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東南アジアの最小の国家面積であるシンガポールでレースを終えたF1の次なる舞台は、世界一国土面積が広いロシアだ。2014年からF1のカレンダーに組み込まれたロシアGPは、今年で5回目の開催となる。過去4回はいずれもメルセデスが制しているが、今年ソチ・オートドロームで笑うのは誰か?
★ポイント1:直角コーナーとストレートを組み合わせた半市街地コース
ロシアGPの舞台となるソチ・オートドロームは、2014年に同地で開催された冬季オリンピックのメイン会場を縫うように設計されたストリートコースだ。設計者はヘルマン・ティルケで、2008年から2012年までヨーロッパGPとして開催されたバレンシア市街地コースに似た雰囲気を持っている。
第3コーナーから第5コーナーまでの大きく回り込む左コーナー以外は、ほぼ直角コーナーと直線のため、タイヤへの負担が少ない。そのため、2014年はスタート直後にタイヤにフラットスポットを作ってピットインしたニコ・ロズベルグが、交換したタイヤで最後まで走り切って2位でチェッカーフラッグを受けた。
平均時速はシンガポールGPよりも高いが、タイヤにかかる負担が小さいため、シンガポールGPと同様、ソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトという軟らかめのコンパウンドが選択されている。
★ポイント2:過去4年間はメルセデスが連勝してきたが…
2014年に初めてF1が開催されたロシアGP。過去4年間はいずれもメルセデス勢が優勝している。しかし、昨年の予選でポールポジションを獲得したのはフェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。予選2位にもベッテルのチームメートのキミ・ライコネンがつけ、フェラーリとしては2008年フランスGP以来、フロントロウを独占していた。
しかし、ソチ・オートドロームはスタートラインから最初のブレーキングポイントとなる第2コーナーまでが長いため、3番手からスタートしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)が、フロントロウからスタートしたフェラーリ勢2台のスリップストリームをうまく使って逆転に成功した。
レース終盤にはベッテルのペースのほうが速かったが、周回遅れにうまく助けられてボッタスが逃げ切った。フェラーリのパワーユニットの性能が向上した今年は、フェラーリが優勢か。
★ポイント3:母国グランプリの鈴鹿に向けてホンダの活躍にも注目
10月5日から開幕する日本GPが控えているホンダにとっては、その直前に行われるロシアGPは、母国グランプリへの試金石となる一戦だ。ホンダはロシアGPに過去3回参戦しているが、そのうち2回でポイントを獲得。16年にはフェルナンド・アロンソが6位、ジェンソン・バトンも10位に入り、ダブル入賞を遂げている。コースとの相性は悪くない。
問題は最新仕様となる「スペック3」が導入されるかどうか。すでに年間使用基数を上回るパワーユニット(PU)を使用しているホンダは、新しいPUを使用するとグリッドペナルティが科せられる。母国グランプリとなる鈴鹿でのペナルティを避けるため、もし「スペック3」を導入するなら、ロシアGPで投入される可能性が高い。果たして……。
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