では10選手、サイ・ヤング賞では5選手のところ、新人王は3選手が選べないのだ。

5選手くらいに広げられないだろうか? 『New York Post』のジョエル・シャーマン記者がこれを数週間前に提案しており、私は全力で支持したい。今年は確実に3人以上が受賞候補なのだが、投票の仕組み上、全く投票されない選手が出てきてしまうのだ。

確かに通常のシーズンなら4人も1位票を獲得しそうな選手はいないだろう。しかしいいシーズンを送った選手に対して4位票や5位票を与えることに何か問題はあるだろうか? 無いはずだ。簡単に変更できることなのだから、ぜひ実現して欲しい。

ではルーキーについて話そう。今シーズン私はナ・リーグのサイ・ヤング賞で投票するため、新人王では投票権を持っていない。持っていたら以下の通り投票するだろう(どうせ仮想なので5選手選ぶことにした)。

1位 大谷翔平(エンゼルス)

全米野球協会史上、大谷翔平のような選手が投票されたことはいまだかつてない。MVPが導入されたのは1931年で、ベーブ・ルースがレッドソックスからヤンキースへ売られ、投手を断念しフルタイムで打者になってから10年以上後のことだ。新人王は1947年、サイ・ヤング賞は1956年に始まっている。ルース以来マウンドと打席でレギュラーとしてプレイした選手は存在しない。とてもユニークな状況であり、成績だけでは判断できないことだろう。

もし大谷が平均的な投手、もしくは打者だった場合、彼に1位票を投じることはなかっただろう。しかし彼は平均どころか素晴らしかったのだ。

350打席以上立ったア・リーグ打者のなかで、大谷はマイク・トラウト、ムーキー・ベッツ、JD・マルティネス、アレックス・ブレグマン、マニー・マチャドに次いでwRC+で6位だったのだ。そのリストには4人のMVP候補と7月にナ・リーグにトレードされたスーパースターが含まれている。確かにDLで過ごした期間もあったが、.930 OPSは他の新人に比べて大幅に高く、アンドゥハーの27本塁打に対して大谷は237打席少ないながらも22本打っている。

10度の登板では9イニング平均で10.97奪三振、6.62被安打、1.05被本塁打という数字を残した。ア・リーグの投手で今シーズンこの数字を上回った3投手は誰だか分かるだろう? サイ・ヤング賞候補のクリス・セール、トレバー・バウアー、ゲリット・コールだ。

大谷はどちらの役割でも素晴らしい結果を残した。彼こそがア・リーグ新人王だ。

2位 ミゲル・アンドゥハー(ヤンキース)

数字的に見ればアンドゥハーが多くの投票者の1位にリストアップされてもおかしく無い。27本塁打、打率 .296、.853 OPS、43二塁打ととても生産性の高いシーズンを送った。そしてニューヨークというスポットライトの下でプレーし、ケガで空いた三塁を守り、ポジションをしっかりと自分のものにした。今年はメジャーでインパクトを残す選手ではなかったはずなのだが、彼の躍進は今シーズンのヤンキースの結果に大きく影響した。

3位 グレイバー・トーレス(ヤンキース)

アンドゥハーと違って、トーレスはルーキーとして活躍を求められており、実際結果を残した。数年前のカブスとのアロルディス・チャップマンのトレードでヤンキースが獲得した若手は、120試合で23本塁打、打率 .274、.820 OPS、117 OPS+を記録。ランナーが得点圏にいた時は打率 .311、.937 OPSと特に良い。「重要な局面」では打率 .356、1.028 OPSを記録している。とにかく素晴らしいのだ。守備でも優れているため、彼のbWAR(2.8)はアンドゥハー(2.0)よりも高い。

4位 ジョーイ・ウェンデル(レイズ)

最初にあげた3人は本当に素晴らしいシーズンを送った選手たちだ。それでもレイズの28歳のルーキーであるウェンデルはbWARでア・リーグのルーキートップなのだ。彼の4.4は大谷(打者として2.7、投手として1.3)、トーレス(2.8)、アンドゥハー(2.0)よりも高い。オフシーズン中にアスレティックスからレイズにトレードされたウェンデルは、シーズン最初の月に打率 .329を記録し、レギュラー入りした。二塁手として85試合、三塁手として15試合、左翼手として13試合、遊撃手として7試合に先発出場している。その万能性がプレイタイムを確保し、シーズンが進むにつれ成長を見せた。シーズン前半を打率.283、.725 OPSで終えたウェンデルは、オールスター後は打率 .322、.871 OPSという数字を残したのだ。

5位 ブラッド・ケラー/ライアン・オハーン(ロイヤルズ)

どうせ仮想票なので同率もあってもいいよね? そしてア・リーグで今シーズン最も驚きだった2人をここで取り上げたい。ダイヤモンドバックスのハイAで防御率4.47、ダブルAで防御率4.68を記録していたここ数シーズンで、ケラーに注目している人は誰もおいなかっただろう。レッズが彼のルール5ドラフトで指名すると、すぐさまロイヤルズにトレード。2カ月をロイヤルズのブルペンで過ごし、22度の登板で防御率2.13と安定した活躍を見せた。そのおかげで6月上旬にはローテーション入りし、それ以来は不動だ。6月からの月ごとの防御率は2.38、5.46、2.89、2.33。20度の先発での防御率は3.28。その他のロイヤルズの139試合では、先発投手たちは合わせて防御率5.17を記録している。

そしてオハーンも同じくらい驚きだ。2014年にロイヤルズに8巡目で指名されたオハーンは、2018シーズンは当初トリプルAでプレーしていた。そして大して活躍していたわけでもないのだ。100試合で11本塁打、.232/.322/.391、.713 OPSといういたって普通の数字を残していた。それでもメジャーに昇進し、7月最終日にMLBデビューを果たした。その試合でホームランを放って以来、メジャー投手を相手に大活躍。41試合でトリプルAで打った本塁打数字を超え(12本)、.991 OPS、166 OPS+という数字を残しているのだ。なぜかは分からない。

原文:AL Rookie of the Year race: Shohei Ohtani, outstanding hitter and pitcher, is the choice
翻訳:Reo Onishi


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Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.