2022年11月6日、東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GⅡ/芝2500m)が行われる。週中には美浦、栗東の各トレーニングセンターで出走予定馬たちが調教・最終追い切りを行った。
前走・オールカマー(GⅡ)5着から巻き返しを図るテーオーロイヤルを筆頭に、GⅠ・ホープフルステークス勝ち馬のキラーアビリティ、重賞では6レース連続で掲示板内と堅実な走りが光るヒートオンビート、名手C.ルメール騎手を背に初重賞制覇を目論むボスジラ、東京コースは3勝と舞台適性の高いハーツイストワールらが出走を予定している。各馬はどんな状態にあるのか。実力が拮抗している重賞レースだけに、当週のコンディション、状態によって着順は入れ替わってくることが予想される。
馬券を買う上でも各馬の状態は重要なファクター。今回は上位人気が予想される馬を中心に最終追い切りの様子を振り返っていく。
■最終追い切り動画
▼【テーオーロイヤル】 岡田稲男厩舎
11月2日 栗東・坂路コース 良
4F55秒0 - 3F40秒2 - 2F25秒7 - 1F12秒5
評価:B
併せ馬。調教助手が騎乗し、馬なりのみの追い切りとなった。気合い乗り良く集中して走れており、良い精神状態をキープしている。
ただ絶好時と比較すると1枚劣る印象で、前走からの上積みを感じられない仕上がり。また今回はトップハンデを背負う。他馬との斤量差を埋める走りを披露できるか注目だ。
▼【キラーアビリティ】 斉藤崇史厩舎
11月2日 栗東・Cウッドチップコース 良
5F71秒2 - 4F54秒7 - 3F39秒0 - 1F11秒8
評価:B+
単走。C.デムーロ騎手が騎乗し、馬なりのみの追い切りとなった。素軽い走りで状態面は良さそうだ。また首を上手く使ってリズムの良い走りをしており、精神的にも良い状態と言えるだろう。
絶好時と比較するとやや見劣るものの、状態は整っている。前走から約5ヵ月の休み明けとなるが、この馬なりの力を発揮することができるだろう。
▼【ヒートオンビート】 友道康夫厩舎
11月2日 栗東・Cウッドチップコース 良
6F83秒8 - 5F68秒4 - 4F54秒0 - 3F38秒8 - 1F11秒5
評価:C
単走。調教助手が騎乗し、終い重点の追い切りとなった。追われてからの反応鋭く状態は良さそうだ。
ただ1週前追い切りで攻めて最終追い切りで微調整するという、友道厩舎特有の調教パターンではない。最終追い切りもしっかりと攻められている点から、仕上がりの面で不安が拭えない可能性はある。急仕上げ感が否めず、2ヵ月の休み明けとなる今回どこまでやれるか注目だ。
▼【ボスジラ】 国枝栄厩舎
11月2日 美浦・南ウッドチップコース 良
5F66秒4 - 4F52秒0 - 3F37秒3 - 1F11秒8
評価:C
3頭併せ馬。調教助手が騎乗し、終い重点の追い切りとなった。馬体の張りが乏しくやや太めに映る仕上がり。まだ良化途上といった印象強く、叩いた方が良さそうだ。
また絶好時と比較しても数枚劣る印象。東京では好成績のルメール騎手が鞍上ということもあり、ある程度人気することが想定される。だが人気ほど信頼することができない仕上がりだ。
▼【ハーツイストワール】 国枝栄厩舎
11月2日 美浦・坂路コース 良
4F52秒6 - 3F38秒2 - 2F25秒3 - 1F13秒0
評価:C
3頭併せ馬。調教助手が騎乗し、馬なりから終い重点の追い切りとなった。追われてからの反応鈍くいかにも休み明けといった仕上がりで、絶好時と比較しても数枚劣る印象だ。
東京競馬場は3勝を挙げている得意コースとなるが、メンバーレベルが上がる今回どこまでやれるか試金石のレースとなりそうだ。
■まとめ
今年のアルゼンチン共和国杯は有力な3歳馬や長距離路線で存在感を示している古馬など、多くの実力馬が集結した。メンバー構成を見ると能力は拮抗している印象で、状態面はもちろんのこと斤量や舞台適正を含めて予想を組み立てる必要がありそうだ。
昨年の同レース勝ち馬であるオーソリティは、次走のジャパンカップ(GⅠ)を2着と好走し、その後の海外競馬でも結果を残した。アルゼンチン共和国杯を機に飛躍を遂げる馬が今年も現れることを期待したい。
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