2022年10月30日、東京競馬場で天皇賞（秋）（GⅠ／芝2000m）が行われる。週中には美浦、栗東の各トレーニングセンターで出走予定馬たちが調教・最終追い切りを行った。
前走・日本ダービー（GⅠ）では2着と好走し今回は初のGⅠ勝利を目論むイクイノックスを筆頭に、前走・札幌記念（GⅡ）を完勝したジャックドール、昨年のダービー馬で1年ぶりに日本でのレースに臨むシャフリヤール、強力な末脚が魅力のダービー4着馬ダノンベルーガ、今年の皐月賞（GⅠ）勝ち馬ジオグリフらが出走を予定。各馬はどんな状態にあるのか。実力が拮抗している重賞レースだけに、当週のコンディション、状態によって着順は入れ替わってくることが予想される。
馬券を買う上でも各馬の状態は重要なファクターの一つ。今回は上位人気が予想される馬を中心に最終追い切りの様子を振り返っていく。
■最終追い切り動画
▼【イクイノックス】 木村哲也厩舎
10月26日 美浦・南ウッドチップコース 良
6F69秒6 - 4F54秒1 - 3F38秒6 - 1F11秒5
評価:B＋
3頭併せ馬。調教助手が騎乗し馬なりから終いに軽く追われた。
手前を替えてからの伸びが素晴らしく、まさに絶好調。また気合い乗り充分で精神面も良好だ。前走と比較しても成長が感じ取られる仕上がりで、初のGⅠ勝利に期待を抱かせる。
▼【ジャックドール】 藤岡健一厩舎
10月26日 栗東・Cウッドチップコース 良
6F87秒8 - 5F71秒0 - 4F54秒7 - 3F38秒8 - 1F11秒9
評価:B
単走。藤岡佑介騎手が騎乗し馬なりから終い重点の追い切りとなった。全体的に軽めの追い切りとなったが、直線で追われると鋭い反応を見せ状態は良さそうだ。
ただ好調時と比較するとやや劣る印象。現状でどこまでやれるか。4走前の白富士ステークスでは、今回と同じ東京2000mを好タイムで勝利しておりコース適性は高い。スタートセンスがあり常に先行することができる脚質であるため、大きく崩れることは考えづらく安定感のある馬だ。
▼【シャフリヤール】 藤原英昭厩舎
10月26日 栗東・坂路コース 良
4F53秒0 - 3F37秒8 - 2F24秒2 - 1F11秒9
評価:C
単走。C.デムーロ騎手が騎乗し馬なりから終い重点の追い切りとなった。追われてからの反応鋭く、加速ラップを踏めており状態は良さそうだ。
ただ、軸がブレているような走り方をしているのは大きな割引きが必要。真っ直ぐ走ることができていないため無駄が多く、東京の長い直線を最後までスピードを保つことができるか。昨年のダービー馬であり実力は証明済みだが、人気ほどは信頼できない印象で凡走も考えられそうだ。
▼【ダノンベルーガ】 堀宣行厩舎
10月26日 美浦・南ウッドチップコース 良
4F51秒6 - 3F37秒3 - 1F12秒1
評価:B＋
単走。調教助手が騎乗し馬なりのみの追い切りとなった。馬なりのみの軽い調整となったが、素軽い走りで状態は良好。また首を上手く使って走っており、非常にリラックスしている印象で精神面も問題なさそうだ。
前走時と比較するとやや物足りないが、ここへ向けて仕上がりは充分。前走のダービーは4着に敗れ悔しいレースとなったが、舞台相性も良く巻き返しに期待を持てる仕上がりだ。
▼【ジオグリフ】 木村哲也厩舎
10月26日 美浦・南ウッドチップコース 良
6F84秒4 - 5F67秒7 - 4F52秒2 - 3F37秒6 - 1F11秒3
評価:A
併せ馬。福永祐一騎手が騎乗し馬なりから終いに軽く追われた。気合い乗りが非常に良く、追われてからも瞬時に反応し、まさに絶好調と言えそうだ。
勝利した皐月賞時と比較しても、今回の方が良く映るほどの仕上がり。休み明け感も全く感じず非常に楽しみな1頭だ。
■まとめ
今年の天皇賞（秋）も例年のように中長距離界のトップホースが集結し、非常に豪華なメンバー構成となった。
例年よりも有力な3歳勢が菊花賞ではなく天皇賞（秋）を選択してきており、勢いのある3歳馬VS実績十分の古馬という対戦構図となりそうだ。昨年は当時3歳馬のエフフォーリアが勝利したが、斤量の恩恵を受けることができる3歳勢から今年も勝ち馬が生まれるのか。それとも実績のある古馬が実力を見せつけ勝利を飾るのか。
今後の競馬界を展望するという意味でも非常に注目度の高いレースとなりそうだ。
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