【F1ガイド】フェルナンド・アロンソがオーストラリアGPも3位で年間王座争いに食らいつく

Sergio Rabinal

Sporting News Japan Staff

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F1第3戦オーストラリアGP決勝で、フェルナンド・アロンソは3位に食い込んだ。年間ランキングでレッドブルのマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスを追うアロンソは、今季『第3の男』として存在感を示している。

古強者アロンソの今季オーストラリアGPを踏まえたストーリーを、本誌スペイン語編集部のセルジオ・ラビネルが解説する。

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フェルナンド・アロンソは、F1オーストラリアGPで常に好成績を収めてきた。2001年にミナルディから見事なデビューを飾って以来、2006年の優勝を頂点として、2005年、2008年、2012年などは不調の予選結果から決勝では上位に返り咲くなど、2022年は例外としても、総じてサーキットとの相性が良い。

アストンマーチンに移籍した今季は、すでに2戦連続の3位で表彰台に立ち、『台風の目』としての存在感を示している。2回目のフリー走行(FP2)では、ウェットコンディションのなか、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えてトップタイムを刻み、好調ぶりを改めて示した。

さあ、アルバート・パーク・サーキットでのアロンソの記録を見直すときが来たようだ。

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フェルナンド・アロンソのオーストラリアGPストーリー

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フェルナンド・アロンソのオーストラリアGPでの歴史は、表彰台、浮上劇、リタイアに集約されるかもしれない。

2001年、F1初参戦となったスペイン人は、それまでの史上最年少ドライバー(19歳217日)となった。ベネトン契約下ながら、それまでほとんどテストをしていない状態のミナルディのマシンで素晴らしい走りを見せ、ベネトンの正ドライバーたち(ジャンカルロ・フィジケラ、ジェンソン・バトン)を抑えてゴールした。

2004年初めて表彰台入りを決め、2005年には予選で低調な結果に陥りながらも、決勝では驚異的な復活を遂げた。このときは13位から3位まで順位を上げ、チームメイトのフィジケラがつかんだ優勝まであと一歩まで近づいた。

表彰台の頂点に立ったのは2006年、同じくルノー時代でメルボルンでは最初で最後の優勝となった。アロンソはセイフティカーが 入ったあと、すぐにバトンを抜き去り、レースのほとんどをリードした。この3年間の全盛期だけでなく、2007年の2位2013年でも2位で久々の表彰台に上がった。

その後もメルボルンでは常に安定した成績を収めたが、2008年、2009年、2012年、そして2018年でも2桁の予選順位から4位あるいは5位に浮上し、アルバート・パーク・サーキットに対する相性の良さを示した。

最悪の記憶はマクラーレン時代の2016年、エステバン・グティエレスとのクラッシュによりリタイアを余儀なくされ、長いキャリアのなかで最も危険なアクシデントを経験したことだろう。肋骨の骨折により気胸と肺の損傷が発覚し、次戦を欠場することになった。第3戦の中国GPで復帰し、中団クラスとはいえシーズンを戦いきったが、2017年もリタイアを喫している。

その後、2018年には5位入賞を果たし、第2スティントにおいては自己最高の成績を残すというスター性を発揮した。フィニッシュラインを通過する際、彼は「これで戦える 」と伝説のセリフを残した。マクラーレン時代はキャリアのなかでもリタイアが飛び抜けて多く、それほどマシンパフォーマンスに悩まされた。

2022年のアルピーヌ在籍最終年には、アロンソに再び不運が襲いかかった。予選においてベストタイム3本のうちの1本を狙える位置にいたとき、マシントラブルによってウォールに突っ込んでしまったのだ。翌日の決勝では、陣営の戦略も間が悪く、最後尾の2番手まで順位を落としてしまった。

そんなアルピーヌの貧弱で不安定なマシンから解放された2023年、フェラーリ、メルセデスを凌駕するようなパフォーマンスを見せるアストンマーチンの『AMR23』を駆り、ここまでベテランの狂い咲きとも言うべき驚異的な結果をあげている。

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相性の良いアルバート・パーク・サーキットで2006年以来の優勝をつかむか、大注目となっていた。

2023年のオーストラリアGPはほとんど完璧だった。4番手発進から順位を上げようと奮闘し、好ペースを発揮して2位まで近づいたが、最終的に3位でフィニッシュラインを通過し、キャリア101回目の表彰台を獲得した。

ただ、アルバート・パークでの日曜日は、母国の同胞でもあるカルロス・サインツによってもしかすると最悪の結末を迎える可能性があった。フェラーリドライバーとの接触で11位まで順位を落とし、表彰台が危ぶまれたが、FIAの判断で赤旗中断前の順位に戻された。結果としてルイス・ハミルトン(メルセデス)とともにベテランの強さを示し、悠々とオーストラリアをあとにしたアロンソは、2013年以来となる45ポイントを獲得してドライバーズランキングで3位につけている。

フェルナンド・アロンソのオーストラリアGP全成績

開催年 チーム 予選順位 決勝順位
2001 ミナルディ 19 12
2003 ルノー 10 7
2004 ルノー 5 3
2005 ルノー 13 3
2006 ルノー 3 1
2007 マクラーレン 2 2
2008 ルノー 11 4
2009 ルノー 10 5
2010 フェラーリ 3 4
2011 フェラーリ 5 4
2012 フェラーリ 12 5
2013 フェラーリ 5 2
2014 フェラーリ 5 4
2016 マクラーレン 11 リタイア
2017 マクラーレン 12 リタイア
2018 マクラーレン 10 5
2022 アルピーヌ 10 17
2023 アストンマーチン 4 3

※本記事はスペイン語記事を翻訳後、日本向けの情報を追加した編集記事となる。

2023年シーズンも随時更新!

スポーティングニュース日本語版では、2023年もレース結果や放送配信予定に加え、英語記事だけでなく、F1人気が高い欧州の空気感を伝える本誌スペイン語記事の翻訳版など随時更新する予定だ。

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Sergio Rabinal

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Sergio es productor de contenido en las ediciones en español de The Sporting News. Desde 2018 desempeña las funciones de productor senior de contenido NBA. A lo largo de ese tiempo ha cubierto dos All-Stars, Basketball Without Borders y el NBA Paris Game, así como otros eventos. Pesimismo de la inteligencia, optimismo de la voluntad.

 

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。