2022年10月30日、東京競馬場で天皇賞秋(GⅠ/芝2000m)が行われる。JRAは開催に先立ち、出走馬と枠順を発表。イクイノックス、ジャックドール、シャフリヤール、ダノンベルーガ、ジオグリフらの出走が確定した。
今回は発表された出走予定馬と枠順・馬番を確認していく。
さらに過去10年の枠順データから、有利な枠、不利な枠の傾向を導き出していく。果たしていい枠を引いた馬は? 反対に枠順に恵まれなかった有力馬はいるのか?
■2022年:天皇賞秋の出走馬・枠順
※枠・馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 厩舎
1枠1番 マリアエレーナ 牝4 ┃ 56kg 松山弘平 (栗)吉田直弘
2枠2番 カラテ 牡6 ┃ 58kg 菅原明良 (栗)辻野泰之
2枠3番 パンサラッサ 牡5 ┃ 58kg 吉田豊 (栗)矢作芳人
3枠4番 ポタジェ 牡5 ┃ 58kg 吉田隼人 (栗)友道康夫
3枠5番 ダノンベルーガ 牡3 ┃ 56kg 川田将雅 (美)堀宣行
4枠6番 ジオグリフ 牡3 ┃ 56kg 福永祐一 (美)木村哲也
4枠7番 イクイノックス 牡3 ┃ 56kg C.ルメール (美)木村哲也
5枠8番 シャフリヤール 牡4 ┃ 58kg C.デムーロ (栗)藤原英昭
5枠9番 ジャックドール 牡4 ┃ 58kg 藤岡佑介 (栗)藤岡健一
6枠10番 ノースブリッジ 牡4 ┃ 58kg 岩田康誠 (美)奥村武
6枠11番 レッドガラン 牡7 ┃ 58kg 横山和生 (栗)安田隆行
7枠12番 バビット 牡5 ┃ 58kg 横山典弘 (栗)浜田多実雄
7枠13番 アブレイズ 牝5 ┃ 56kg T.マーカンド (栗)池江泰寿
8枠14番 ユーバーレーベン 牝4 ┃ 56kg M.デムーロ (美)手塚貴久
8枠15番 カデナ 牡8 ┃ 58kg 三浦皇成 (栗)中竹和也
■過去の枠順傾向は?
枠番:着別度数|勝率 連対率 複勝率
1枠:1- 3- 0-13/17|5.9% 23.5% 23.5%
2枠:1- 1- 0-16/18|5.6% 11.1% 11.1%
3枠:1- 0- 3-14/18|5.6% 5.6% 22.2%
4枠:4- 0- 1-14/19|21.1% 21.1% 26.3%
5枠:1- 3- 1-15/20|5.0% 20.0% 25.0%
6枠:1- 1- 1-16/19|5.3% 10.5% 15.8%
7枠:1- 2- 2-19/24|4.2% 12.5% 20.8%
8枠:0- 0- 2-23/25|0.0% 0.0% 8.0%
東京芝2000mは2コーナー奥のポケット地点からスタートするため、2コーナーまでの直線が短く、外枠の逃げ、先行馬に不利なコースだ。そのため他のコースと比較としても、枠順は結果に直結しやすい。
過去10年でも8枠は2頭しか馬券に絡んでおらず、コース形態からも8枠は大幅に割引が必要だろう。2003年シンボリクリスエスが勝って以降、8枠から勝ち馬は1頭も出ていない。
ただ8枠で馬券に絡んだ2頭は、いずれも当日6番人気かつ、33秒台の末脚で馬券に絡んでいる。
近年は枠を嫌って8枠の馬は人気を落とす傾向があるが、GⅠで活躍できる実績と確かな末脚を持っている馬であれば、8枠といえども無条件で消すのは危険だ。
馬番別に細かくデータを見ると、11番以降の馬番の逃げ、先行馬は、過去10年で1頭も馬券に絡んでおらず、前に行く馬であれば最低でも10番より内の馬から選びたいところだ。
まとめると以下の傾向がある。
・外枠の逃げ、先行馬に不利なコース
・特に8枠は割引が必要
・馬番別では11番より外の逃げ、先行馬が不利
■2022年のレース展望、枠順考察
今回人気の中心が予想されるイクイノックスは4枠7番を引いた。
春のクラシックはいずれも2着に終わったが、日本ダービーでは大外枠から上がり3ハロン(F)最速の末脚で2着。直線の長い東京競馬場はこの馬にとって得意な舞台と言えそうだ。また、末脚だけでなく前につけることもできる自在性も、この馬の強みだ。展開によっては前に付ける必要がある内枠より、若干外目の枠の方が競馬をしやすくなる。4枠は好枠といえるだろう。
次に人気を集めるであろうジャックドールは5枠9番を引いた。
逃げ、先行脚質なだけに内枠が望ましいが、過去のデータでは、5枠9番は先行脚質の馬でも結果が出ている。枠順による不利は大きくないだろう。前走の札幌記念(GⅡ)では同型馬のパンサラッサにハナを譲る形となったが、番手の競馬で結果を出したのは大きな収穫。古馬の代表として今回も人気を集めるだろう。
同じく古馬で人気を集めそうなシャフリヤールは5枠8番を引いた。
昨年のダービー馬であり、近走は海外での競馬が続いているが、今年の春にはドバイで海外GⅠを勝利。今回のメンバーでも実績は見劣りしない。昨年のダービーでは上がり最速の末脚を発揮するなど、確かな末脚と前につけることのできる自在性を持つが、やはり競馬のしやすい中枠は有利な枠だ。久々の国内勝利が期待される。
枠順から人気薄の中で不気味なのが、7枠13番を引いたアブレイズだ。
久々の芝2000m、そして13番という外枠から、人気薄が予想される。春のGⅠヴィクトリアマイルでは上がり3ハロン(F)最速タイムを記録しているように、東京競馬場はこの馬の得意なコースだ。初来日となるT.マーカンド騎手が騎乗する今回だが、マーカンド騎手の未知数の実力と、この馬の末脚が嚙み合えば、人気薄での好走も期待される。
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