F1第14戦ベルギーGP予選結果・決勝グリッド・決勝展望・天気予報・降格ペナルティ情報も

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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FIA(国際自動車連盟)F1(フォーミュラ1)世界選手権の2022年シーズン第14戦となるベルギー・グランプリ(GP)の決勝が、日本時間8月28日(日)22時から行なわれる。27日(土)の予選結果、決勝グリッド、降格ペナルティ、決勝レース展望、現地天気予報を紹介する。

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2022年F1第14戦ベルギーGP:前節振り返り・降格ペナルティ・予選結果・決勝グリット

第13戦ハンガリーGP振り返り

前節のハンガリーGPは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がキャリア初のポールシッターを獲得する波乱があったものの、終わってみればエンジン不調で10番手発進だったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が実力で首位を奪取。360度スピンを喫しながらも今季8勝目をあげる横綱相撲だった。復調の元世界王者ルイス・ハミルトンが2位につけ、ラッセルは3位に終わり初ポールトゥウィンを逃したものの、メルセデスとしては実りのあるレースとなった。

一方、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はタイヤの選択を読み間違え6位でフィニッシュ。マネジメントサイドの失策続きで順位を落とすレースが続いており、フェルスタッペンとのドライバーズポイント差は80点差にまで拡大した。日本人ドライバーの角田裕毅(アルファタウリ)は事実上最下位の19位で無得点と冴えない結果だった。

第14戦ベルギーGPのサーキット、スパ・フランコルシャンの特徴

自動車レースの歴史のなかでも最古のサーキットに数えられるスパ・フランコルシャンは、1周平均240km/hというカレンダー最高速のコースとなっており、エンジン周りのパフォーマンスが最大限求められる。下り坂から急な上り坂となるターン2の「オー・ルージュ」は名物コーナーとなっており、視界が見通せない状態からベタ踏みでターン3に飛び込むことから、ドライバーにとっても観る側にとってもスリリングなポイントになっている。2021年12月にいくつかのコーナーが改修された結果、以前の経験が仇になる可能性もあり、各ドライバーはFPや予選でその違いを把握する必要がある。ターン8からターン9はボトムスピードが上がっており、ライン取りも変わったという。

スパ周辺は欧州の開催地のなかでもとくに不安定な天候で知られ、強雨・強風がレースに影響を与えやすい。2021年度の決勝レースは3時間オーバーの降雨によってセイフティーカー先導の3周のみで終了する前代未聞の事態となった。寒冷地のベルギーでは8月末の最高気温は20℃前半で、タイヤやエンジン温度が気がかりになるチームもあるだろう。エンジンパフォーマンスを最大まで引き出すことになる分、デグラデーションは軽視できず、コース全長が長い上に高低差も大きいため、ピット判断を見誤るとわずか1周でも大きく順位を落としかねない。

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第14戦ベルギーGPで確認されたアップデート・降格ペナルティ

マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ランド・ノリス、エステバン・オコン、バルテリ・ボッタス、ミック・シューマッハ、周冠宇がパワーユニット(PU)交換規定数超過になった。次戦オランダGPのザントフォールト・サーキットがオーバーテイクし難いコースのため、オーバーテイクが容易でグリッド降格ペナルティを相殺しやすいスパ・フランコルシャンであえての「戦略的降格」となる。ノリスとオコン以外はギヤボックス交換規定数も超過で降格ペナルティを加算されている。

なお、15グリッドを超える(=20G以上)の降格ペナルティ(超過1基目10G降格、以降超過1基毎に5G降格)を受けた際、グリッド最後尾(グループ)スタートになるルール「Back of the Starting Grid」がある。今回、意図的かは不明だが、フェラーリがルクレール車において、FP1とFP2で段階的にユニットを開封し、「1回の交換を15G降格内におさめて、小分けにペナルティを受ける」ことで最後尾を回避するルールブック上の「抜け穴」を利用したのではないかと英メディアが指摘。FIAは1大会全体において降格ペナルティは累積されるものとして、この解釈が誤りであると発表し、ルクレールも最後尾スタートになっている(さらに予選の結果が最後尾グループ内のグリッドに反映される)。

第14戦ベルギーGP予選結果/決勝グリッド

現地時間27日の予選では、Q1とQ3でトップタイムを刻んだフェルスタッペンが1番手の位置につけ、カルロス・サインツ、セルジオ・ペレス、ルクレールの2強勢が上位を占めた。メルセデス勢はハミルトン、ラッセルともにQ3進出も、寒冷地のコンディションに合わせてエンジン性能が引き出せていないとF1公式サイトが指摘していた通り、やや低調なタイムとなった。

第14戦ベルギーGP予選結果

  1. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)Q1=1:44.581 / Q2=1:44.723 / Q3=1:43.665
  2. カルロス・サインツ(フェラーリ)Q1=1:45.050 / Q2=1:45.418 / Q3=1:44.297
  3. セルジオ・ペレス(レッドブル)Q1=1:45.377 / Q2=1:44.794 / Q3=1:44.462
  4. シャルル・ルクレール(フェラーリ)Q1=1:45.572 / Q2=1:44.551 / Q3=1:44.553
  5. エステバン・オコン(アルピーヌ)Q1=1:46.039 / Q2=1:45.475 / Q3=1:45.180
  6. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)Q1=1:46.075 / Q2=1:45.552 / Q3=1:45.368
  7. ルイス・ハミルトン(メルセデス)Q1=1:45.736 / Q2=1:45.420 / Q3=1:45.503
  8. ジョージ・ラッセル(メルセデス)Q1=1:45.650 / Q2=1:45.461 / Q3=1:45.776
  9. アレックス・アルボン(ウィリアムズ)Q1=1:45.672 / Q2=1:45.675 / Q3=1:45.837
  10. ランド・ノリス(マクラーレン)Q1=1:45.745 / Q2=1:45.603 / Q3=1:46.178
  11. ダニエル・リカルド(マクラーレン)Q1=1:46.212 / Q2=1:45.767
  12. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)Q1=1:46.183 / Q2=1:45.827
  13. 周冠宇(アルファロメオ)Q1=1:46.178 / Q2=1:46.085
  14. ランス・ストロール(アストンマーチン)Q1=1:46.256 / Q2=1:46.611
  15. ミック・シューマッハ(ハース)Q1=1:46.342 / Q2=1:47.718
  16. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)Q1=1:46.344
  17. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)Q1=1:46.401
  18. ケビン・マグヌッセン(ハース)Q1=1:46.557
  19. 角田裕毅(アルファタウリ)Q1=1:46.692
  20. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)Q1=1:47.866

予選後、さらに複雑になったグリッド降格ペナルティが適用されたことで決勝グリッドは大きく変動した。1番手フェルスタッペンは15番手スタートとなるため、2番手のサインツがポールポジションに繰り上がった。予選4番手のルクレールも16番手となる。10番手以降は6つポジションがあがる恩恵を得て、角田裕毅は19番手から13番手となった。ボッタスは予選前時点で14番手確定になっていた。

第14戦ベルギーGP決勝グリッド

  1. カルロス・サインツ(フェラーリ)予選2位
  2. セルジオ・ペレス(レッドブル)予選3位
  3. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)予選6位
  4. ルイス・ハミルトン(メルセデス)予選7位
  5. ジョージ・ラッセル(メルセデス)予選8位
  6. アレックス・アルボン(ウィリアムズ)予選9位
  7. ダニエル・リカルド(マクラーレン)予選11位
  8. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)予選12位
  9. ランス・ストロール(アストンマーチン)予選14位
  10. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)予選16位
  11. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)予選17位
  12. ケビン・マグヌッセン(ハース)予選18位
  13. 角田裕毅(アルファタウリ)予選19位
  14. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)予選20位
  15. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)予選1位
  16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)予選4位
  17. エステバン・オコン(アルピーヌ)予選5位
  18. ランド・ノリス(マクラーレン)予選10位
  19. 周冠宇(アルファロメオ)予選13位
  20. ミック・シューマッハ(ハース)予選15位

決勝展望:後半戦開幕、降格罰消化祭りで乱戦必至

計7人の降格ペナルティもあり、決勝グリッドはこれまでの顔ぶれとは異なるものとなった。もっとも、15番グリッド発進のフェルスタッペンとレッドブルにとっては「捨てレース」という訳ではなく、十分表彰台を狙えるものとして捉えており、予選1位の成績からしてもPUをリフレッシュしたマシンは完全に仕上がっている。気になるのは16番手発進のルクレールだが、FP3でバリアにクラッシュ、予選では陣営がタイヤ戦略を直前で変え、降格ペナルティのないサインツ支援に回るなど、はたして上位に食い込めるのか不安要素が多い。普段とは違うグリッド模様もあって、オーバーテイク連発の乱戦レースとなりそうだ。

また、ベルギーGPからポーパシング規制に関連して、調整可能な(フレキシブル)フロア(車体底面)を禁止するルールが導入された。同規制を主張したメルセデスがフェラーリを主としたチームを牽制するためといわれていたが、予選までの結果からフェラーリのマシンそのものは大きな影響を受けていないことが見受けられた。

2022年F1第14戦ベルギーGP:スパ・フランコルシャンの天気予報

  • 決勝スタート:現地時間8月28日(日)15:00(日本時間22:00)

ベルギーGP・決勝当日のスパ・フランコルシャン周辺の天気予報は、雲がいくらか出るものの、日中の降雨率は4%まで下がっており、昨年度の前代未聞の結末を呼んだような大雨になることはなさそうだ。気温は22℃、湿度も65%とドライコンディションが期待できる。北東から最大15km/hの風が吹くとされており、横Gのかかるコーナーでは影響があるかもしれない。

注目のF1ベルギーGP決勝は、日本時間8月28日(日)22時からスタートする。日本国内での中継はフジテレビNEXTDAZNで視聴できる。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。