2018マスターズ:オーガスタ・ナショナルの勝者と敗者

Alec Brzezinski

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2018年マスターズ・トーナメントはパトリック・リードが勝利した。これが彼にとって初のメジャー制覇となり、リッキー・ファウラーから1打差の通算15アンダーでマスターズを終えた。

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後半9ホール、オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブでは花火がファンたちを興奮させたが、リードは全てのエネルギーをつぎ込んでいた。世界でも指折りのマッチ・プレー・ゴルファーとして知られ、パターにも定評のあるリードなら、今年が重要な年となることは間違いないだろう。

タイガー・ウッズも2015年ぶりにオーガスタに戻ってきた。最終日こそ3アンダーの69という結果だったが、トータル1オーバーで大会を終えた。

それでは、今年のマスターズの勝者と敗者を見てみよう。

2018年マスターズの勝者

パトリック・リード
間違いなく、今回の大勝利者はこの選手だろう。大学時代を過ごした地に戻ってきたリードは、ゴルフ界のビッグ・ネームたちに正面から向き合い、彼ら全員を倒したのだ。ジョーダン・スピース、ロリー・マキロイ、リッキー・ファウラーそしてジョン・ラームらが最終ラウンドに名を連ねる中、リードは全く動じる様子がなかった。

多くの人がリードの素晴らしいパッティングを認めているが、彼のドライバーの飛距離と正確さも、この試合中に彼が見せつけた強さである。一番のハイライトは、第3ラウンド後半、2つのパー5のホールで2個のイーグルを奪ったことだ。リードは以前、自身を世界トップ5の選手だと言い、物議を醸した。まだ彼はそこまでには到達していないが、その主張を裏付ける選手になろうとしていることは確かだろう。今秋フランスで行われるライダー・カップに再挑戦するリードにとって、2018年はまさに彼の一年となるはずだ。

リッキー・ファウラー
人生は不公平である。ファウラー自身もほとんどの選手より自分の方が上だと分かっている。しかし、最終スコアが他の年よりも良かったにも関わらず、またメジャーでの優勝を逃してしまった。2014年に4大大会をトップ5で終えてから、大舞台では比較的静かな状況が続いているファウラー。それでも今回、14アンダーにて2位で終えた。これで今季2つめのトップ5入りを果たし、ファウラーのメジャー初優勝は間近であることを決定付けたようだ。

トニー・フィナウ
なんという一週間だったろう。フィナウは、パー3コンテストにてホールインワンを達成するも、喜びすぎて足首を脱臼、試合直前に欠場となりかけたのだ。彼は足の痛みに耐えながらも、通算7アンダー、10位タイにてマスターズを終えている。フィナウは第1ラウンドを4アンダーの68で終え、こともなげに上位へ食い込んだ。その後、中間ラウンドでは少し手こずるも、最終ラウンドでは難なく6つのバーディを奪い続けてリーダーズボードに名を連ねることが出来た。フィナウはNBAミルウォーキー・バックスのジャバリ・パーカーのいとこであり、親戚とともに注目を集めた一週間となった。この試合で、一歩踏み出すシーズンへと準備が整ったようだ。

2018年マスターズの敗者

ロリー・マキロイ
あらゆる点で乗りに乗って調子のいいマキロイは、生涯グランドスラムを成し遂げるために戻ってきたと思われた。しかし、最終ラウンドが始まってすぐにバーディとなると、わずかな距離のパットを外してしまい、リーダーズボードから名前を落としてしまった。メジャー選手権でトップ5に入ることは決して悪い結果ではないが、マキロイは今回、マスターズの悪夢を乗り越え、一流選手に返り咲く絶好のチャンスだった。しかし、彼はどちらも成し遂げられず、試合中の精神面について多くの疑問を残すこととなった。

ジョン・ラーム
クラブを叩きつけたり、バックスイングが終わらないうちに汚い言葉を叫んだり、自分が勝てないと分かった途端、フェアウェイでふてくされたりするラーム。一体いつになったら、そんなことをしないで試合を終えることが出来るのだろう。2度目のマスターズだったラームは、11アンダーで4位という成績を残した。だが最近の彼は、人としての成長を必要としている。試合では一流の若手有力選手であるのだから、自分の感情を落ち着かせることさえ出来れば、メジャーで優勝することも可能だろう。

タイガー・ウッズ
期待外れで残念だったが、この試合でウッズの調子が良くないのには理由があった。彼のスイングはこわばっていて、何度もドライバーやアイアンショットが飛ばないという結果となってしまったのだ。4度もマスターズで優勝に輝いているが、2005年からは緑色のジャケットを着ていないウッズ。オーガスタ・ナショナルでは過去の人となり始めている。彼はこの試合で、年齢を感じさせることが頻繁にあり、多くの若いスターたちがリーダーズボード上で簡単に自分を越えていくのを見ることは、自信が揺らぐには十分だっただろう。

原文:2018 Masters: Winners and losers from Augusta National
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Alec Brzezinski