前年覇者ラームや新リーグ参加のミケルソンらも登場｜全米オープンゴルフ選手権2022の日程・放送予定・展望・天気情報

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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男子ゴルフのメジャー大会のひとつである『全米オープンゴルフ選手権（U.S. Open Championship）』が6月16日から19日、米国マサチューセッツ州ブルックラインのザ・カントリークラブで行なわれる。122回目を迎える今回、前回覇者ジョン・ラームが連覇を狙うなか、PGAツアーが追放処分をくだした新リーグ『リブゴルフ』参加者であるフィル・ミケルソンらも出場することで話題になっている。歴史と伝統を持つ全米オープンの日程、放送予定（地上波テレビ、CSテレビ、ネット配信）、賞金、展望（プレビュー）、天気予報などの情報を紹介する。

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全米オープンゴルフ選手権2022・概要と日程

  • 開催日程：6月16日〜19日（日本との時差-13時間）
  • 大会会場：ザ・カントリークラブ（米マサチューセッツ州ブルックライン）
  • フィールドデータ：7264ヤード/パー70
  • 前年優勝：ジョン・ラーム（スペイン）
  • 賞金総額：1750万ドル（約23億6110万円）
  • 優勝賞金：315万ドル（約4億2500万円）

＜コースの特徴＞

1882年に設立された米国内で最古のカントリークラブ（野外スポーツクラブ）のひとつであり、全米ゴルフ協会（USGA）の源流のひとつである名門。競馬場としてスタートしたが、1893年以降、段階的にゴルフコースが敷設されてきたことで3つのコース（各9ホール）が存在し、大会グレードによって使用される（コースごとではなく）ホールが変わる。同クラブでの全米オープンは1913年、1963年、1988年に行われており、今年は34年ぶり4度目となる。ゴルフファンからは1999年のライダーカップでの名勝負の地として知られる。

今年の全米オープンで使用されるホールは、ドッグレッグ型で傾斜のきついグリーンの1番から、グリーン前の蟻地獄のようなバンカーの2番、打ち下ろしティショットから始まる起伏の激しい3番、4番。小高い丘の上のスジの読み難いグリーンの5番、最も古い1894年敷設のショートコースの6番、厄介な傾斜のあるフェアウェイと深いバンカーを備える砲台グリーンの7番、557ヤードのロングコースでありながらグリーンが小さい8番、フェアウェイから傾斜が池へと吸い込まれる9番が続く。

池越えから長いフェアウェイから微妙に右に逸れたグリーンを持つ10番、最小131ヤードの11番は砲台グリーン手前に用水路、バンカーと下手に外せば大量ペナルティもあり得る。12番は藪越えパワーショットを要する一方、2番目に小さいグリーンに繊細なアプローチが求められる。中腹の傾斜のおかげで先が見えず、行き着く先のグリーンも池超えで狙う13番、超ロングの619ヤードの14番、1890年代からあるクラブの施設に至る道を越える15番、ホールインワンを狙える16番、17番は1913年大会でのプレーオフ決着や前述のライダーカップでの決戦のドラマを生んだホール。18番は黄色いメインクラブハウスへと向かっていく、かつては競馬場やポロのフィールドがあった比較的平面的なホールだが、2019年の改修でバンカー位置が再調整された。

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全米オープンゴルフ選手権2022・放送および配信予定

2022年度の『全米オープンゴルフ選手権』の試合中継は、CS放送は「ゴルフネットワーク（ネット版「ゴルフネットワークプラス」でも同時配信）」、インターネット動画配信サービスの「ABEMA PPV」（番組別有料視聴、見逃し配信あり）、「DAZN」（見逃し配信あり※）で放送・配信される。地上波TVでは放送されない。

以下のいずれのサービスも試合中継時間は大会の進行（天候等）によって左右される。詳しい情報は各放送・配信先をご確認ください。日時はすべて日本時間となる。時差は-13時間、現地はおおよそ半日遅れている。

【6月16日(木)・初日：第1ラウンド/予選】

【6月17日(金)・2日目：第2ラウンド/予選】

【6月18日(土)・3日目：第3ラウンド/本戦】

【6月19日(日)・最終日：第4ラウンド/本戦】

※「ABEMA PPV」の見逃し配信は2022年7月16日(土) 23:59まで。「DAZN」の見逃し配信（オンデマンド配信）は各日の配信後から約7日間となる。

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全米オープンゴルフ選手権2022・展望（プレビュー）

米メジャー大会のなかで『全米プロゴルフ選手権』に次いで古い歴史を持つ『全米オープン』は、今年で122回目を迎える。前年度は最終日6位から出たジョン・ラームが新型コロナウイルス罹患後の病み上がりの状態ながら逆転優勝を飾り、スペイン人として4人目の偉業を達成した。ディフェンディングチャンピオンとして、名門ザ・カントリークラブに臨む。

歴史ある大会だが、今年はサウジアラビア政府資本による新リーグ『リブゴルフ』参加者がPGAツアーから追放処分を受けながらも、主催者の全米ゴルフ協会（USGA）が公平性を理由に参加資格を有する選手の出場を許可した。それによって現地では大会前からリブゴルフに関連したメディアの質問が飛び交い、ジャスティン・トーマス（米国）は「残念なことだ」と憂い、ロリー・マキロイ（北アイルランド）は「（全米オープン優勝）トロフィーに名前を刻むことは金では買えない」として断じた。

PGAツアー会員資格が停止となった全米オープン出場者は、フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン、ケビン・ナ、テーラー・ゴーチ（いずれも米国）、セルヒオ・ガルシア（スペイン）、ルイ・ウーストハウゼン（南アフリカ）らとなり、さらにリブゴルフ第2戦から参加するブライソン・デシャンボー、パトリック・リード（いずれも米国）も含まれる。ミケルソンにとっては生涯グランドスラム達成のため唯一取りこぼしているのが全米オープンとあって出場にこだわった。

ゴルフ界の分断という雑音に覆われてしまった本大会だが、昨季マスターズを制した世界1位のスコッティ・シェフラー、2015年度全米オープン覇者のジョーダン・スピース、全米プロと全英オープンを制しているコリン・モリカワといった新世代勢の争いは、リブゴルフにはない、緊張感のある戦いを魅せてくれるだろう。

また、今年で10度目の出場となる松山英樹は、2週前の『ザ・メモリアルトーナメント』初日での使用クラブ違反での失格というつまづきがあったものの、全米プロ前後の首痛の影響は最小限となったようだ。現地入りしての練習ラウンドでは危険視するホールを重点的に回り、距離感を確認した。とくに小さいグリーンが複数あることから、パッティングにも力を入れた。PGAツアー公式サイトによる大会前パワーランキングでは20番手に入っている（ツアー資格停止者は含まず）。

ほか日本人は、リブゴルフ初戦に参加した香妻陣一朗や、小平智、星野陸也、杉山知靖、出水田大二郎、中島啓太（アマ）の計7選手が出場する。

同大会の周辺の天気は、17日金曜のみ雷雨の可能性があるものの、開催期間中は曇り中心に穏やかな天気になる予想がでている。高温多湿の地域ながら、日本よりも湿度が低く、過ごしやすい気候になっている。ただし、いずれの日も23km/h超の強風が予想されており、開けたコースが多いザ・カントリークラブではやや風の影響が懸念される。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。