【格闘技】やっぱり強い メイウェザーが那須川天心を初回KOで粉砕

Sporting News Japan Staff

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メイウェザーが那須川天心に圧勝

世界中が注目する“いわくつき”の試合が12月31日、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで行われた。去る11月5日、大晦日の格闘技大会『RIZIN.14』の記者会見が開かれ、目玉カードとして、50戦無敗の5階級覇者にしてボクシング界のスーパースター、フロイド・メイウェザーと、日本が誇る天才キックボクサー・那須川天心のドリームマッチが発表された。世界でもトップニュースとして扱われた。

ところが、その数日後にメイウェザー側が「(公式戦ではない)エキシビションだと聞いていた」として一方的に試合中止を表明する。もっとも、これがいつものメイウェザーだった。2017年に実現したUFCのコナー・マクレガーとのボクシングマッチもなかなか試合実現に至らず、ファイトマネーの釣り上げなどが囁かれた。それ以前のマニー・パッキャオとの“世紀の一戦”も紆余曲折を経て行われている。本当にやるのかやらないのか……自分の価値を知る“マネー”ことメイウェザーのやり方だ。

今回も来日するのか周囲をやきもきさせ、那須川が試合でキックを繰り出せば、約5億円の罰金が発生するというオプション条約も話題になった。試合当日には一向に会場入りしないという映像がTV中継中に度々流された。会場到着後も、自分が遅刻したにもかかわらず、那須川にバンテージの巻き直しを強制するなど、戦前の「すべてのルールは俺に委ねられている」という言葉通り、まさにやりたい放題だった。

この試合について「エンターテイメント」と断言していたメイウェザーに対し、那須川は米国で3階級覇者ホルヘ・リナレスらとボクシング修行を敢行。「メイウェザーにパンチを当てる。世界を変える」と意気込みを見せた。

ルールはボクシング、3分3ラウンド、判定決着なし。4kg近い体重差からメイウェザーは10オンス、那須川が8オンスのグローブを使用する。50人近い取り巻きを引き連れて登場したメイウェザーは、アメリカ国家独唱の間もゴキゲンだった。ゴングが鳴ってからもつねに笑顔だった。

那須川の左が当たったかに見えたが、メイウェザーがパンチを繰り出す度に衝撃が走った。打ち合いからの左フックで最初のダウンを奪うと、さらに右のフックで那須川の足がもつれる。3度目のダウンで試合が止められ、初回KOという圧倒的な結果に終わった。

メイウェザーは那須川のファイトを称え、退場中にサインに応えるなどフレンドリーな面を見せ、終わってみればスーパースターらしい姿を見せつけた。

メイウェザーが那須川天心のファイトを称えて自分に渡されたトロフィーを手渡す

▲体重を考えれば当然の結果とも言える中、メイウェザーは那須川天心を称えた。

“日本MMA界の星”堀口恭司がベラトール王者に逆転勝ち!

実質的なメインイベントとなるのが、元UFCファイターでRIZIN・MMA部門の顔役である堀口恭司 vs. ベラトール世界バンタム級王者ダリオン・コールドウェルとの一戦だ。コールドウェルは、レスリングのエリートであり、堀口のキャリアの中でも闘ったことのないタイプだ。例え離れてもリーチで20cm近い差があり、速くて大きい踏み込みで知られる堀口にとっても不利は否めない。

コールドウェルは1ラウンドからその堀口の強みを潰すように組みつき、寝技で速攻を狙った。だが、ベラトールでやり慣れている全面ケージ(金網)ではなく、ロープが張られただけの四角いリング内での闘いということでかコールドウェルも決めきれない。これが勝機につながったのか、最終ラウンド、コールドウェルが堀口の打撃に合わせてテイクダウンを取ったその瞬間、場内から悲鳴が上がるも堀口自身は冷静だった。

堀口がフロントチョークで鮮やかに切り返すとコールドウェルはたまらずタップアウト。堀口が鮮烈な逆転勝利でRIZIN初代バンタム級王者となった。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。