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ドイツGPが2016年以来、2年ぶりに開催された。前日の予選でポールポジションを獲得したのは地元ドイツのセバスチャン・ベッテルだった。一方、ライバルのルイス・ハミルトンは予選でまさかのマシントラブルに見舞われ、14番手からのスタート。しかし、レースは大波乱の展開が待っていた。
★ポイント1:突然の雨。ベッテルがまさかのクラッシュ
2年ぶりの開催となったドイツGPは契約が今年いっぱいで、依然として契約更新されていない。もしかすると今年が最後になるかもしれないということもあり、今年は7万1000人の観客がホッケンハイムリンクのスタンドを埋めた。ドイツ人のベッテル(フェラーリ)はそんな地元の期待を背負ってポールポジションからスタートした。
しかし、レース中盤に雨が降り出すと、ベッテルに逆風が吹く。雨の中、ドライタイヤで粘っていたベッテルは52周目に単独クラッシュ。ステアリングを叩いて悔しがったが、時すでに遅し。タイヤバリアに突っ込んだベッテルはその場でリタイアとなり、まさかのノーポイントに終わった。
★ポイント2:14番手スタートのハミルトンが劇的な逆転優勝
土曜日の予選でハイドロ系にトラブルが発生したルイス・ハミルトンは、14番手からのスタートとなった。ベッテルとのポイント差が広がらないように、少しでもポジションを上げようと、スタート直後から飛ばし、次々とライバルをパスしていった。さらに5番手を走行していたレース中盤には、突然降り出した雨も味方した。前を走るマシンが次々とクラッシュやピットインする中、ポジションを上げた。53周目にはついにトップに立つ。
ハミルトンは途中、コックピットとやり取りで混乱し迷走した。ピットインを中止して、ピットロードから突然、コースに復帰した。ハミルトンはトップでチェッカーフラッグを受けた後、審議の対象となった。しかし、レース審議委員会が下した処分は戒告処分のみで、タイムペナルティはなかった。これでドイツGPの勝者はハミルトンに正式に決まった。これでドライバーズ選手権でもハミルトンはベッテルを逆転。タイトル争いのトップに立った。
★ポイント3:トロロッソ・ホンダは波乱をかいくぐったハートレーが10位入賞
土曜日の予選で2台そろってQ1脱落という厳しい結果に終わったトロロッソ・ホンダ。ピエール・ガスリーは今後のシーズンを見据えて、戦略的にパワーユニットをすべて交換して、最後尾からスタートすることを選択した。チームメートのブレンドン・ハートレーも16番手からスタートした。しかし、なかなかポジションを上げることができないまま、レースは中盤に入った。
ここでハートレーは降り始めた雨をうまく利用する。多くのドライバーがピットインして雨用のタイヤに履き替える中、ハートレーはドライタイヤのまま、状況を静観した。そして、ベッテルのクラッシュによって出されたセーフティカーのタイミングでピットインした。雨はこれ以上強くならないと判断して、再びドライタイヤに交換した。このギャンブルが功を奏して、ハートレーは16番手から一気に9番手にジャンプアップした。
レース再開後に2台に抜かれて11番手でフィニッシュするが、直前の10番手でチェッカーフラッグを受けていたカルロス・サインツが、セーフティーカー走行中にペナルティを犯して、10秒加算となったため、ハートレーのポジションが1つ繰り上がり10位となった。トロロッソ・ホンダの入賞は第6戦モナコGP以来、5戦ぶりとなった。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「ここ数戦、無得点のレースが続いていたので、1点ではありますが、チームにとっては大きな1点です」と喜んだ。
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