酔っ払いがトイレの上を爆走! ピムリコ競馬場の風物詩【後編】

Steve Petrella

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これらの多くは今日も続いているが、全ての常連客に酒類の持ち込みを禁じ、アルコールを競馬場で買わせるようにしたことが、少しは状況を変えた。20ドルでマグカップを購入させ、ビールを飲み放題にした。 客は 2杯目を求め、行列をつくる。それが一日中続くのだ。一気飲みなど行うチャンスはないと言っていい。強い酒が欲しければ、こっそり持ち込むしか手段はない。クーラーもなくなり、一部の人にとってはもはや楽しみがなくなってしまったも同然だ。

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常連客の失望は、プリークネスの入場客数が約40パーセント減少したことに表れたが、2010年からは、内馬場で“インフィールド・フェスト”というパーティーを開催、入場客数は上昇に転じ、2012年には記録を更新した。フェストではミュージカル俳優が登場し、ライブがあり、半分ケンタウロス、半分酔っ払いという謎のキャラクター“ケガサス”がイメージキャラクターを務め、ビールは飲み放題だ。人々は今も酒を飲んでいるし、プリークネスの内馬場は今も巨大なパーティーだが、ある程度おとなしくなった。

「包帯を剥がして、再構築しなければならないような感じでした」と、メリーランド州の弁護士で元政治家、2009年にピムリコの酒類持参を禁止する方針に反対する法案導入を手伝ったトッド・シュラーは電話で語った。「というか、あのあと彼らが使ったマスコットを見ましたか?」

ケガサスのモットーは“2分間のレースを祝うための10時間のパーティー”。つまり、シュラーが指摘したように、プリークネスの主催者がその本質を完全に変えてしまいたくなかったことは明らかだ。ほとんどの人は、プリークネスがケンタッキーダービーのような優雅さや力強さを持つことは決してないことを知っている。むしろ正反対であり、それが多くの中部大西洋沿岸地域の大学生世代の若者を強く引きつけているのだ。

「クーラーの上に立って、女の子たちが服を脱ぐのを見る。振り向けば、ケンカをしている。さらに振り向けば、警官が誰かを撃っている」とシュラーは言う。「常軌を逸した雰囲気でした。これ以上危険な場所はなかったし、しかも、これはトイレの上を走るより前のことです」。

トイレを走る時代より前にさかのぼって話をするシュラーは、プリークネスの放蕩ぶりを見てボルティモアで育った。それはインターネットで注目される前から全開だった。そして、プリークネスの酒類持参の方針を支持することは、彼の政治的立場を傷つけもしなければ、助けもしなかったと付け加えた。

「(法案は)内馬場の酒飲みのための気晴らしでした」と、彼は笑いながら言う。

2008年よりあとは、トイレの上を走るビデオはほとんど存在しない。この2011年のビデオも、その数年前のビデオのような奇抜な迫力は見られない。全てのビールは樽口からマグカップに注がれるため、投げる缶もない。そして、人々がその上を走ることを防ぐために、ほとんどのトイレは間隔を置いて配置されている。

プリークネスは今も、この種の雰囲気を楽しむ多くの人にとってのパーティーである。酒がなくなることはない。ノースリーブの男たちはケンカをやめていない。しかし、後片付けは数年前とは比べものにならないほど改善されている。

それは仮設トイレの上を走るバカ騒ぎの消滅によるところが大きい。放蕩ぶりは相変わらず続いているが、少し形を変えてきたのだ。

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原文:The Preakness: Remembering Pimlico infield's 'Running of the Urinals'

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Steve Petrella