ヒーロー・ワールドチャレンジ:タイガー・ウッズが最後に活躍したシーズンを振り返る

Alec Brzezinski

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タイガー・ウッズは、この夏、短い動画をタイムラインに投稿し、ゴルフファンを驚かせた。ウッズが腰の手術から、徐々に復活している様子を見てとれたからだ。

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2月のオメガ・ドバイ・デザートクラシックを棄権し、その数ヵ月後に警察ともめごとを起こしたことで、そのままウッズは競技ゴルフから引退してしまうかもしれないと、多くの人が心配していた。しかし、メジャー通算14勝のウッズは、今週のヒーロー・ワールドチャレンジで復帰することを、先月明らかにした。

昨年、長い間戦線離脱していたウッズは、今回と同じ大会で復帰したが、その後わずか2戦に出場しただけで、2014年以来の腰の手術を受けることとなった。若い世代のスター選手たちは、ウッズの怒りを感じたこともなく、ウッズの勝利を望む大勢のギャラリーの前でプレーをした経験もない。

ウッズが最後に優勝してから、非常に長い時間が経ったように思われる。しかし、プレーヤーズ選手権で2度目の勝利を果たすなど、PGAツアーで5勝を挙げてから、まだ4年しか経っていない。

2013年ウッズは、マスターズの4位タイやWGC-ブリヂストン招待の優勝(これ以降プロの大会で勝利していない)など、世界中の大会で9度、5位以内に入った。この4年で、ゴルフ界は変わった。4年前、ジョーダン・スピースやジョン・ラームは、まだプロ入りしていなかったし、ジェイソン・デイとリッキー・ファウラーはブレークしていなかった。

今のゴルフ界は、世界中の若いスター選手が席巻しており、毎週、切磋琢磨の戦いを見せている。ウッズは伝説に過ぎず、世界のトップ選手の間でも、寓話のように語られているのだ。

ウッズの全盛期には、彼は恐れられていた。誰も彼に話しかけようとせず、ウッズも対戦相手と和やかに笑い合うようなことはなかった。トラのようにウェアウェイを闊歩し、目の前の敵を皆、倒していった。しかし、若いアメリカ人選手の中には、ウッズを友達のように思っている者もいる。試合の重要な場面で冗談を言い、落ち着かせてくれる友達だ。

ウッズは、2年連続でライダーカップとプレジデンツカップで、副キャプテンを務めた。このことで、ゴルフファンはウッズの存在を再確認できたが、ウッズもまたゴルフ界の一員であることを再認識できたのだ。

年齢ではなくケガが、ウッズの全盛期を中断させてしまったことは重要なポイントだ。多くの選手が40代でも競争力を維持している。しかし41歳のウッズは、腰とひざの故障により、2008年以来、メジャー大会で勝利を挙げていない。

ウッズの代名詞とも言えるスティンガーショットが動画で公開されると、根っからのウッズファンは彼の復帰を確信した。このショットは、前回の復帰戦で、多くのファンがウッズに打ってもらいたいと願っていたものだったが、ウッズはオフザティーで強振を続けていた。

今週のウッズの復帰が大きく報じられている事実は、彼にとっての勝利である。コース外の問題や全盛期が中断されたことで彼の輝かしいキャリアが台なしになる危険性があったにも関わらず、ウッズが試合でプレーする姿を見るのを楽しみにしているファンは大勢いる。

4年は長い時間のように思えるが、彼の偉大さは完全に失われてはいない。望みはわずかかもしれないが、シーズンを通して体調を保つことができれば、PGAツアーで活躍することができるだろう。

原文:Hero World Challenge: Remembering Tiger Woods' last great season

翻訳:Atsuko Sawada


 

Alec Brzezinski