PGAが新リーグ参加申請を却下、参加強行者は事実上の追放か

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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現地時間5月10日、プロゴルフ協会(PGA)は、複数の同ツアー会員から申請されていた、サウジアラビア政府資本の運営会社による新リーグ『リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ』開幕戦への参加について、一切を却下したと英BBCなど欧米メディアが報じた。メジャー6勝のフィル・ミケルソン(米国)やリー・ウェストウッド(英国)ら申請者全員が参加を認められなかった。

サウジアラビア発の新リーグは、ゴルフ界のレジェンドとして知られるグレッグ・ノーマン(オーストラリア)が同国資本による運営会社リブ・ゴルフ・インベストメントのCEOとなり準備を進めてきた。立ち上げ初年度の2022年は8大会を予定し、1大会最高で総額2500万ドル(約32億5,000万円)、優勝賞金は400万ドル(約5億2,000万円)という巨額の賞金額を掲げた。予選落ちのない"確実に大金が稼げる"ツアーとして、PGAツアーやDPワールドツアー(欧州ツアー)のメンバー、さらには世界中のハイアマチュア勢にも声をかけ、新たなリーグの成立を目指している。ツアーとして正式ローンチを予定する2024年度に向けて、20億ドル(約2,600億円)の追加投入で、さらに規模拡大することも発表していた。

新リーグについて、PGA側は当初から否定的な反応を示し、新リーグに好意的な見解を示したフィル・ミケルソンは、ロリー・マキロイ(北アイルランド)らトップランカーたちから、"銭ゲバ男"として白眼視されることになった。また、PGAは、もしツアー会員が出場するのであればPGAツアーからの追放もあることを示唆していた。

年齢的にピークアウトした名手や、中堅でくすぶるプレーヤーにとっては降って湧いたオイルマネーは魅力的に映ったようで、6月9日の新リーグ開幕戦(英ロンドン、センチュリオンGC)に合わせ、20選手前後が申請したとされる。欧州ツアーも合わせると参加意思を示したのは約70選手にのぼるという。

しかし、欧州ツアーが先に断固却下を明言していたのに合わせて、PGAも申請を却下した。これを受けたノーマンは、PGAはゴルファーたちの権利を侵害しているとし、「反ゴルファー、反ファンだけでなく、反競争的だ」と糾弾。「PGAがいかなる障害になろうと、我々は止まることはない」と決意を改め、新リーグ開幕への意気込みを語った。

PGAの意向に反し、強行出場する選手はPGAツアーの規定違反者となり、上述通り、出場停止や除名処分もあり得る。ミケルソンや欧州の名手ウェストウッド、セルヒオ・ガルシア(スペイン)らがどういった判断を下すのかが注目される。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。