シカゴ発。オールスターゲームの1日後、ジョー・マドンはハビアー・バイエズとのメールのやり取りで忙しかった。オールスターブレイク後、カブスは他のチームよりも1日早く試合が再開するため、翌日の先発に起用すべきかどうかをバイエズ自身から知る必要があったのだ。
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バイエズは最初、屈強にも翌日のカージナルス戦に出られると、ジョン・ウェインのように振る舞ったとマドンは言う。しかし、監督から説得され、バイエズは翌日を休養に充てることを了解した。ホームランダービーに参加し、オールスターゲームでは1番を打った彼には休みが必要だったのだ。
2015年以来、カブスは球界で最も後半戦に強いチームだ。今年のオールスターブレイク後の試合を除けば、後半戦の成績は150勝73敗で勝率6割7分に値する。この期間で次に良い成績のチームは6割1分5厘のインディアンズだ。マドンとチームのメンバーは、この成功の鍵は若さと休養だと言う。
「我々は早い段階で疲労を回避しています」とマドンはスポーティングニュースに語った。「それは計画的にやっています」。
ラインアップをよくいじる彼のやり方に対して、ファン、そして解説者さえも抗議の声をあげることがある。しかし、この愚の骨頂に見えるやり方にも手順があるのだ。マドンは、選手たちが疲れ果てることにならないように、よくそういうやり方をすると言った。彼は選手たちが日々どういう気分でいるかを把握しながら、クラブハウスを慎重に管理している。マドンは先週18日にバイエズとしたように、選手たちのプレーの準備に対する自分の判断が正確であるかどうかを確かめるために、定期的にメールのやり取りをしているのだ。
「ジョーは選手を休ませることに関してすばらしい手腕を発揮している」とアディソン・ラッセルはスポーティングニュースに語った。「彼はオープンな方針を貫いているので、体が疲れ切っていたら、彼に話せるし、出場するかどうかについて話し合いを持つことができるんだ」。
そして、その方針は全員に対して、中でも新しいメンバーに対して明確になっている。16日木曜日の夜のトレードでカブスが獲得したジェシー・チャベスは、土曜日にチームに合流した。マドンとの最初の会話は、コミュニケーションの重要性に集中していたと彼は言う。
「休みが必要な時は正直に言いなさい」とチャベスは、最初の会話でマドンが伝えたことを要約した。
スター選手たちに休養を取ることを納得させるのは、マドンにとってデリケートな仕事だ。一般的にアスリートには欠場したいという考えは思考回路に組み込まれていないからだ。しかし、ラッセルは、マドンの豊富なコーチと監督経験がクラブハウスの流れを把握することに役立っていると言う。マドンは2006年以来フルタイムで監督を務め、1979年以来何らかの形でコーチを務めてきた。
2016年にマドンがいるカブスに加入したベン・ゾブリストは、2006年から2014年においてもマドンの下でプレーした。彼はラッセルの言葉に同意し、後半戦にカブスが勝つ大きな要因は休養十分のロースターメンバーがいるからだと言う。マドンはこういうことに関して、レイズに在籍していた時よりも更に上手くなったかもしれないとゾブリストは言った。
「ジョーは、僕がタンパベイにいた時よりも、選手を休ませることを非常に意識しているからかもしれない」と彼は言う。「でも、特に野手において、エネルギーいっぱいの若い選手が多くいれば、彼らの方が全体的にフレッシュなので後半戦に良い成績を残すことが楽になる」。
チームの若さは確かにマドンの努力を助ける。彼がカブスを率いた最初のシーズン、2015年の40人ロースターの平均年齢は26.7歳だった。その年、チームは97勝したが、そのうち50勝は後半戦で挙げた。そのことが、2008年以来となるポストシーズン進出につながった。次のシーズンは勝率6割2厘からオールスターブレイク以降6割8分5厘へと上昇し、2017年には、4割8分9厘から6割6分2厘へと飛躍した。そして、3シーズンが経過したことやロースターの変化があったにもかかわらず、今シーズンのカブスの平均年齢は26.9歳とほとんど変わっていないのだ。
若手選手の中には多くのタレントがおり、これもまたマドン監督の支えとなる。外野はイアン・ハップとアルバート・アルモーラを交代で起用でき、トミー・ラステラを必要に応じて起用することでゾブリストの負担を減らすこともできる。ハップとアルモーラはそれぞれ1.6 と1.7のfWARを記録しており、ラステラでさえも代替レベル得点をわずかに上回っている。これは、スタメンの選手たちに休みを与えても勝ち続けられる余裕をマドン監督に与えている。ゾブリストは、そうした勝利が後半戦の勢いを加速させると話した。
2017年のカブスはポストシーズン進出のために全力を尽くさねばならず、その結果ポストシーズンではガス欠してしまった、と彼は話した。しかし、今年はオールスターブレイク前にブルワーズに大差をつけられることもなく首位についたため、カブスがワールドシリーズ制覇を果たした2016年と同じような雰囲気を感じているという。
プレーオフ争いが迫ってくるにしたがって、後半戦にはまた別のエネルギーが湧いてくる。それは最初の数か月、試合数がいきなり増加することによって苦戦することもある前半戦とは、対照的なエネルギーだ。
「5月のシンシナシティで試合をすると、スタンドにはほとんど人がいないんだ。それはまるで『大丈夫。気ままにプレーしろ』といった感じさ」ジョン・レスターはそう話した。
しかし、レスターは以下のように付け加えた。後半戦はポストシーズンに向けたアドレナリンの波に乗ってスタートできることがあり、ここ数年その順位を経験しているチームは特にそうなりやすいのだという。
「精神的に、もう一度高みに登るような感じさ」彼はそう話した。「照明がついて、今こそ何かやってやらなくちゃってね」。
過去の後半戦の成功は、今年のカブスがもう一度それをやってのけると保証するものではないが、マドン監督はこれまで同じ方法を採用してきた。彼は豪華な若手と選手層の厚さに恵まれているため、ロースター上の選手を疲弊させることなく勝利に集中できるだろう。
「ベンチメンバーは非常に優れている」マドン監督はそう話した。「これだけ適格な人材が揃っていれば、選手たちに休みを与えるのも簡単だ」
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原文:Why Joe Maddon's Cubs have been a strong second-half team
翻訳:日本映像翻訳アカデミー