その名に恥じない、ブルージェイズ有望株の二世選手たち【後編】

Nick Stellini

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もう一人のスター二世はカヴァン・ビジオ内野手。アストロズでプレーし、殿堂入りを果たしたクレイグ・ビジオの息子だ。去年、ビジオはブルージェイズ傘下チーム、A+級のダニーデンで苦戦し、今年も出遅れている。しかし、2016年のドラフト5巡目で指名されたのは父親の七光りだけではない。メジャーリーグへの道のりは決して平坦なものではなく、ビジオも軌道修正する必要がでてくるだろう。球団も彼の才能を信じていなければ、2A級で起用するはずがない。

※本記事トップ画像は、2007年、殿堂入りのクレイグ・ビジオが3000本安打を達成した日に家族と写った一枚。一番右が、現在フィッシャーキャッツ所属の内野手、カヴァン・ビジオ。

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チームにはドラフト1巡目で指名したマックス・ペンテコスト捕手とジョン・ハリス投手、そしてドラフト2巡目で指名されたショーン・リードフォリーもいる。センターのジョナサン・デイヴィスは動きが速く、アイコンタクトも優れている。ジョーダン・ロマーノ右投手の投球には安定感がある。

シュナイダー監督はロースターの層の厚さに期待を寄せている。

「去年、コナー・パナスはフロリダ・ステートリーグで21本塁打の成績を残し、ガナー・ハイトは同リーグでオールスター戦に出場した」とシュナイダー監督は話した。

「アンドリュー・ケースも、このリーグのオールスターに選出されたことがある。良いチームだ。ビシェットとゲレーロの2人が周囲から高い関心を集めているのも好都合だ。彼らが注目を集めれば、自ずと他の選手にも視線がいくだろう」

彼の発言はあながち間違ってもいない。デイヴィスのような選手は、若手選手の視察団の間でも広く知られることはあまりないが、ビシェットとゲレーロを見に来たとなれば、彼の姿も目にすることになる。フィッシャーキャッツに所属しているのは2名のスター選手だけではない。イースタンリーグを勝ち抜くために、選りすぐりの選手たちが集められているのだ。

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当然のことだが、ファーム・チームの将来性というのは所属リーグでの勝ち星の数で測れるものではない。もしゲレーロやビシェットのような選手が際立った成績を残せば、彼らはチームを離れ、3Aのバッファロー・バイソンズへと昇格することになる。ファーム・チームの最優先事項は、目先の勝利よりも未来のメジャーリーガーの育成なのだ。ゲレーロが数か月で次のチームへ昇格することは想像に難くない。ビシェットもそのすぐ後に続くだろう。

このままブルージェイズに長く在籍することになれば、2人は同じ境遇を過ごしていくことになる。彼らは同時期に野球界に突如として現れた。また、彼らは友人同士だ。打撃練習のとき、ビシェットはゲレーロの広い肩に腕を回して冗談を言い合っていた。モントリオールのオリンピック・スタジアムで開かれた春季キャンプの最終試合にて、ゲレーロがサヨナラホームランを放った際には、ネクストバッターズサークルにいたビシェットは、観客席に飛び込む打球と同じぐらい高く飛び跳ねてゲレーロを称賛していた。

あと数か月のうちにジョシュ・ドナルドソンがブルージェイズと再契約を結ぶかどうかについては、まだ判断が付かない。しかし、もし再契約を結ぶとなっても、彼がチームの顔でいられる期間はそう長くはないだろう。ブラディミール・ゲレーロ・ジュニアは、一世代に数人と呼べるほどの突出した才能を持つ選手だ。彼の父はカナダにあるマイナーチームで活躍した。近いうちに彼も同様のことを成し遂げるだろう。

ブルージェイズには、ゲレーロの陰に隠れているがメジャー有数の若手選手となり得る選手が多く在籍している。その中の数人はすでにメジャーのロースターに名前を連ねている。マーカス・ストローマンとアーロン・サンチェスは、ゲレーロがメジャーの舞台に立つ頃にはロベルト・オスーナのような活躍を見せているかもしれない。また、高い評価を受けている若手外野手のアンソニー・アルフォードは、すでにメジャー初ヒットを記録している。

これらの選手と同様に、ビシェットもゲレーロとともに頭角を現すだろう。フィッシャーキャッツはゲレーロだけのチームではないが、彼は組織の中で最も重要な選手だ。チームの将来は彼にかかっている。彼はその役を担っているのだ。

ゲレーロとビシェットというファミリーネームの重さは、彼らや、その他のブルージェイズの選手にとって重圧にはならない。ただ、周囲の期待を高めているだけだ。

原文:Vladimir Guerrero Jr., Bo Bichette lead Blue Jays prospects carving own names amid family shadows
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Nick Stellini