2022年12月25日、中山競馬場で有馬記念(GⅠ/芝2500m)が行われる。今でこそ2歳GⅠのホープフルステークスがこの後に控えており、中央競馬の締めくくりのGⅠではないだが、世間の認知度は一番。年末の大レースである。
競馬の祭典・日本ダービーが控えているダービーウィークでは、ファンのみならず陣営の高揚感や緊張感の高まりがすさまじい。有馬記念ウィークでもあらゆるところでレースの広告や宣伝がなされる。また近年は枠順抽選会もあり、ファン心理としてもいよいよ暮れの総決算が控えていると感じられるものとなっている。
今回は有馬記念が行われるコースの特徴、レースラップの特徴、さらに過去の好走血統について分析していく。
■予想・分析①:コースの特徴
中山芝2500mは内回りコースで、コーナーを6回周る。スタートは外回り3コーナー地点からとなる。最初のコーナーまでは192mしかなく、外枠だとかなり外に振られるため、距離ロスが生じやすい。有馬記念は外枠不利とされる理由の1つだ。
直線入り口から中山競馬場名物の急坂を上り、上り坂は1コーナー後半まで続く。2コーナーから下りに入り、向こう正面半ばまで下り坂。その後はしばらく平坦で、2周目3コーナーに入り、4コーナー、そして、293mと短い直線とへ続いていく。
直線は短く急坂のあるコース。この坂をこなすパワーも必要であるが、コーナーを6回のため、器用さも求められる。
■予想・分析②:レースラップの特徴
過去10年の平均では、前半1000mは61秒0、後半1000mは60秒2と、後傾ラップになっている。直線が短く後傾ラップになりやすいので、後方一気はなかなか決まりにくいレースだ。
また、長めの距離のレースなので残り1000mあたりからレースが動き、後傾ラップになりやすい。残り1000mあたりからペースアップすると、各馬長く脚を使う必要がある。つまり、持続力が求められるレースになりやすい。
ただし、逃げ馬のペースによってはかなりレースの質が変わってくる。昨年はパンサラッサがいたのでペースも速くなったが、今年はハイペースを刻む逃げ馬がいない。昨年はむしろ前傾ラップのレースで、かなりスタミナ比べの様相になった。今年は例年の傾向に近い、スピードに加えて持続力が求められそうだ。
■予想・分析③:好走血統、不振な血統
ディープインパクト産駒は多数出走しているが、大体毎年馬券に絡んでいる。母父の系統は、ニジンスキー系やダンチヒ系であることが多い。ディープインパクト産駒で当てはまる馬がいた場合は、人気がなくても狙ってみて面白いだろう。
ディープインパクト産駒やディープインパクト系に限らず、ニジンスキー系やダンチヒ系が入っている場合、好走率が上がる傾向にあるので、注目してみると良いだろう。また、父か母のどちらかが欧州血統の馬が多数好走しているが、序盤がスローで後半勝負になりそうな年の場合、母系がフランス系の血統だと良さそうだ。
近年はステイゴールド系が不振。ステイゴールド産駒自体はすでにおらず、その後継種牡馬になるオルフェーヴル産駒やナカヤマフェスタ産駒、ゴールドシップ産駒は、まだこのレースで一度も馬券に絡んでいない。2014年に路盤改修が行われ、以前よりタフさの要求度が薄れ、ステイゴールド系の優位性が下がったのだろう。ステイゴールド系だからといって無下に食いつくのは避けたい。
■まとめ
今回の分析をまとめると……
- 急坂があり、直線が短い(急坂への対応力と器用さが必要)
- 後傾ラップになりやすく、残り1000mあたりからペースが上がりやすい(持続力が求められる)
- 欧州血統内包馬の活躍が目立つ(ニジンスキー系やダンチヒ系内包馬の活躍が目立つ)
日本中から注目を浴びるグランプリレース・有馬記念。普段競馬に関心がない人でも、このレースだけは馬券を買うという人も多い。人気の盲点となっている馬の好走も考えられるので、それぞれのファクターから年末の風物詩を楽しみたいものだ。
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