2023年5月28日、東京競馬場で日本ダービー（東京優駿／GⅠ／芝2400m）が行われる。JRAは開催に先立ち、出走馬と枠順を発表。ソールオリエンス、スキルヴィング、ファントムシーフ、タスティエーラ、サトノグランツらの出走が確定した。
今回は発表された出走予定馬と枠順・馬番を確認していく。
さらに過去10年の枠順データから、有利な枠、不利な枠の傾向を導き出していく。果たしていい枠を引いた馬、反対に枠順に恵まれなかった有力馬はいるのか。
■2023年：日本ダービーの出走馬・枠順
※枠・馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 厩舎
1枠1番 ベラジオオペラ 牡3 ┃ 57kg 横山和生 (栗)上村洋行
1枠2番 スキルヴィング 牡3 ┃ 57kg C.ルメール (美)木村哲也
2枠3番 ホウオウビスケッツ 牡3 ┃ 57kg 丸田恭介 (美)奥村武
2枠4番 トップナイフ 牡3 ┃ 57kg 横山典弘 (栗)昆貢
3枠5番 ソールオリエンス 牡3 ┃ 57kg 横山武史 (美)手塚貴久
3枠6番 ショウナンバシット 牡3 ┃ 57kg M.デムーロ (栗)須貝尚介
4枠7番 フリームファクシ 牡3 ┃ 57kg 吉田隼人 (栗)須貝尚介
4枠8番 メタルスピード 牡3 ┃ 57kg 津村明秀 (美)斎藤誠
5枠9番 グリューネグリーン 牡3 ┃ 57kg 石川裕紀人 (美)相沢郁
5枠10番 シャザーン 牡3 ┃ 57kg 岩田望来 (栗)友道康夫
6枠11番 ハーツコンチェルト 牡3 ┃ 57kg 松山弘平 (美)武井亮
6枠12番 タスティエーラ 牡3 ┃ 57kg D.レーン (美)堀宣行
7枠13番 シーズンリッチ 牡3 ┃ 57kg 戸崎圭太 (美)久保田貴士
7枠14番 ファントムシーフ 牡3 ┃ 57kg 武豊 (栗)西村真幸
7枠15番 ノッキングポイント 牡3 ┃ 57kg 北村宏司 (美)木村哲也
8枠16番 パクスオトマニカ 牡3 ┃ 57kg 田辺裕信 (美)久保田貴士
8枠17番 ドゥラエレーデ 牡3 ┃ 57kg 坂井瑠星 (栗)池添学
8枠18番 サトノグランツ 牡3 ┃ 57kg 川田将雅 (栗)友道康夫
■過去の枠順傾向は？
枠番：着別度数｜勝率 連対率 複勝率
１枠：3- 2- 1-14/20｜15.0% 25.0% 30.0%
２枠：1- 1- 3-15/20｜5.0% 10.0% 25.0%
３枠：1- 0- 1-18/20｜5.0% 5.0% 10.0%
４枠：0- 2- 1-16/19｜0.0% 10.5% 15.8%
５枠：1- 1- 0-18/20｜5.0% 10.0% 10.0%
６枠：1- 2- 2-15/20｜5.0% 15.0% 25.0%
７枠：2- 1- 1-25/29｜6.9% 10.3% 13.8%
８枠：1- 1- 1-27/30｜3.3% 6.7% 10.0%
過去10年、全ての枠で馬券に絡んでおり、特に1枠の成績が優秀となっている。
では、次に過去10年の馬番別成績を見てみよう。
馬番：着別度数｜勝率 連対率 複勝率
１番：2- 2- 1- 5/10｜20.0% 40.0% 50.0%
２番：1- 0- 0- 9/10｜10.0% 10.0% 10.0%
３番：1- 0- 3- 6/10｜10.0% 10.0% 40.0%
４番：0- 1- 0- 9/10｜0.0% 10.0% 10.0%
５番：1- 0- 0- 9/10｜10.0% 10.0% 10.0%
６番：0- 0- 1- 9/10｜0.0% 0.0% 10.0%
７番：0- 1- 1- 7/ 9｜0.0% 11.1% 22.2%
８番：0- 1- 0- 9/10｜0.0% 10.0% 10.0%
９番：0- 1- 0- 9/10｜0.0% 10.0% 10.0%
10番： 1- 0- 0- 9/10｜10.0% 10.0% 10.0%
11番：0- 0- 2- 8/10｜0.0% 0.0% 20.0%
12番：1- 2- 0- 7/10｜10.0% 30.0% 30.0%
13番：1- 1- 1- 7/10｜10.0% 20.0% 30.0%
14番：1- 0- 0- 9/10｜10.0% 10.0% 10.0%
15番：0- 0- 0-10/10｜0.0% 0.0% 0.0%
16番：0- 0- 0-10/10｜0.0% 0.0% 0.0%
17番：1- 0- 0- 9/10｜10.0% 10.0% 10.0%
18番：0- 1- 1- 7/ 9｜0.0% 11.1% 22.2%
馬番別では、1番が勝率、複勝率共に優秀な成績となっており、馬番1番を引いた馬は本番では有利な傾向がある可能性が高い。
次に5番人気以上を対象にした、過去10年の馬番別成績を見てみよう。
枠番：着別度数｜勝率 連対率 複勝率
１枠：2- 2- 1- 2/ 7｜28.6% 57.1% 71.4%
２枠：1- 1- 0- 1/ 3｜33.3% 66.7% 66.7%
３枠：1- 0- 0- 5/ 6｜16.7% 16.7% 16.7%
４枠：0- 2- 0- 5/ 7｜0.0% 28.6% 28.6%
５枠：1- 1- 0- 2/ 4｜25.0% 50.0% 50.0%
６枠：1- 2- 1- 4/ 8｜12.5% 37.5% 50.0%
７枠：2- 1- 1- 5/ 9｜22.2% 33.3% 44.4%
８枠：1- 1- 1- 3/ 6｜16.7% 33.3% 50.0%
過去10年で6頭が馬券に絡んでいる1枠だが、6頭中5頭は上位人気に支持されていたことがわかる。単純に内枠を引いた馬が有利というわけではなく、馬の実力も重要だ。
同様に5、7、8枠に関しても、馬券に絡んだ馬は全て上位人気に支持されていた。特に外枠となる7、8枠は人気薄が馬券に絡んでいないことから、本番で外枠は若干不利な枠と考えてよいだろう。
逆に、2枠は6番人気以下の馬券絡みが3頭と最多であり、穴で狙うなら2枠が有利か。
まとめると以下の傾向がある
・極端に不利な枠順はない
・馬番1番が有利だが人気も重要
・穴では2枠が最も優秀
■2023年のレース展望、枠順考察
今回人気の中心になりそうな皐月賞馬ソールオリエンスは、3枠5番を引いた。
皐月賞は後方から上がり最速の末脚で勝利を飾ったが、本来先行脚質の同馬にとってやや内枠よりの3枠は有利な枠と言える。鞍上の横山武騎手は2年前に1番人気エフフォーリアに騎乗したが、ハナ差2着に敗戦。1番人気に支持される可能性の高い今年は、ダービー初制覇に向けて2度目のチャンスとなる。
同じく人気を集めそうなスキルウイングだが、こちらは1枠2番の絶好枠を引いた。
前走のGⅡ・青葉賞では後方から上がり最速の末脚で勝利を飾った。そして今回上位人気に支持されそうな馬の中で、最も内の枠を引いた形となっている。過去に1度も本番で勝ち馬のいない青葉賞組だが、有利な枠順が追い風と練りそう。さらに皐月賞3着馬ファントムシーフではなく、C.ルメール騎手がこの馬に騎乗する点は好材料といえる。
同じく人気を集めそうなタスティエーラは6枠12番、ファントムシーフは7枠14番を引いた。
両馬共に騎手変更となる今回だが、先行脚質のため外目の枠は若干不利な枠といえる。ただ、皐月賞ではタスティエーラは先行勢不利の中で2着、また1番人気に支持されたファントムシーフは向正面で落鉄の不利がある中で3着に粘るなど、両馬の実力は確かだ。今回巻き返す可能性は十分にある。
枠順から人気薄の中で不気味なのが、2枠4番を引いたトップナイフだ。
ここまで出走キャリア9戦、今回の出走メンバー中最多のキャリア。どの位置でも競馬ができる自在性がこの馬の持ち味だ。7着に敗れた皐月賞は後方からの競馬となったが、2枠を引いた今回は積極策が期待される。枠順の利を活かした好走に期待したい。
