2022年11月13日、阪神競馬場でエリザベス女王杯(GⅠ/芝2200m)が行われる。今年のエリザベス女王杯はアイルランドからマジカルラグーンが参戦予定。2011年のスノーフェアリー以来、実に11年ぶりの外国馬参戦となる。
阪神開催の過去2年で見れば、ラッキーライラックの勝った2020年は堅めの決着。一方で10番人気アカイイトの勝った昨年は大波乱の結果となった。牝馬限定戦の難しさが如実に表れているといえるここ2年だが、今年はどうなるのだろうか。
今回はエリザベス女王杯が行われるコースの特徴、レースラップの特徴、さらに過去の好走血統について分析していく。
■予想・分析①:コースの特徴
今年も阪神芝2200mで行われる。コースは上半期最後のGⅠ・宝塚記念と同じだ。外回りの4コーナー出口からスタートし、内回りコースを使用する。1コーナーまでは525mと長く設けられており、スタート直後は下り坂。スタートしてからのペースは上がりやすい。
直線の急坂を上り、1コーナー手前からは平坦で3コーナー半ばまでは平坦となる。3コーナー半ばからは下りで、ペースもそこから上がりやすい。下り坂のまま、356.5mの直線を迎え、ゴール前の急坂を上り切れればゴールといったコースである。
内回りコースであることや、3コーナーからペースが上がりやすいことから、瞬発力より持続力を求められるコースといえそうだ。
■予想・分析②:レースラップの特徴
過去2年、最初の2ハロン(F)目は11秒台前半や10秒台後半になっている。スタートしてからは下り坂なので、2200mという距離ながらテンは速くなりやすい傾向にある。3F目も11秒台前半のまま入っているが、それ以降は12秒台が長く続いている。道中はラップの緩急なく淡々とレースが進みやすい。
2分10秒台の決着だった2020年は残り600mから11秒台が連発しており、馬場が良ければ残り600~800mあたりからレースラップが上がりやすい。昨年は良馬場開催ながら力のいる馬場で、2分12秒台の決着。残り2F目は11秒8、その前後は12秒台とかなり時計がかかっていた。
馬場が良かった2020年でも、ラッキーライラックはまくり気味に、2、3着には後方から差してきた馬が入った。馬場が荒れていた昨年は完全な差し決着。10月から6週連続でAコースを使用することからも、馬場の内側は荒れてきて先行馬には厳しいレースになりやすいと考えられる。
■予想・分析③:好走血統、不振な血統
阪神開催の近2年で、ディープインパクト系種牡馬の馬は4頭馬券に絡んだ。2020年は2、3着がディープインパクト産駒、昨年は1、2着がキズナ産駒であった。ただし2020年の2頭はいずれも母父がノーザンダンサー系であった。
キズナ産駒はディープインパクト系の中でもパワーのある馬が多い。タフなレースに強い血統構成のディープインパクト産駒は好走しやすいといえそうだ。ディープインパクト産駒なら母父ノーザンダンサー系、ディープインパクト系統ならキズナ産駒と考えた方が良さそうだ。
昨年3着のクラヴェルは、父がエピファネイア。やはりタフなレースに強い種牡馬だ。総じてタフなレースで力を発揮する種牡馬の成績が良さそうだ。
■まとめ
今回の分析をまとめると……
・急坂のある阪神競馬場の内回りコースを使用(持続力が求められる)
・連続開催の中でのレース(馬場の内側が荒れやすく、差し決着になりやすい)
・タフなレースに強い血統が強い(ディープインパクト×ノーザンダンサー系、キズナ産駒、エピファネイア産駒の成績が良い)
このレース名の由来となったエリザベス女王が、今年の9月に生涯を終えた。自ら競走馬を所有するなど、競馬に深いかかわりを持つ人物でもある。 エリザべス女王の名が冠されたレースは世界各地で愛されている。日本のエリザベス女王杯は、女王陛下の来日を記念し創設された秋の最強牝馬決定戦。今年はどの馬が戴冠を果たすだろうか。
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