【F1メキシコGPプレビュー】ハミルトンが王手。総合優勝をベッテルが阻止する条件は? 【3点解説】

MASAHIRO OWARI

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アメリカGPを終えたF1は、隣国メキシコへ舞台を移し、2週間連続でグランプリを開催する。アメリカGPではライコネンが5年ぶり勝ちを挙げ、総合優勝決定はお預け。果たして、メキシコではどんな戦いが待っているのか?

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★ポイント1:圧倒的優位のハミルトン、タイトル決定か?

第18戦アメリカGPを終えた時点で、タイトル争いはルイス・ハミルトン(メルセデス)が346点でリードしており、276点のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)との差は70点。メキシコGPを終えると残りは2戦しかないので、ベッテルとの差が50点以上になればハミルトンのタイトルが確定する。つまり、ベッテルはメキシコGPでハミルトンより21点以上多く得点しなければならないのだ。

F1では、優勝者に25点、2位に18点が与えられるため、ベッテルがハミルトンに21点差をつけるには優勝が絶対条件。そのうえ、ハミルトンが8位(4点)以下に終わらなければタイトル獲得の望みは消える。数字上は圧倒的にハミルトンが有利だ。

◆メキシコGPでタイトルが確定する条件は以下のいずれか。

  • ・ハミルトンが7位以上(ベッテルの順位は関係なし)
  • ・ベッテルが2位以下(ハミルトンの順位は関係なし)

◆逆にメキシコGPでタイトルが確定しない条件は次のとおり。

  • ・ベッテルが優勝し、ハミルトンが8位以下のみ。


★ポイント2:昨年の勝者、フェルスタッペンが、2強に割って入る?

メキシコGPの最大の特徴はサーキットの標高の高さだ。戦いの舞台となるメキシコシティの標高は実に2250m。もちろん、全21戦中ナンバーワンの高さだ。空気が薄いため、その流れを利用してマシンを地面に押し付けるダウンフォースが減少する。したがって、メキシコGPではどのチームでもダウンフォースを発生させる空力パッケージが投入される。

なお、メキシコに次いでダウンフォースが高い仕様で走行されるのはモナコで、今年のモナコGPはレッドブルが制している。さらに、昨年のメキシコGPはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝しているためレッドブルが有利といえそうだ。また、前戦アメリカGPではそのフェルスタッペンが18番手からスタートしながら、総合順位トップのハミルトンや、優勝したキミ・ライコネン(フェラーリ)に肉薄する走りを披露しており、タイトル争いを演じるハミルトンとベッテルにとっては、要注意の存在だ。


★ポイント3:コースと気圧、いつものGPとは異なるセッティング

ホームストレートは1km以上あるが、4コーナーから先は、曲がりくねった低速コーナーが連続。さらに、コース終盤には元野球場の中を走るインフィールドセクションがあるため、マシンのセッティングは難しい。また路面がバンピーであるため、ドライビングも容易ではない。

そして、標高の高さによる気圧の低さは、パワーユニット(PU)の性能にも影響する。空気の薄さにより燃焼できる酸素が減少するからだ。

一般的に、標高が100m上がるとエンジン出力は約1%低下するといわれており、単純計算で22%の出力が失われることになる。そのため、どのマニュファラクチャーもターボの稼働をいつもより多くして、出力の落ちを補うなど、いつもと違った使い方を施すことが原因で、昨年はPUのトラブルが相次いだ。進化したホンダに期待したい。

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