【凱旋門賞2022】予想・分析。日本馬総大将タイトルホルダーは世界最高峰の舞台で通用するのか

Sporting News Japan Staff

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2022年10月2日、フランス・パリロンシャン競馬場で凱旋門賞(GⅠ/芝2400m)が行われる。日本からの出走馬の1頭で人気を集めることが予想されるのが、タイトルホルダーだ。

2歳から重賞で連対するなど活躍を見せていたが、この馬が覚醒したのは3歳秋。セントライト記念(GⅡ)13着後の菊花賞で、見事な大逃げで他馬を完封し、GⅠ初制覇を飾った。4歳になってからは日経賞(GⅡ)こそ辛勝だったものの、天皇賞・春、宝塚記念とGⅠを続けて完勝。日本の古馬総大将として凱旋門賞に挑んできた。

今回は実績と勢いをもって、日本からぶっつけで挑むこととなる。

■予想・分析①:血統面

父ドゥラメンテ、母メーヴェ、母父Motivatorという血統。父ドゥラメンテはミスタープロスペクター系種牡馬で、日本馬でありながらサンデーサイレンスの血が濃いわけではない。ミスタープロスペクター系は凱旋門賞との相性はまずまず。ロンシャン競馬場改修前最後に行われた凱旋門賞の勝ち馬ゴールデンホーンの母父や、3着ニューベイの父と母父はミスタープロスペクター系であった。

改修後の2018年、10番人気で3着と好走したクロスオブスターズは母父がミスタープロスペクター系。それ以降もミスタープロスペクター内包馬が馬券に絡んでおり、改修後の凱旋門賞でも相性は悪くない。

また、母父Motivatorはサドラーズウェルズ系。ヨーロッパ競馬を走るにあたり、サドラーズウェルズの血が入っている点は強調材料だ。また、凱旋門賞で好走馬を多く出しているネヴァーベンド系が母系に入っている点も大きい。

■予想・分析②:臨戦過程

昨年末のGⅠ・有馬記念後、3か月空けて日経賞に出走。1ヵ月後に天皇賞・春、約2ヵ月後に宝塚記念というローテーションであった。比較的長めの距離を年3回使ったわけだが、間隔はそれぞれ空いており、圧勝後の天皇賞・春の後の宝塚記念も、何の反動もなく勝利した。

今年に入って3戦3勝という勢いはもちろんのこと、それがGⅡ、GⅠ、GⅠというものだから、今年の成績としてはケチのつかないものである。

気になるのは宝塚記念から間隔が空き、ぶっつけで挑む点だろう。これまで日本馬最高着順の2着に入ったオルフェーヴルやナカヤマフェスタ、エルコンドルパサーはいずれもフランスで前哨戦を使われていた。一度でもフランスの馬場で走らせた方が、馬場慣れの面でもプラスに働く。

一方で、前哨戦を使うことでの消耗も懸念される。フォワ賞(GⅡ)など前哨戦デーから本番の凱旋門賞の間隔は中2週しかなく、馬場慣れよりもフレッシュさで能力を確実に発揮させる方を陣営は選んだと推察される。

この馬自身はレース間隔を空けても問題のないタイプ。鉄砲駆けに期待したいところである。

■予想・分析③:フランス入り後の様子

宝塚記念後は日本でじっくりと調整された。ほぼ仕上がった状態で、9月17日にフランスに到着。フランス入り後間もない21日の調教こそ状態確認程度の軽い調教だったが、最終追い切りとなった28日の調教では引っ張るほどの良い手応えを見せている。

日本で乗られてきて出来を上げてきた分、フランス入り後はそこまでハードに追われてはいない。ただ、最終追い切りでの手応えの良さは充実の表れと考えても良さそうだ。追い切り後も比較的落ち着いており、かなり良い状態で出走できそうだ。

勢いと実績を引っ提げて、さらに出来も良いとなれば、俄然期待は高まる。フランスは雨が続いており、当日も雨予報。昨年同様に馬場は重たくなりそう。重馬場が得意とはいえ、どこまでこの馬が馬場に対応できるかは、走ってみなければわからない。

陣営はいつも通りの先行策を示唆。この馬の先行力が世界でどこまで通用するか、期待したい。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。